NFT開始初日に詐欺に遭いました

最近よく聞くNFT。仮想通貨がよく分からないのでノータッチでしたが、意を決して始めました。

届いたメッセージが詐欺かどうか調べようとしても日本語の情報がほとんど出てこず(詐欺だと断定できなかったのが自分だけなのしれませんが…)、詳細に記録しておこうと思います。

作ったもの


流行りのスタイルが、「ジェネラティブNFT」というパーツの組み合わせで自動で何千通りもできるものと見かけたので、僕もそれを作りました。
海外市場が主なので、英語のTwitterアカウントも作り、OpenSeaと繋げました。

自分の行動
twitter


ようやく完成した初めてのコレクションが嬉しくて、つい「my first collection 」と、Openseaのリンクをツイートしました。

当然反応はなく、一個も売れないな、とモヤモヤしているところに、「Drop your NFT」といったツイートをしている海外アカを発見。コレクションのリンクを貼ってリプライしました。

おそらくこれが「初心者です」の自己紹介となり、詐欺師の目に留まったのだと思います。

初DM


初コレクション作成から数時間でTwitterにDMがきました。
「貴方のコレクションは集める価値がある。6eth出すから30枚くれ」

こんな無名人にそんなに出す?とは思いましたが、遂に認められた、なんて幸運なんだ!と舞い上がってしまい、申し出を受けました。

すると、「ディスコードを教えて」と言われ、そちらに移ることになりました。

※今回の一連の詐欺事件で使われたツールは以下です。怪しいリンクは送られてきませんでした。
・Twitter
・Opensea
・Discord
・Metamask

ディスコード内にて

買手は親切に、初心者の僕に取引方法を教えてくれました。

買手「まず、この取引の信頼性を担保するために、OpenSeaの公式スタッフを呼ぶよ。こっちは6ETH、君は30枚のNFTを出す。いいね?」
僕「はい」

すると買手はその公式スタッフとやらを呼び、3人グループチャットが始まりました。

公式「まず取引に合意してください。6ETHと30NFTを交換。いいね?」
買手、僕「はい」
公式「ではこのMetamaskのアドレスに、それぞれの資産を送るように」
買手「送ったよ」
僕「どうやるの?」
公式「OpenSeaの転送画面で、このアドレスを入れて。ガス代が少し出るから、払って」
僕「あ、まって、ETH持ってないや」

買手「今からMetamaskに入金してよ。やり方わかる?手数料は全部で0.5ETHくらいになるよ」

0.5ETHは何円かなと思い、レートを調べたら10万円ほど。そんなに手元になく、正直に「今は用意できないから待って欲しい」と言うと、
買手「いや、今すぐが良いよ。お金ないの?」

無いから無いっつってんだろボケがと思いつつ、明日用意する、と言うと仕方なしに了承されました。

この時はまだ、(そんなにすぐに手に入れたいなんて、よっぽど気に入られたんだ!)と能天気でした。

翌日

仕事の合間に銀行に行き、取引所に「円」を入金しました(まだETHにはしません)。

仕事中も、昨日のことが嬉しくて全く集中できず。Openseaのガス代について調べていました。

すると、機能ごとにガス代がかかるか否かを書いている記事に出会いました。

そこで「特定の人に出品」機能(プライベートセール)があることを知り、初めて「なぜ『転送』なの?これでは盗まれる可能性があるな」と思いました。

しかし、こちらが転送ボタンを押さなきゃ問題ないので、取り敢えず買手に話を聞いてみようと思い、帰宅。この時点ではもう「これは詐欺かもしれない」という疑念が渦巻いていました。「公式スタッフ」も買手が呼んできたヤツですし。(本物のファンであってくれたらという思いも、まだありました)
できることはやっておこう、とOpenseaの公式discordサーバーに参加しましたが、見られるチャンネルがほぼなくて、英語が読めない僕は諦めました。

対決


グルの2人が待つグループに
「お金が用意できたよ」
とメッセージを送ると、案の定
「じゃあ転送して」
と言われました。

昼間調べたことを確かめようと思い、
「転送じゃなくて『プライベートセール』を使えば?」
と提案したら、
買手「僕はコレクターだから、わからないよ…」
という謎な答えが返ってきました。

それでも買手を信じたい僕は
(自分で作品作らない人はこんなものなのかな)
と思っていました。

また、こんな提案もしてみました。
「1枚転送したら、こちらには転送する意思があるということだから、6ETH送ってよ。そうしたら残りの29枚を転送するよ」
答えは
「いや、公式に30枚送るって言っちゃったから、30枚送らないとダメだよ。そういう約束だろ」

僕が転送を渋っていると、買手が
早くしてよ。僕は時間がないんだ
と催促してきました。
詐欺師がよく使う、急かして冷静な判断を失わせる作戦です。どうやらこの詐欺師たちはあまり頭が良くないようです。

この時点ではもう詐欺確定と思っていたのですが、「無名NFT30枚くらいならまあいいか…」とも思っていたので、くれてやることにしました。

苦労してアップロードした30枚を選び、円でETHを買い、指定された公式スタッフのウォレットに送りました。

それから、公式スタッフは
「じゃあこのグループチャットを消して、これからはそれぞれに預かったものを渡すよ」
と言い、公式スタッフとフレンドになりました。

公式「じゃあ6ETH渡すから、アドレス教えて」

ウォレットのアドレスは口座番号のようなものだと書いてある記事があったので、素直に教えました。

公式「OK。じゃあその前に、このサービスを利用した手数料(0.3ETH)を払ってね。この手数料は、取引後、すぐ返金されるよ」

(んなわけあるかい!)
この詐欺師たちは、NFTが目的ではなく、手数料を直接詐欺師のウォレットに送金させることが目的だったことが分かりました。

ここで素直に送金する人はいないと思うので、注意喚起完了ということで、ひとまず筆をおきます。

僕はここから粘り、詐欺師たちに色々と質問をすることにしました。0.3ETHの上の目的があるのか、好奇心が勝ち、手数料も払ってやりました。
実際に使われた画像も公開します。

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