フランスのギャレット・デ・ロワと西日本のお雑煮の類似性(続)
(はじめに)
前編のノート記事で、私のうちでは、galettes des roisのフェーブと同じように、郷里香川県三豊観音寺地区では、丸餅にそら豆を入れていました。今も入れているか、郷里の友人の皆さんにお聞きしてみました。郷里の友人の皆さん、お返事ありがとうございました。
友人の皆さんのおうちでは昔も今もお餅にそら豆は入れていないとのこと。そうなると、お餅にそら豆を入れていたのは、うちだけかもしれませんね。子供の頃なので、他の家もそうだろうと漠然と思っていました。もう、父母も亡くなり、なぜうちではお餅にそら豆を入れたもの作っていたのか今となっては不明ですが、ひょっとしたら、白系ロシア人からの風習かもしれません。
1. 満州の白系ロシア人の一家の話
私の父は、戦前満州国牡丹江市に13年間住んでいて、会社を経営していました。会社の守衛さんには、白系ロシア人一家を住み込みで雇っていました。その人に勧められて、虫下しのため、白系ロシア人のお医者さんの所に行くと、濃い茶色いコーヒーみたいな飲み物を飲まされ、そのあたりを1時間ほど歩いて来いと言われ、1時間していくと、虫がすぐに降りてよく利いたとか言うのを覚えています。さらにその白系ロシア人の娘さんは、ナターシャとかいってロシア語、日本語、中国語の3ヶ国語がペラペラだったので、白系ロシアの会社との商談のとき、ロシア語と日本語の通訳をしてもらいましたが、肝心かなめの値段交渉で数字の通訳が出来なくて、困ったとかいう話などを覚えています。私たちも欧米の数字と日本語の数字の通訳は、とても難しいですよね。
2. そら豆は満州の白系ロシア人からの風習かも
また、これは白系ロシア人の風習か、満人の風習かわかりませんが、戦後になっても、うちでは、冬、満州では肌荒れや手足のあかぎれによく利くという、クリームを自家製で作っていました。肉屋さんから、捨ててしまうラードの塊を分けてもらって、これをフライパンで温めて、液体にし、それに、薬局で買ったホウ酸を少し入れて、混ぜ、冷やして固めて、小さな瓶に詰めて、これを、手足や顔に塗っていました。
うちでは、丸餅に、時々そら豆を入れて作り、それがお雑煮を食べたときに、あたると、ラッキーだと言われていましたが、これって、今から考えると、キリスト教徒の公現祭の時の、丸い平たいお菓子のガレットデロワの中のそら豆(フェーブ)と同じ風習ですよね。それで、私は、他の家では全く、丸餅にそら豆を入れていなかったらしいと聞くと、父母は、この白系ロシア人の風習をうちでもやっていたのかなあと、今になって想像します。
3. 在日ロシア人の方に聞いてみたい
そもそも、白系ロシア人も、ガレットデロワ (galettes des rois)みたいなお菓子をお正月に食べていたんでしょうかね。誰か、日本に住んでいるロシア人に聞いてみたいですね。
2022.12.30随筆
*なお、冒頭の写真は、下記のウイッキペディアから引用させていただきました。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AC%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%BB%E3%83%AD%E3%83%AF
最終更新 2022年4月19日 (火) 06:02
そして、写真の作者は下記の方です。
Steph Gray le 15 janvier 2011 (CC BY-Sa 2.0) - https://www.flickr.com/photos/lesteph/5652998914/in/photolist-9Bx6Cw-5RGUQy-7sUHBy-5RGVc7-qP2Zsz-qHDyBs-qP3118-hU2VSy-b8nuXk-qwA3zZ-dMXfrn-qGddNz-b92SmP-9Bx6yf-qwA3GH-qwA3jD-7CGYpo-qDYV1A-qwBsKi-yMErK-qP2ZMx-qnuN6d-4dJgLM-yMErD-9d1TYt-yMErP-4jrDjV-yMErN-7Hk5Kx-dMsjBf-qP31Xi-bi92DP-7DgY2x-9awpGo-bi92F6-985dXS-4rEfwx-bi92Ga-jbBd6T-9awpdj-4rJk3C-pwZgaz-b8DpLV-4kvB46-5Nk5fg-iWQBiq-5SzvTy-7AmCGY-5Npkyh-bccrGP
Galette des rois avec couronne
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