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【絵本 ちいさなうさこちゃん】そのまっすぐな目
【並べて楽しい絵本の世界】うさこちゃん①
あまりにも有名なこの可愛いうさぎを、いまさらどうやって紹介しよう。
でも【並べて楽しい絵本の世界】には絶対にはずせません。
ひょっとしたら、カップやタオルや、世界中にあふれているミッフィーちゃんを知っていても、この絵本、”ちいさなうさこちゃん”を知らない人がいるかもしれない。
福音館書店の初版は1964年6月 新装版が2010年4月に出ています。
作者ディック・ブルーナさんが、生涯かけて願いを込めて描き続けてきた絵本を、やはり手に取って欲しいから、まずはこれ。
”うさこちゃん”の誕生のおはなしです。
大きなにわの まんなかに かわいい いえが ありました。
そこには2匹のうさぎ、 ふわふわさんと ふわおくさんが住んでいます。
ある夜、ふわおくさん のもとに天使が訪れ、もうじき赤ちゃんができますよ、と告げられます。受胎告知ですね。
作者ブルーナさんは、神学書の出版社を経営する祖父と父の家に生まれましたから、この表現はとても自然なことなのだと思います。
のちに”うさこちゃん”は、お姉さんになるし、友達もできるし、ブルーナさんの愛情に導かれ、私たちと同じ人生経験を積んでいきます。
この神聖な感じのはじまりは、とても印象的です。
この白いうさぎの主人公には、「うさこちゃん」 と「ミッフィーちゃん」のふたつの名前があります。
うさこちゃん と名付けたのは、最初の8冊までを訳した石井桃子さんですが、その後も福音館書店発行の絵本は訳者 松岡享子さんがそのまま ”うさこちゃん” を継承しています。
ミッフィーちゃんは英国版の呼び名です。角野英子さん訳の講談社版から、この呼び名が親しまれ、数々の知育絵本なども出版され、グッズも生まれました。
うさこちゃんは、いつもまっすぐにこちらを見ています。
ちいさな人たちに何かを語りかけるとき、まっすぐに見つめてくるその目に感動することがあると思います。
ブルーナさんは、そのまっすぐな絵本を見つめる子の視線に、答えるように、うさこちゃんを常に正面を向いた姿で、力強く描いています。
長女が生まれた時、我が家はなかなかに貧しくて、あかちゃんをあやすようなオモチャは何一つありませんでした。
彼女のベッドのふちにブルーナの絵本を立てかけておくと、寝起きでも ぐずりもせずに、ずーーっと絵を眺めていました。
おそらくブルーナカラーが、まだ目もよく見えない乳児にも、わかりやすいのだろうと思っていましたが、もしかすると、うさこちゃんのまっすぐな目も、彼女は認識していたかもしれません。
とくに、人の顔をしっかりと見ながらはなしを聞く子でしたから。
うさこちゃんのおはなしは、まだまだたくさんありますので、また記事を書きたいと思います。
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