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人間はみずからが愛するものごとにって、形作られる

人間はみずからが愛するものごとにって、形作られる

ドイツの詩人 ゲーテ

ゲーテの言葉を借りて、今日は、好きが世界を動かしている。そんな話をします。

まだこの言葉にピンときていなくても、noteを読み終わったときには何かしら刺さるものがあれば嬉しいなと。

人は合理的じゃない

「なんかいいよね」という感情を言語化したくなるけど、どうやらそれは不可能らしい。

ゴールデンサークル(Why>How>What)のWhy(ビジョンや存在意義)の好き嫌いは大脳辺縁系という脳の器官で判断されるのだが、そこで感じることは脳の仕組み的に言語化不可能。

でも人は、その言語化できないWhyによって好き嫌いが生まれ、購買判断することが多い。

機能(What)で全てを判断しているわけではない。
人は全然、合理的ではないのだ。

例えばスマートフォン。
iphoneよりもコスパがいいスマホは山ほどあるのに、なぜかAppleのiphoneを選んでしまう。
人がWhat(プロダクトの機能)ではなく、Why(その企業のビジョンや存在意義)で好き嫌いを区別し、購買判断をしている。
AppleのCMを思い返すと、機能の話なんてほとんどない。

特にMac初号機を売り出す際のCM(1984)は、初号機にもかかわらず機能の話は一切してない。

ただ、「今までの当たり前を壊す」というビジョンだけを伝えている。

広告も、新規サービスも、UIも、人が言語化できない「何かいい」という感情に訴えないといけない。
知性に裏付けされた正しさだけでは、どうにもできないのだ。

だから、人と話して、現場へ行って、本物に触れ続ける。

刀の森岡さんは、新規案件の時、徹底的にそのドメインのことを知ることで有名だが、あそこまでやらないと人の感情に訴えかけるメッセージやアイデアは出てこないということを、体現している。

机の上で、ググってるだけでは、何も生み出せない。

人は正しさでは動かないから。


僕が大好きな旅もものすごく非合理的

自分自身、海外への旅がものすごく好き。

でもぶっちゃけ今はググれば学びたいことは出てくるし、YouTubeでいろんな人が現地の様子をリポートしてくれている。

だから、合理的に考えると、海外なんていく必要がない。

でも、行ってしまう。
この謎現象を芯喰った言葉で伝えられずにいた。

でも上記のメカニズムを知って、それは至極当然のことだと理解した。
現地で本物に触れたからこそ生まれる「好き」という感情は、言語化できないものらしい。

僕も、合理的な判断ではなく、言語化できない好きで行動をしていた。


好きが世界を動かしている

最も個人的なことが、最もクリエイティブなことである。

2020年アカデミー賞受賞:ポン・ジュノ監督のスピーチ

これは、圧倒的な行動によりもたらされる、再現性と普遍性の高さが伴う「個人的な好き」を磨いた人だけが言っていい言葉だと思う。

上で、人は合理的な生き物ではいことは散々言ってきた。

正しさがないこの世界で何をすればいいのか。

やるべきは、「最も個人的なことが、最もクリエイティブなことである」と言えるだけの圧倒的行動をすることである。

その行動に裏付けられた個人的な好きが周りへ伝染する。

好きが世界を動かしているって、きっとこういうことなんだ。


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