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「脱いだ」というおまじない

(はじめに)


これは、北海道出身で京都在住の2年後輩と、香川県出身で信州在住の私との電子メールでのお話です。
 
 

1.【後輩K君から】


 
京都検定試験一級の問題の中に、京都出身の我がワイフや、地元京都市民でも「ん?」とうなるような問題もありました。
 
「急いで服を着たら、ほつれていたところがあったので、服を着たまま母が針と糸を使って直してくれた。この時に唱えられる京言葉は何か?」
 
4択になっていたのですが、どれも聞いたこともないものでした。
 

2.【私から】


 
K君
 
四国の香川県では、その時、「脱いだ」と言います。
 
着物を着たまま、針で縫ったり、はさみで切ったりすると、外出したときに 剣難(辻斬りや刃物を
持った強盗)に会うから、脱いだことにするという意味です。私は、母親に、このおまじないを言うように、小学生の時に言われたのを、貴君のメールで何十年ぶりかに思い出しました。
 
私は、京都でなんというのか知りません。
奥さんに聞いたら、教えて下さい。
 
大変興味深いです。
 

3.【一昼夜して後輩K君から】


 
いやあ、ビックリです!
ワイフも、会社の京都育ちの方々に聞いても全然分からずじまいでしたので、ウェブでいろいろと検索してみたら・・・
なんと、京言葉でも同じく「脱いだ・脱いだ・脱いだ」と発するというのが説明されていましたよ。
香川でも同じ表現だったことにも興味を引きますね。
 

(おわりに)



これ着衣のまま針を使うので「着針」とか、出かけに服を脱がずに針を使うので「出針」というらしいですね。この「出針」は縁起が悪いとされているので、「脱いだ」というおまじないを言うのだそうです。皆さんの地方も、「脱いだ」というおまじない、言っていましたか?全国的に言うのか大変興味があります。
 
 
平成29年(2017年)12月12日随筆
令和4年(2022年)5月6日加筆

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