菅政権支持率急落-立憲の支持率は上がらず-信頼を得られない理由を探る

前回ブログ更新の合間に色んな事が起きました。再びの緊急事態宣言発令に、アメリカの暴徒が議会に侵入した事件など、2021年も初っ端から色んな事が起こりすぎており、このまま一年間が何事もなく過ぎていく事なんてないんだろうな、と波乱の一年の幕開けを感じております。

色んな事象について私見を書き綴りたいところですが、まさに色んな事が起こりすぎていたため考えをまとめられません(笑)できれば大きな出来事は一か月に一つくらいのペースにしてもらいたいところです。

その数多ある出来事に振り回されるように菅政権は失政に失政を重ね続けてきています。素人目に見ても後手後手と言わざるを得ないような対応が繰り返されていますが、当の本人はどこ吹く風。未だに先手を打っていると自分で勘違いをされていらっしゃいますし、様々な視点で物事を見れる実力派を気取っておいでなので変に自分の考えに固執するところがあり、その考えが批判されると方向転換をするわけですが、「間違えた。申し訳ない」とは死んでも言わないわけですね。これは周りに諫める人が皆無という不幸と、やはりこの人を持て囃してきた人たちが多く、本人が逆上せ上ってしまっている事が原因だと思います。

菅政権の支持率は、16日毎日新聞の調査で33%。危険水域間近です。たしかに毎日は自民党に批判気味なので低く出る傾向はありますが、どこか一社でも支持率が3割を切ってしまうとそれがニュースになり、他紙の調査にも影響が出てくるのだろうと思います。支持率が下がると新たな政策テーマを打ち出したり解散をしかけたりする手法でごまかしていた安倍総理x今井秘書官のやり方に否定的だった菅総理ですので、このやり方で支持率を上げる事は死んでもやらないでしょう。とすると、政策を積み上げてしっかり実績を作ってから支持率を上げたいというのが菅総理の性格でありやり方。しかしそれはコロナパニックで封じられていると言ってもいいです。もう既に摘んでいるはずですが、私は菅総理は絶対に辞めないし、自分の手で解散にまで踏み切っていくと思いますよ。いくら自民党に分が悪くてもね。

そんな中で立憲民主党の支持率は11%となっています。(毎日新聞)他紙では3%という数字も出ていて、熱狂的なコア層は3%ほどしかいなくてあとは消極的な支持という事になるんだと思います。支持率ですべてが図れるなどとは思っていません。その証拠に自民党は2,30%の支持率を保有しているのに衆院/参院の補選で候補者擁立を見送りました。勝てないと踏んだからです。つまり支持率が選挙結果を=していないという証拠になります。だけども、やはり政権交代を目指すとなると20%は支持率がないと全国的な勝利を勝ち得ません。立憲が支持率を上げられない理由はどこにあるのか。それは小手先/目先の事というよりも根本的なところに問題があると思っています。

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以前、Twitterでも触れたのですが、私は2018年参院選で初めて選挙の応援というものを体験しました。選挙事務所で支援のお願い電話をするというものです。当時、京都選挙区には主に自民党・共産党・立憲・国民、という候補が立候補をしていました。しかし国民は立憲との一本化を目指して候補を断念します。それが現在滋賀一区で候補となっている斎藤アレックス氏です。この決断には心から賞賛をしたいと思いましたし、斎藤さんの後見人である前原誠司さんの英断であり、罪滅ぼしだったのではないかと評価したほどです。結果、自民vs共産vs立憲の三つ巴となりました。何が何でも野党共闘を訴える方々は立憲を批判していましたが、理念の異なる共産とむやみやたらに共闘する必要はありませんから議席を得るために立憲が候補者を立てたのは筋が通っています。しかし、立憲の候補者は多くの共感を得られる候補ではありませんでした。

今はもう政治活動をされていませんので候補者の名前はあえて伏せますが、彼女はLGBT当事者で性的マイノリティとしてそれを全面に出して訴えを行ってきました。多様性をブルーオーシャンとして戦略の中枢に据え、そしてパリテを掲げた立憲民主党の候補者としてはまさに適任でむしろ象徴的な候補者だったと思います。それ故に私が以前から訴えているように、まさに多様性政策しか具体的に語らないような印象を世間に与えてしまっていたのです。

立憲が大苦戦しているという情報は隣の滋賀県にも伝わってきました。候補を取り下げた国民民主党への全面協力の依頼も選挙戦ギリギリにならないと無かったり、それに対して前原さんがネットで苦言を呈したり民主勢力がバラバラで特に立憲側がその準備を怠っている様子がひしひしと伝わってきたのです。対して滋賀県は、無所属として17年衆院選で統一候補となる事に失敗し落選をした嘉田元滋賀県知事が与党自民党候補と互角以上の戦いを繰り広げていました。嘉田さんの陣営は彼女が築き上げた親族含むがちがちの後援会がありますので、むしろ新参の人間が応援に入ったり手伝ったりできるような環境にありません。そんな政治色満載の組織に入るよりも、苦戦をしている京都に応援に入ろうと思ったのです。そんな経緯で、立憲京都の陣営に電話かけのボランティアで参加させてもらいました。

