mRNAワクチンの製造工程から考えるDNA不純物
今月初めにファイザーとモデルナのmRNAワクチンをディープシークエンス分析にかけたケビン・マッカーナン博士と彼のチームの研究を報告し、プラスミドとして知られるDNA汚染物質が見つかったことを明らかにされた。
以下は引用です。
では、ここからmRNA製造工程からDNA混入について考えてみよう。
ワクチンのmRNAを供給しているBioNtech社の製造プロセスの資料は見つからなかったため、製造工程はバイオ医薬品プロセス開発を行っているCytiva社より引用させていただく。
ここに記載されている方法は上の記事で問題となっているプラスミドDNA(pDNA)を用いたRNAの製造方法なので、Covid-19のmRNAワクチン中のmRNA製造法とおおむね相違はないものと思われる。
まず、mRNAはpDNAを経由せずに合成が可能かという点について鑑みると、可能であるが、商用・工業的には厳しいのが現状というのが私の考えだ。
確かにPCR法等の他の方法で目的とした遺伝子を増幅することは可能であるが、ワクチンに使用されるほど多量(数十㎍~数g単位)にRNAを大量生産するには費用が膨大になるのは目に見えている以上、現実的ではないだろう。
大腸菌に目的のpDNAを導入して繁殖条件を整えさえすれば、理論上は2のn乗で増やすことができるpDNAのプロセスを利用するのは合理的といえる。
HPに記載されているこの工程で、pDNAは大腸菌を用いた発酵プロセスで製造された後、採取、精製、直鎖化、そして再精製され収集される。その後、pDNAはRNAの鋳型となり、酵素やヌクレオチドが加えられた作用として目的のmRNAが得られる。ここで注意したいのがpDNAによるRNA生成は同じ溶液中でなければならないため、ここで得られるmRNAはpDNAとの混合液となる。
pDNAからどれだけの割合のmRNAが生成できるのかは不明だが、ここから更に精製分離を行ったはずの最終製品で、RNAに対するpDNAの混入比率が数百から数千分の1であることから少なくとも同じオーダー(桁数)のものとなるだろう。
話が前後したが、ほぼ同量で存在するmRNAとpDNAの混合液からmRNAのみを取り出すのは高度な技術を要するものと思われる。例えるのならカフェオレからミルクの成分のみを取り出そうとするようなものであるからだ。
(申し訳ありません、酵素によるDNA分解を失念しておりました訂正してお詫びします。
ただ、酵素を加えるだけで分解できるものが残留しているのなら余程杜撰な企業なのか、はたまたそれを言い訳・・・免罪符にして、遺伝子製剤の注入対象者が延々とスパイクタンパク質に苛まれるよう仕向けていますので、悪意のある行為を平気で行う企業という他ありません。)
mRNAを利用する上でpDNAを除去する精製工程は注入される生体をDNA汚染から守る意味で非常に重要である。HPを見るにここではクロマトグラフィーと呼ばれる手法が用いられている。
(クロマトグラフィーは一般には溶媒を流しつつ目的物を入れた後、カラムと呼ばれる担体への吸着と脱離速度の差で成分を分離する方法であるが、サイズが大きく複雑な分子であればカラムとの相互作用がうまく働かない場合もある。)
HPでは他にも膜ろ過等の精製を使用しているが、精製を繰り返すほど純度は向上するがロスも増え、コストが増えることは常である、さらには精製工程を重ねるほど熱や酵素に弱いmRNAが破損してそれ自身が不純物(終止コドンの無いmRNA)となることは目に見えているので、最終的な純度がどの程度であるかはメーカーの良心と技術力に依存せざるを得ない。
mRNAでもヒト細胞の染色体へ転写・挿入が観測されているが、pDNAはRNAよりも安定であるため長期に体内に残留するものと思われる。ファイザーのコロナワクチンでは1回の注射でmRNAが30μg(約13兆個)含まれているので、仮に上の記事であるようにmRNA350分子あたりプラスミド1個のDNAが混入しているならば、370億個のpDNAが1回の注射で生体(人体は約37兆個の細胞で構成される事を考えると不安に駆られる量としか思えないが)に注入されることとなる。
pDNAに限った話ではないが、これら遺伝子物質は影響が長期に渡ると見込まれるため、実際にどれだけの量から健康に悪影響なく、安全に利用できると言えるのかはまだ誰にも断言できないだろう。
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