「底抜け脱線ゲーム」知ってますか?

大昔のバラエティ番組で、「底抜け脱線ゲーム」というのがあった。

『底ぬけ脱線ゲーム』(そこぬけだっせんゲーム)は、日本テレビ系列局で放送されていた日本テレビ製作のバラエティ番組(ゲーム番組)である。ロート製薬の一社提供。製作局の日本テレビでは1963年6月2日から1973年1月25日まで放送。

https://ja.wikipedia.org/wiki/底抜け脱線ゲーム

「底抜けチーム」と「脱線チーム」と別れてゲームを競うバラエティ番組だ。名前は、「脱線底抜け事故」から来ている…。1960〜70年代、日本の鉄道事故はハンパなく多いのだ。

https://ja.wikipedia.org/wiki/日本の鉄道事故_(1950年から1999年)

タイトルに明確に「底抜け脱線ゲーム」とある。「パンシロン」とはロート製薬の薬で、一社提供番組だ。どれだけ不謹慎な番組タイトルだったのか…! 脱線ゲームだ。

一社提供だから、こんなタイトルでも、問題なかったのだろうか?いや違う。それは昭和の時代を物語る。

脱線底抜け事故が多発していたからこそ、それを「脱線」しないように「底抜け」しないように工夫しながらゲームを競うという番組なのだ。

今の時代なら、大炎上しそうなタイトルだが、「昭和」の時代は当時は当たり前だが、社会全体が「とてつもなく大寛容」なのである。「平成」の時代、いや「ソーシャルメディア」のこの10年間で、一般の市民まで、少しでも違法や倫理に晒すような行動を起こすと、避難が集中する「炎上」という騒動になる。

なんだか、どうでも良いようなことまでも、おとがめを受ける時代になった。社会全体が閉塞化し、相互監察が、まかり通ってしまったような気がしてしかたがない。江戸時代の「五人組」や「隣組」に近い間違ったことをすると大変な目にあうような空気にピリピリしている。

これは広告主にとってもそうだ。だから一番、リスクの少ない方法、「自粛」という非難されそうなことは最初からしないという選択肢が現れる。

「自粛」ほど何もうみださないものはない。テレビ広告が嫌ならば、テレビのスイッチを切ればよい。テレビの情報はもはや、ネットでほとんど代替できるものへと変わってしまっている。いや、むしろテレビの被災地以外への報道で胸を痛めることもない。

「昭和」の時代のプロデューサーならば、この時代、どんな逆行を吹き飛ばす番組を企画するだろうか?ロート製薬の一社提供のバラエティならば、平成時代、いや平成も永遠ではない。21世紀の「底抜け脱線ゲーム」クラスの庶民の笑いで、悩みを吹き飛ばし、薬で痛みを鎮める番組提供を再考願いたい。







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