偶然道で会った荒熊しいおじさんに聞いたら、予期せぬ言葉が返ってきた!
(はじめに)
私は今年の6月初めから、信州上田市教育委員会主催の古文書講習会に参加し、初めて、古文書の解読を習い始めました。月1回の講義を受け、毎回宿題を解いて次回持っていきます。とっても難しく大変ですが、くずし字が少しずつ読めるようになってきて楽しいです。でもこの講習会だけでは、解読は困難を極めて宿題ができかねるので、ネットで、いろいろな支援アプリなどを見て、解読しています。だいぶ読めるようになってきましたが、まだまだです。その中で心にしみる古文書にときどき出会います。
古文書のWEBページで出会った古文書の一文
古文書のWEBページ「みんなで翻刻」< https://honkoku.org/ >の表紙に出て来る古文書の一文を、下に載せます。ただ、くずし字の平仮名は現代風にほぼ直しています。
私はこれを読んで、なんだか、人生を感じて、感動しました。皆さんはどう思われますか?
心なしと見ゆるものも
よき一言はいふものなり
あらゑびすに
おそろしげなるが
かたへにおりて
御子はおはすやと
とひしに
ひとりも
もち侍らずと
こたへしかば
さては物のあはれは
しり給はば
情けなき御心にぞ
子ゆへにこそ
思ひしらしらると
いいたりし
偶然道で会った荒熊しいおじさんに聞いたら、予期せぬ言葉が返ってきた。聞いた私が悪いのか、おじさんは答えにくかっただろうに。
江戸時代の古文書のようなので、私のこの解釈が正しいかどうか不安は残りますが…、
もののあわれというものかと思いました。
(おわりに)
「くずし字」の平仮名は、明治の初めまで1000年間も使われてきましたが、一つの音に複数あって、学びにくいため、文部省は、明治7年に一つの音に一つの平仮名と定め、全国民が学びやすいようにしました。例えば、「い」という平仮名は、元は以という漢字(=字母)の草書体ですが、その他にも伊、移、意などの漢字の草書体もそれまでは使われていました。これらは現在では変体仮名と呼ばれています。このような明治以前の変体仮名を含む「くずし字」の古文書を読む事が出来るのは、現在では全国で5000人しかいないと言われています。それでは、過去の日本の歴史が解らなくなってしまうので、現在でも、各市町村の教育委員会などでは、古文書の会などを設立して、普及に努めています。それで私は、このような講習会に出て、古文書が自分でも読める様になれば、日本の昔のことも、直接わかる様になれると期待しています。上のように、江戸時代の荒熊しいおじさんの、感情が伝わってきて、感動します。
令和6年(2024年)10月21日 随筆
*なお冒頭の写真は、WEBページ「みんなで翻刻」< https://honkoku.org/ >の表紙から、引用させて頂きました。