ボランティアの内容は、京都選出である福山哲郎幹事長の後援会名簿に電話をするというものでした。選挙事務所に行き、名簿を渡され、奥の部屋でひたすら電話をかけて支援を要請します。人によっては「頑張ってね」と言って頂ける時もありましたが、そんな良い反応は2割ほど。後援会名簿なので簡単ですよ、とスタッフから聞いていたにもかかわらず、そのほとんどが後援会名簿として機能していなかったのです。「なんでこの番号を知っているのか」「後援会など入っていない」という反応が約5割。いわゆる「この名簿は死んでいる」と思ったのです。幹事長という役職に就いている議員の後援会名簿のほとんどが機能していないのです。そんな中でも説明をして支援をお願いしていると、「今回は立憲さんには入れないよ」や「自民党には入れへんけど、共産に入れた」といった声も多く頂きました。自民党への批判票が立憲に流れる構図になっていない事を痛感しました。

自民党は盤石の西田昌司氏。まずトップ当選は高い。そして共産党は現職の倉林明子氏。この方も京都府内でポスターを多数見かけるし、弱者の見方を謳って選挙戦を展開しておられました。立憲からしたらこの2人には負けられないところですが、各社予想からも大きく水を開けられている状態。それは電話かけをしてよく分かりました。「なぜ立憲に支援いただけないのか」を会話の中に盛り込みながらお聞きしていると、「候補者を知らない」「何をしてくれるのか分からない」という答えを多く頂戴しました。知らないというのは時間がない中で仕方がないかもしれない。でも、何をしてくれるのか分からないという意見は、立憲の候補者として政策が府民に響かないものである事に違いがありません。そこに立憲民主党が気づいていない事に強烈な不安を覚えたのです。

苦戦を強いられている選挙事務所の様子ですが、とても苦境に立たされているとは思えない緩さでした。自分だったら、負けるかもしれない戦いならばアドレナリンが出て「よっしゃやるとこまでやってやるぞ」となるのですが、スタッフたちは楽しく談笑を決め込んでいましたし、電話かけをボランティアに任せ、自分たちは一切掛けない。ほかのボランティアのおばさん達もそんな空気の中で電話かけはユルユルとほぼしていないに等しい。私が3時間ほど電話を掛けまくって新たな名簿を欲しいと申し出ると、「そんなに頑張らなくてもいいですよ」と気遣ってくれるのです。

頑張らないと勝てないんですけど。

ここで感じたのは、「この人たちは勝つ気がない」という事でした。これでは候補者は絶対に勝てないし、候補者の訴えの何が不味いのか絶対に分からないんだろうと。案の定、落選をした彼女は「力不足を痛感」というコメントを残し、政治活動から離れていきました。力不足以前に組織として成立をしていないのです。怨念の町と言われる古い歴史の上で成り立っている京都。民主勢力と共産勢力との諍いは一長一短で語れるものではなく、さらには前原さんのせいで民主勢力も真っ二つに二分されてしまっている。さらに、立憲としての勢力も力不足の福山幹事長のせいで組織としてまともに機能をしていません。

そんな状況の中でもこの体たらくにほとほとあきれ果ててしまいました。内実の一端を垣間見た状況の中で、福山幹事長の記者会見やインタビューや国会質問を見ていると、「誰が言うとんねん」という嫌悪の感情しか私には浮かばないんですよ。こんな力のない人には組織をまとめあげる幹事長は務まらないと。だって自分の後援会ですらボロボロなんですから。

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支持率が下がり続ける菅政権に対して、立憲民主党の支持率は上がりません。それは、「立憲のここが嫌」「立憲のここが信用できない」「立憲が政権を獲るともっとヤバい」と言われるような事にまったく耳を貸さない事が原因です。聞こうともしない。「耳に痛い話は聞きたくない」という人はそれ以上の成長がないのです。

私は戦略的政権交代を仲間と一緒に掲げ、立憲民主党が政権が付く事を望んでいます。それは、戦略的に、です。立憲民主党が政権に就けば、全てがうまくいくなど全く思っていません。それでも、政権交代というパワーが政治を緊張状態にする事で自民党による日本の破壊を食い止める事が出来るかも、と思うからです。政治にBestはない。だからこそ常に選択をして、Betterを選ぶ。これが政治に必要な事です。「支持する政党はない」「どこも支持できない」「だから投票をしない」という人が日本には多いですが、身近にも多いですが、この政治の原則を理解していないからそう思うのです。政治に対してBestを探している。そんなものいつまで経っても現れません。Betterを選ぶとなれば支持政党がないという選択肢は消えるわけですから。

ですが、国民には何の罪もない。これが私の持論です。罪は間違いなく政治側にある。Betterですら選んでもらえない政党と、その原因が自分たちの中にあるという現実を直視してもらわない限り、この苦境に立たされた日本を救う事はできません。何もかもを褒めてくれるようなコアコアな支持者の支援や言葉など要りません。そんな人たちを囲うだけの党員パートナーズ制度など辞めてしまう方がいいと思います。

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