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NAV株主価値34兆円に潜む #孫正義ディスカウント なぜ起こるのか?株主総会からわかった事

2024年6月21日、ソフトバンクGの第44回定時株主総会が開催された。 今回の発表でも明確に提示されたソフトバンクGの経営指標である『NAV(ネットアセットバリュー)』による『株主価値』の伸びだ。

■株主価値34兆円 、時価総額14兆円の『20兆円』の差は?




ソフトバンクGは『株主価値』として『NAV』の数値で自社を評価している。 そして、現在の株主価値は、かつてのYahoo!ジャパン、そして現在のSBKK(ソフトバンク株式会社)9%、スプリント6%、Alibaba、VisionFund25%、arm55%へと大きくその価値の主役は時代によって変化させてきている。

■NAVで自社を評価するソフトバンクG

ソフトバンクGの指標である、『NAV(ネットアセットバリュー)』の計算式は極めて簡単である。

『保有株式』価値から『純負債』を引いた金額である。 従来の企業のような貸借対照表にあらわれる『純資産』だと、ソフトバンクGのうような株式に対する投資会社の側面の強い企業の場合、評価しずらい。 『PBR』でみると『1.3倍』程度となるが、保有資産のほとんどが株式という会社の場合は株式による含み益の価値によって大きく変化するからだ。

現在、armが55%を占めるソフトバンクGのNAVの合計額は2024年6月20日時点で、『34兆円』だ。そして発行株式×簿価の『時価総額』は『14兆円TYO: 9984である。この差はなんと『20兆円』である。

■孫正義ディスカウントとは?

孫正義会長兼社長は自嘲気味に株主価値が34兆円もあるのに市場はソフトバンクGの価値を14兆円と評価している、まさに『孫正義ディスカウント』だと呼ぶ。

その要因としては下記の通りだ…。

『arm』の時価総額が1,682億ドル 26兆7,438億円(@159円)88.1%所有で、23兆5,612億円

『Tモバイル』の時価総額が 2,227億ドル、35兆4,093億円(@159)8.5%所有 で、3兆97億円。

『ソフトバンクKK』が、9兆2,339億円 40.68%所有で、3兆7,563億円 上場しているこれらの時価総額のソフトバンクGのシェアだけでも、
合計すると30兆3,272億円 になるので時価総額が14兆円という数字は納得がいかないという。

さらに、非上場である『SVF』のような完全投資事業が含まれており、さらにその下に非上場会社が全世界のAI企業への投資があるので、『貸借対照表』にその価値が現れにくいのだ。

これは、まさしく一般の株主が、まだまだ『NAV』という指標での見方に慣れておらず、B/S指標における『PBR1.3倍』という評価でみているからに違いない。
投資会社としての見え方としては、ウォーレン・バフェット率いる『バークシャー・ハサウェイ』のように上場会社が主体というほうが『時価総額』5389億ドル(@159)85兆6,851億円と反映されやすいのだろう。

孫正義社長の元には、毎朝、8時にグループ企業のNAV指標が届くそうだ。 そう考えると、コロナ禍が終了し、AIが牽引するこの時期だからこそ、『上場』する企業を増やし、NAV指標が時価総額がさらに上回ることによって、株式上場による収益が損益に貢献し、B/Sの結果として、成績が評価され、時価総額を上がるというサイクルが一番わかり易いのかもしれない。

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