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フランス語には過去形が4種類もある、日本語には1種類しかないといわれているけど2種類はありそう

(はじめに)


 
先日のフランス語講座の中で、私たちのフランス人の先生から、「日本語には過去形が1種類しかありませんが、フランス語では、過去形に4種類あり、口語では、複合過去と半過去、大過去が、文語にもう一つ単純過去あります。」というお話をしていただきました。
 
でも、私はこのことをずっと考えていたら、大変面白いことに最近気が付きました。私たち日本人は全く学校で習っていないのですが、どうも、日本語にも過去形が2種類はありそうです。
 
そのことについて、下記にまとめてみました。
 
 

(日本語にも過去形が2種類ありそう)
                        

日本語の過去形で「~した」と「~していた」の違いについて


 
 
日本語の過去形は1種類ではなく2種類あるのではないかとの疑問がわきました。それは、「~した」と「~していた」の違いがあるからです。
たとえば、
1.私が娘の部屋に入ったとき、娘は勉強していた。
もし、これを
2.私が娘の部屋に入ったとき、娘は勉強した。
ということはできず、日本語として大変違和感があり、誤っているとみんな思います。
 
しかしながら、日本人は、日本語の文法で、このような違いを、一般に習ったことはないので、外国人にどう説明していいのか、私は知りません。
 
前回7月29日(2021年)の私たちが受けているフランス語講座で、フランス語の過去形に4種類あり、口語では、複合過去と半過去、大過去が、文語にもう一つ単純過去あるということが、フランス語のM先生から説明がありました。
 
フランス語の複合過去と半過去の違いは、次のように説明されておられます
複合過去は、過去のある1点で動作が完了していることを表します。「~しました。はい、おわり。」という感じです。一方、半過去は、動作が継続していて未完了の状態を表します。「~しました。でも、まだ終わっていません。」という感じです。
例えば、
3.Ma fille étudiait quand je suis entré dans sa chambre.
    半過去     複合過去
(和訳)私が娘の部屋に入ったとき、娘は勉強していた。

 
私は、上の例文1~3を比べて、日本語の「~していた」というのは、フランス語の半過去に当たると、思うようになりました。日本語にも、過去形は2つあるんじゃないかと疑問を持つようになりました。
 
そこで、ネットで、“「~した」と「~していた」の違い”というキーワードで、検索しましたら、日本語じゃなくて英語の場合が出てきました。
 
4.My daughter was studying when I went into her room.
        過去進行形     過去形
(和訳)私が娘の部屋に入ったとき、娘は勉強していた。

 
上の例を見てわかるように、英語では、半過去と言わずに過去進行形というそうです。
でも、例文の3と4を見比べてすぐわかるように、フランス語の半過去は英語の過去進行形ですね。そして、和訳から考えると、日本語の「~していた」は、フランス語の半過去、英語の過去進行形に当たることは疑いようがありません。ということは、日本語にも、過去形は2種類あるんですね。「~した」と「~していた」は、日本語の文法で、「過去形」と、「名無しの過去形」となるでしょうか。
 

(おわりに)


 
また、西日本の多くの方言には、現在進行形の「~しよる」と過去進行形の「~しよった」がありますね。
標準語では、どういうのでしょうか。現在進行形「~している」と過去進行形「~していた」でしょうか。
どなたか、日本語の過去進行形が、フランス語の半過去、英語の過去進行形に当たるという学説が今まであるのかどうか知っておられましたら、ご教授いただければ大変うれしいです。
 
 
2021年8月5日 随筆
2023年3月19-31日 加筆

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