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NoRiches新レギュ雑感

どうも、都落ちした貴族です。
昨日NoRichesに新レギュが来たので、私なりの感想と新環境デッキの予想をまとめます。
念のためNoRichesを知らない方のためにまとめると、海外のBoss Stageサーバーを中心に活動するNRフォーマットのプレイヤーが作成しているレギュレーションになります。メガリスをはじめとした環境デッキにメスを入れ、環境のバランスを保とうとしたものですね。最近のスタンは研究が進んだ結果、先行盤面が強すぎるものになってきた割に、後手まくりの研究が進んでおらず、ただただ先攻が有利なのでこういったレギュレーションは助かりますね。ではさっそく、レギュレーションを見てみましょう。


 禁止カード8枚、制限カード4枚、準が1枚、無制限が3枚、かなり大きな改訂ですね。これほどの改定が必要になったのは、新規カードの実装による環境の変化もありますが、環境に対する優れた研究や新たな環境デッキの開発が進んだことが大きいです。いままで誰も使ってなかったデッキやカードが注目されるようになり、規制の必要が生じました。
 研究が進んだヴェンデットと、直前の新弾でさらなる強化を得たヴェンデットが高く評価されている環境でした。特に海外では鉄獣の評価が恐ろしく高いものでした。向こうでは、ラッシィが実装されておらずキットが禁止カードの時代から、鉄獣メルフィーがtier1だといわれていましたからね。新規カードで強化を得た今、tier0.5くらいのパワーがありました。

さて、そろそろ規制されたカードを1枚1枚見てみましょう。

まずは禁止カードですね。

禁止カード

鉄獣戦線 キット

 フラクで落として墓地の獣系のかさましをしたり、邂逅による破壊耐性を付与したりするカードですね。環境トップであるメルフィー型の鉄獣においては、メルフィーと鉄獣の橋渡しをする存在でもありました。キャシィでサーチして、そのまま召喚やディノミスクス等で墓地に送り、ナーベルを経由して鉄獣のギミックにアクセスする展開ですね。これができなくなったことにより、メルフィーのギミックからナーベルへのアクセスが難しくなり、メルフィー鉄獣というデッキは、かなり大きな弱体化を受けました。

鉄獣の抗戦

 これまた鉄獣のカードですね。妨害にこそならないものも、大きくアドバンテージを稼げるパワーカードです。罠型対面などの長期戦やミラーですさまじいパワーを発揮します。素引き前提のカードなので制限にする意味が薄いということで、禁止カードとなりました。以前からリボルト不採用の方はありますが、他のカードの規制も考えると、だいぶ苦しい規制になります。メルフィーやリボルトなど、鉄獣が先行の強さが損なわれました。

リヴェンデット・バース

 ヴェンデットのデッキ儀式ですね。ヴェンデットはNRの儀式テーマの恩恵を受け、サーチが潤沢なのでこのカードが1枚しかなくても、その1枚の恩恵を強く受けていました。そのため制限カードでは効果が薄いと判断されたのでしょう。儀式魔法が減ると、儀式召喚できる回数が減るだけではなく、スレイヤーの墓地効果を発動できる回数も減るので大きな弱体化になります。ヴェンデットは2度死ぬ。
 ただヴェンデットは規制を受けても新たな研究で乗り越え続けてきたデッキなので、もう1度復活しそうで怖いですね。スカーやそこからサーチするチャージへのアクセスが難しくなりましたが、素引きすれば強力な先行盤面が作れることは変わってないので戦えないこともなさそうです。

不知火流 才華の陣

 ヴェンデットが相手を詰ませるカードですね。展開が通っている場合は付与スレイヤーを守ることができ、強力に作用しますが、手札からは使いにくいため、後手まくりに使用しにくいカードになります。使うと初動率の問題から強くなく、使われると上振れが強くなるので、ただただ不快なカードでした。
 ヴェンデットとしては4枚目の禁止カードになり、このデッキの恐ろしさを痛感します。この半年はヴェンデットと戦った時代といってもさしつかえないでしょう。次の半年がそうならないことを望みます。亡者が現世を徘徊するのは良くないことです。

魔神儀の隠れ房

 NRで儀式デッキが強いとされるゆえんである、魔神儀のカードですね。環境だと、主にメガリスで使われてきました。エマ―ジョンやオクから相手ターンに展開するため、②の効果を妨害として使え相性が良いです。ただメガリスにはポータルというフィールド魔法が存在し、どちらかしか場に残せないというジレンマがありました。隠れ房が禁止になれば、ハギトからポータルを持ってくれば良いので、そこまで大きな弱体化にはならないでしょう。
 NRメガリスはフールを成立することが初動なのに、フールが禁止カードであるため、オフィエルやハギトの成立が初動にならない、というのが大きな問題です。フールの器官が待ち遠しいですね。ただまぁBoss Stageはフールのことを禁止にすべきカードの代名詞として用いるので、フールが帰ってくることは当分なさそうですが。

永続

 先行とって素引きして有効に刺さる対面と当たって開くだけの簡単なカード。ようやく逝ってくれました。特に日本のNRは一撃で相手を殺せる代わりに腐りやすい成功体験型のカードを好む層が多いため、強さはさておき愛用する人が多かったカードですね。去年から改定の相談を受けるたびに、永続は運ゲーを誘発するカードだから必要ないといってきました。これまではこんな弱いカードを使う人はいないといわれていましたが、最近は採用率も上がってきたのでようやく規制される運びになりました。
 次は暴君シリーズとメンタルドレインとデビリアンソングですね。
 全ての 永続が死ぬまで 殴るのを やめないッ!

