令和6年予備試験論文 実務基礎刑事

刑実 条文はちゃんと引いた はず
設問2小問3は書いた事実だけ羅列 ちゃんと文章で評価したはず
その他条文の文言不正確な箇所は本番はちゃんと書いたはず321-1-2あたり


設問1 小問1
1 それぞれ検証と押収にあたる行為だから原則は令状を要する(条文)
被疑者が占有を放棄したものは強制捜査により侵害される権利が観念できないから
領置(条文引けず)として必要性緊急性を考慮して具体的状況のもとで相当と言える場合許容され
る。
2 本件車両は、Aが事故現場に放置していったものでありAはその占有を放棄したといえる。さら
にTレンタカーは本件車両について警察に被害届を出していることから捜査中の本件車両について
権利は放棄しているといえる。したがって現場の写真撮影は領置に付随する処分である。本件車
両が被害品であることや事故の状況を保存するために写真撮影は必要かつ緊急性があるから相当
性が認められる。したがって写真撮影は適法である。
本件フェリーのチケットはAが放置していったものだから領置の対象となる。Aが買った本件フェ
リーチケットが本件車両にあることは、Aが本件車両を利用していたことを推認させる間接事実で
あり証拠保全の必要性緊急性が認められるから相当性があるといえる。よって本件フェリーのチ
ケットの領置も令状なくとも適法である。
設問1 小問2
1 発布を受けた令状は鑑定許可令状である(条文)。
2 血液は体内から自然に排出される老廃物ではないから捜索差押許可状は妥当しない(条
文)。
また、強制採決は注射針による体内侵襲を必然的に伴うから身体捜査令状も妥当しない。
したがって、鑑定許可令状を発布した。
設問2 小問1
1 本件ではAの詐欺の故意の有無が争点となっている。Aが本件車両を騙し取るつもりがないの
であれば、丙島で借りたレンタカーを返却予定時刻後に島外に持ち出すことを可能とする乙市行
きのチケットをレンタカーを借りた3日午後1時以前に用意しているはずがない。反対にレンタ
カーを借りた時以前に、かかるチケットを購入しているのであればレンタカーの交付を受けた際
に返却意思がなかったことが推認されることで詐欺の故意を認定することができる。
2 このような理由で下線部③の捜査指示をした。
設問2 小問2
1 積極的に働く事実
Aが本件レンタカー契約時に契約金を支払わず後払いにしたこと
AはVから電話で所在を聞かれた際に、現在地を答えなかった および乙市内にいるのにもかかわ
らずVに対して平島にいると答えたこと
Aは本件レンタカーを平島という営業地域から島外の乙市内へと返却時間ごに持ち出していること
Aは友人Xと遊ぶ予定を返却時間後の5日に入れていたこと
2 消極的に働く事実
Aが本件レンタカー契約時に自らの携帯番号を記入し、契約書を作成していること 通常騙し取る
つもりであれば虚偽の情報を書くはず
AはVからの電話にこれから返すなどと応答していること 騙し取るつもりなら応答しなくてもい
いはず
Xにレンタカーで返却期限を過ぎていると伝えていること 騙し取るつもりなら友人にも詳細を言
う必要はないはず
Y市内行きの本件フェリーの車両用チケットは、返却時間後に購入していること 最初から騙し取
るつもりであれば他のチケットを買った時と同じく当初からチケットを用意するのが自然
3 これらの事情を総合的に考慮すると、本件車両を借りた時点で、騙し取る意思があったと評
価することはできず、事後的に横領の意思が生じたものと判断した
設問2 小問3
1 横領とは、委託の任務に背き権利者でなければできない処分行為をする意思たる不法領得の
意思の発現たる行為をいう。
2 あ は本件車両の返却時刻と同時刻でありAが本件車両を返却していないとしても返却時刻に
少し遅れた程度であり権利者でなければできない処分行為をしたとは言えない。
い はVがAに電話をかけた時刻である。この際にAは現在地を答えなかったがこれから返しに行
くと言っていることから返却の意思があると言える。また返却時刻に遅れることで直ちに不法領
得の意思があるとは言えない。
う の時点で、Aは乙市内行きのフェリーに乗り込んでいる。前述のように本件車両が平島で利用
されることを前提としたレンタカーであることから、当該の乙市内へ向かうフェリーへ本件車両
を乗せることは権利者でなければできない処分行為をしたと言える(小問1か小問2の積極的に
働く事実で、離島で営業するレンタカーは通常島内で利用されることを想定していると記載した)
設問3
1 321条1項2号の特別に…状況とは相対的特信状況をいい、公判での証言よりも前の供述
が相対的に信用できる場合をいう
2 XはAは地元の中学の同級生で、いつも怖い先輩たちとつるんでいた。今日傍聴席にいる人た
ちもAが昔からつるんでいた先輩たちだと思う と発言している。そして公判での証言時は、Aの
友人の怖い先輩たちがXの証言時に咳払いをしたり、Aと目配せをしたりしていた。そしてXはA
から電話があったかどうか覚えていないなどと前の供述と実質的に異なる発言をしている。この
ことからXの公判での証言は、Aの友人らの存在によりXの自由な意思によってされたものとは言
えない。他方、検察官の面前で行われたXの供述時には、Aの自由意思を阻害するような環境はな
く、またXがAにとって不利な発言をするような個人的な事情もない。このような事情を考慮し
た。
設問4
1 (1)について
真実義務は積極的に真実の追求をすべきとするものではなく、真実発見を妨げないようにすると
いう消極的真実義務であると解する(条文) そして被告人を防御するという弁護士の立場から
(条文)、被告人が無罪主張を望む場合に無罪主張をすることは許されると解する
なお、その場合であっても事実と異なる無罪主張をすることで不利益が生じるというリスクも被
告人に説明した上で行うべきである
2 (2)について
Yに嘘の証言をさせることは、偽証罪の教唆にもなる犯罪行為である。さらに、偽証の禁止(条文)
にも反する。よって弁護士倫理上問題があり認められない。以上

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