20.天への光りはスマホを見られたその証し

私は
『ちょっと水浴びてくるわ』
と、


隣の部屋に、彼女には絶対見られてはいけないスマホを置きました。


今やダークマターと化した私のスマホ。

細心の注意をしなければなりません。


画面を消して下向きに置き、そして風呂場へシャワーを浴びに行きました。


ふーん!ふんふーーーん♪
はんはーん♪

なんて鼻歌まじりにシャワーを浴び

風呂場から出て、スマホを置いた部屋の引戸を開けると、、




ダークマターが神々しく上空へ光り、我を天国へと誘う道しるべが。

いや、、


スマホの画面が上を向き光っていました。


『おや?』
『ス、マ、ホ、の、位、置、が、変、わ、っ、て、る。。』

しかも、その画面にはロック画面を通り越してホーム画面が映し出されています。


『おやおや?』



瞬時に何かを悟った私は、シャワーを浴びた直後なに滝の様な汗が吹き出ました。


もちろん、言わずもながら床下浸水です。


オーマイガッ!!風呂場へ持っていけば良かった!

そうだよな!やましい事がある人は風呂場へスマホを持っていくとかよく聞くよな!

先人には従っておくべきだった!


ん?いや、別に俺はやましくないんだぞ?

でも見られたらマズイのには変わりないじゃないか!



と、走馬燈のように知らない誰かと脳内で会話していました。



しかし、、どうやってロック解除したんだ?

あー、今までは何の後ろめたさもないからスマホのロック解除をする時に何度か見られてたわ。。

私がロック解除をする時に、彼女の目線がスマホの画面へ向いているのを何度か見たし。

パターンロックだから画面についた指の脂でも解るだろうしな。。


いや、待て。
もしかしたら、タイミングよく私がシャワーから出てきたとかで、ロック解除まではしたけれど、中身は見られていないのかもしれない!

そんな奇跡があっても良いのかもしれない!!

なんて、藁をも掴む思いでポジティブに考えてみたその矢先



『なんかLINE来てたよ』
と、彼女が口を開きました。


しかも、、不思議な事に未読の1が付いていません。。


LINEを開いたトーク履歴の1番上には、、

私のスマホを見事にダークマター化させた例のグループLINE。

しかも最後のメッセージ時間が数分前です。

『やはり見られたか。。』

しかし、、

なんてタイミング?

なにこれドラマ?


まさに、、そこ時の私の気分は


昇天。。。




気を取り直して、、

うん。何も気付いていない。
僕は何も気付いていないんだ。

LINEの未読はついていたし、スマホの画面は上に向けていて、画面も消していなかったんだ。

だからLINEは見られていない!!



。。


。。。



無理があるだろっ!!


更に湧き出た僕のゲリラ豪雨で床上浸水してしまいました。




さて、寝よ寝よ。


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