「だから私はメイクする」のカバーでテンションが上がってコスメを買いに出かけたくなった
タイトルの通りです。以下は補足というか蛇足です。私とメイクについての昔話です。
こんにちは、三十個(みそこ)と申します。主婦です。
Twitterでシバタヒカリさんの漫画が目に入り、それが面白くて読み終えた勢いでそのままAmazonで予約した漫画「だから私はメイクする(原案:劇団雌猫 漫画:シバタヒカリ)」が本日届きました。コミカライズなんだそうです。
なんかもうカバーがね、すごく好き。
出てくる人はみんな自分が楽しむためにメイクしていて、見ていて本当にワクワクします。タイトルにある通り、コスメを買いに出かけたくなったくらい。(しかしそんなお金は今は無いと思い留まった)
こんな風に私がメイクをすることを肯定的に捉えられるようになったのは、5〜6年前くらいからで、それまでは化粧断固否定派でした。
と言うのも、私の実家が化粧否定派だったからなんです。
うちの家族構成は、祖母・母・妹・私の四人家族でした。祖母も母も離婚していて、女しか居ませんでした。
「化粧は男を誑かすからダメ」とかじゃないんです。
本題と逸れるので詳しい内容は省きますが、まずはかつてアトピー持ち(今は完治している)だった祖母がとにかく化粧否定派・スッピン肯定派です。「自然体であることが一番良い」という考えの人でした。
そしてそんな祖母を見て育った母も、同じく化粧否定派・スッピン肯定派でした。
母は目鼻立ちが外国人のようにハッキリしていて、スッピンでもパッと見は化粧をしてると間違われるほど綺麗な人でした。
私は化粧をしなくても美人な母がとにかく自慢でしたし、祖母や母の教えから、幼い頃からずっと化粧は身体に悪影響を及ぼすとにかく「悪」なのだと思っていました。
習い事のバレエやバトンの大会で化粧をしなくてはならない時も、「これは審査員に表情をよく見せるためにしなければいけない"記号"なだけで、私がやりたくでやるんじゃない」と、強く自己暗示をかけたりしていました。そういった習い事を始めたのは小学四年生からなので、10歳の頃には既に「化粧=悪」以外の考えが私には無かったのです。
母は30になっても40になってもスッピンで営業の仕事をバリバリこなす綺麗な人でした。諸々の事情で母の色んな部分が許さなくて嫌いだったけど、唯一その部分に関しては、自分の考えを貫くカッコイイ女性に見えて、好きでした。(母とは22歳差)
でも、母が40を越えて数年経ったある日のこと、突然化粧をして家に帰って来たんです。
妹&私「どうしたの!?」
母「メイクしてもらっちゃった〜♪」
あの母が、「化粧なんて無意味」「スッピンが一番良い」と豪語していたあの母が、バリバリの化粧をしてニコニコ笑顔で立っている。
これはただ事ではない。
聞けば、その日母は友人とのショッピング中、コスメショップのオネェ店員さんから様々な知識を披露されつつ化粧を施されたのだという。
「ファンデは紫外線から肌を守ってくれるんだって〜♪」と、知ったばかりの知識を楽しそうに披露する母。
そのオネェ店員さんとの会話がよほど楽しかったんだと思う。高校生の妹は「へ〜良かったじゃん」とノリ気だ。
一方私と言えば、めちゃくちゃ混乱していた。
──なんで? だって今まであんだけ「化粧=悪」だったじゃん。それが何?「化粧は身体に良い」?
──ふざけるなよ。
──私は友達に化粧勧められたりしてもとにかくやんわり断ったり否定して来たんだぞ…。
──何だこの女。全然カッコよくない。最後まで自分の意思を貫けよ。
──今までアンタの言うこと信じてた私は一体どうすれば良いんだよ…。
混乱と怒りと悲しみで何だかよく分からなくなって、唯一好きだった母の尊敬できる部分が無くなって、何か、とにかく、ものすごくグレた。
祖母はそれでも「化粧をしても良いことなんか何も無い」という姿勢を崩さなかったけど、なんかもう化粧に対するそういう考え方自体が、どーでも良くなった。
だって、それまで化粧する人達を否定して(バカにして)、無知で無敵に生きてきた母より、
メイクの楽しさを知って家に帰って来た母の方が、悔しいけどずっと楽しそうだったから。
結局、誰かを否定するより、受け入れて笑える方が、ずっと幸せなんじゃないかなって思ったんですよね。
誰かが好きなものを否定するのって、ものすごく無駄なエネルギーを使うし、何のためにもならない行為だなと、思い知ってしまったんですよね。
ただ、やっぱりそれまで巻き込まれて(笑)積み上げて来た私の中の価値観というのはそんなすぐには変えられなくて、そこから化粧をメイクと呼ぶことも、メイクを肯定することも、自分がメイクをするのを楽しめるようになるのも、すごくすごく時間がかかってしまいました。
今では「メイクって楽しいものだ」って思います。YouTubeとかでメイクのビフォーアフター動画見るのとかも大好きです!
あの経験から学んだのは「強い意志でもって長年主張していることも、知識を得ることで180度主張が変わってしまうことがある」ということでしょうか。
母からしたら、それこそ何十年も「化粧=悪」と否定してきたことが、そうしたきっかけでフッと「メイク=善」に変わった訳です。それこそ天動説が地動説に変わったくらいの衝撃だったんじゃないかと思います。
知らないって怖いですね。というか、そもそも知らないのに否定すんなって話ですよね。
それまで否定していたことが全部今の自分に返って来ちゃうんで、母がTwitterとかFacebookとかでそういう主張を発信していなくて本当に良かったと心から思います。
今はどうか他人のことを気にせず、メイクすることを楽しんでほしいです。私もお金を貯めて、新しいコスメを買いに行きたい。いや、ファンデくらいは明日買いに行っても良いかもしれない。
私も漫画の登場人物みたいにメイクしてキラキラしたいんじゃーー!楽しみたいんじゃー!
そんな昔話を思い出した「だから私はメイクする(原案:劇団雌猫 漫画:シバタヒカリ)」でした。
※年齢がおかしくなってた所を修正しました。
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