制限カード

メルフィー・パピィ

 メルフィーの最強初動。制限カードになってもキャシィやフラクでアクセスできるので、致命傷にはなりませんが、他の規制も含めて大きなダメージを負いました。1ターン目から後続+ラッシィによる妨害の成立が難しくなりました。
 また鉄獣以外のデッキにメルフィーギミックのみを出張させる場合、キャシィの初動では後続がとれず、強制脱出装置の劣化になります。したがってシナジーの低いデッキに、メルフィーを出張させることは難しくなりました。

ヴェンデット・ヘルハウンド

 ヴェンデットの先攻の強さを支えるカードです。スレイヤーの効果でデッキから叩き落すものになるため、素引きしたいカードではありません。除外されてもアニマで帰還できます。そのため制限の意味は薄いですね。ミラーと永続が減るのであればランク3のバリューも低いので、効果の薄い規制になります。ただ素引きしてしまうとデッキから落とすためのヘルハウンドがなくなるので、引きたくないカードが1枚増えました

メタルフォーゼ・カウンター

 待望の緩和です。メタルは魔法罠への規制が強く、共通効果のサーチ先にまともなカードがないことが弱みでした。今回のカウンターと前回のパラメタルの緩和で、その弱点が解決しつつあります。カウンターを強く使うとしたら破械メタルになるのでしょうか。かつてメガリスと並んでNR界隈に君臨した王が帰還するのは、おじいちゃんからすると嬉しい限りです。

迷い風

 激流葬と双璧を成す最強罠カードの一角です。原則として、罠は使うと減るため、アド損前提のデザインになります。そのため罠を打ってるとジリ貧負けするので、ギミックでどう損失を補うのかが罠型デッキの課題になっていました。このカードは使っても減らないので、雑にアドがとれる下品なカードになります。ロングゲームになりやすいNRだと、永続無効や打点の変動も恐ろしく強いものでした。
 またNRでは貴重な無効系妨害になります。ここが規制されたことにより、NRの罠は除去系だけをケアすればよいものになりつつありますね。
 余談ですが、方界バジェシステムにこのカードは3枚必須になります。そのためこの規制によって龍大神がNoRichesのレギュレーションとたもとを分かつことが決まりました。

準制限カード

フェアーウェルカム・ラビュリンス

 ラビュリンスのカードになりますが、素引きしたいカードではありません。セッティングで回収するので5枚が4枚になっただけです。これまでも5枚全部使う前に勝敗がついていました。もし足りないのであればセッティングを増やせばよいので、あまり効果のない規制になるでしょう。ただ、フェアーウェルカムに対して、ヘルハウンドやディノミスクス、ラプソディを当てるとセッティングが打てなくなります。そのためフェアーウェルカムに対する除外がかなり重くなりました。5枚が4枚になるのは問題ないですが、2枚になるのは大いに問題があります。

※追記 フェアーウェルカムは除外ゾーンからも回収できるという指摘を受けました。おっしゃる通りです。フェアーに対する除外は重くなかったです。失礼いたしました。セッティング強すぎだろ。

No.29 マネキンキャット

 ランク2からいろいろできる便利カードです。獣族であることや2000打点であることも強かったです。2軸のテーマにとっては大きな強化になりますが、このカードを複数枚使う環境デッキが今は見当たりませんね。

メルフィー・キャシィ

 パピィと交換して緩和されたカードになります。緩和自体は嬉しいのですが、初動の枚数は変わっていません。他の規制を考えると、苦しい立場になりますね。
 ところで今まではなんでパピィではなくこっちが規制されていたんでしょう。

ドラゴンメイドのお片付け

 ドラメの最強カードですね。このカードの緩和により、ドラメのリソースが1枚増え長期戦に強くなりました。ラドリーやメイルゥを採用する場合は、ヒットになるカードが1枚増える意味もあります。現在は破壊以外のフリチェ除去が強いので①の効果も相当強いです。現環境ではドラメが規制するほど強いわけではない、という意味でしょうか。

新環境の注目デッキ

さてさて新環境がどういったものになるのでしょうか。
罠環境になる気がしますが、これまでの改定では罠環境になるといわれつつも展開系の研究が進み、思いのほか罠型が強くありませんでした。これに関しては罠型がヘルハウンドを捲れなかったという側面もありますが。

メタゲームの動向が定まっておらず、環境読みは難しいですが、取り急ぎ注目のデッキをいくつかあげてみたいと思います。

①ラビュリンス

 今期は罠受けの良い罠型が強いと思っています。そう考えると剛鬼やゴーティスも強そうですね。ラビュリンスのなかでもバック除去に優れた破械型かエスケープと墓地干渉に優れたノイド型が強そうです。特にノイド型だと継無規制規制なのが追い風になりそうです。

②Fast magic

 改訂のたび強そうって言い続けているアーキタイプですね。罠受けの良い罠型の一つになります。耐性が相手の罠に強いこと、フリチェ除去を構えられることが強みになります。そのためフェアーウェルカムなどに対しては強く出れますね。ただしラクーンの枚数が7枚しかなく初動が細いこと、打点が低いことが難点です。

③花札衛

 不利対面だったヴェンデットと鉄獣が規制を受けて環境に帰ってきたデッキになります。ディノミスクスの受けは悪いですが、それ以外に関して貫通力が高いです。あまり重くなかった迷い風が減っているのは逆風になりますが、墓地メタに強いこと、紅葉が3枚使えることからバック除去の性能が高いことは明確な強みになります。

Tier表

今のところこんなイメージです。これからの研究やメタゲームの進展が楽しみです。

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