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6号酵母、西のマッサン、東のアラマサ、信州上田の女性杜氏

(はじめに)

東北大に勤めている友人が、昨日6月7日に仙台で開かれた「6号酵母サミット」に出たというのを、彼女のFacebookで知りました。私は専門が全く違うので、「6号酵母」って何の事だろうと思って調べました。調べて驚きました。また大変感動しました。
 

6号酵母、西のマッサン、東のアラマサ


 
大阪大学の大先輩で、ニッカウィスキーを作った、マッサンこと竹鶴正孝さんは、朝の連続テレビ小説で数年前取り上げられてとても有名になりましたが、6号酵母は、阪大でマッサンと同級生だった新政(アラマサ)こと佐藤卯兵衛さんの発見した画期的な日本酒酵母のことでした。優秀な二人は、「西のマッサン、東のアラマサ」といえる存在でした。

秋田の酒造会社の佐藤卯兵衛さんは、昭和の初めに、低温でも優秀な日本酒を醸し出す酵母を発見します。それまで、日本酒は京都や兵庫県が中心で、気温の高いところでしか働く酵母がなく、日本酒といえば、西日本と思われていたのですが、秋田のアラマサ酒造の後継ぎの佐藤卯兵衛さんが、友人の協力のもと東北のような気温の低いところでも、よい酒を発酵できる6号酵母を発見したそうです。それ以来気温の低い東北や信州、越後なども、日本酒の有力な産地となったとのことです。6号酵母の歴史は、次のURLに詳しいです。ご一読をお勧めします。私は感動しました。http://www.aramasa.jp/around/

信州上田の女性杜氏


そういえば、信州上田の、この前亡くなった岡崎酒造の岡崎光雄社長も、阪大工学部発酵工学科の出身でした。岡崎先生が、阪大発酵工学の学生の半分が全国の酒造会社の息子や娘だと、言っていたのを思い出しました。彼は、15年前くらいまで、信大繊維学部応用生物学科の教授だったので、同じ信州大学に勤めている私は、彼の定年後も岡崎先生と呼んでいました。今は、娘さんの岡崎美都里さんが、これまた醸造学科が大変有名な東京農業大学を出て、女性杜氏となり、岡崎酒造を盛り立てています。https://sakestreet.com/ja/media/sakagura-okazaki-shuzo-nagano この前、亀齢大吟醸が品評会で日本一になり大人気となってなかなか購入しにくくなっています。ここでも、6号酵母を使っているのかどうかは、よく知りませんが、機会があったら聞いてみたいと思います。

信州上田には、もう一人、同じように娘さんが実家の造り酒屋「若林醸造」を継いで、大変おいしいお酒「月吉野(つきよしの)」を造っている若林真実さんもいます。私は、時々、この若林さんの作った日本酒を、塩田平にある若林醸造に、買いに行きました。最近、この女性杜氏の若林さんの写真を、鉄道写真家の中井精也さんが、「月吉野」醸造所近くの別所線「中野駅」で撮られているのを、NHKテレビで見ました。若林酒造さんも、真実さんの活躍で完全に復活しました。https://jp.sake-times.com/knowledge/sakagura/sake_g_wakabayashijyozo 
上田の住人としては、大変嬉しい限りです。

(おわりに)

信州上田は、今、女性杜氏が大活躍し、日本酒がおいしいです。信州のこの東信地区はワインの一大産地でもあり、日本酒やワインの地酒を大いに楽しめる地域です。コロナ禍が落ち着いたら、是非、信州上田においでください。

*なお冒頭の写真は、【上田 岡崎酒造】稲倉の棚田産 ひとごこち です。岡崎酒造のホームページhttp://www.ueda.ne.jp/~okazaki/ から転載させていただきました。
 
令和元年(2019年)6月8日随筆
令和4年(2022年)5月20日加筆

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