緊張と緩和

高校3年の秋だか冬だかのこと。大学入試センター試験的な何か(仮に共通一次試験としておく。歳がバレるな)の受験願書を学校で取りまとめて大学入試センターに提出するため、担任に提出する際、受験料の振込証明を願書の裏だか貼付欄だかに糊付けせずクリップかなんかで挟んどいたら、担任が激怒。他にも同じようなやつが数人いたもんだからキレるは喚くは、ああうるさいったらありゃしない。クラスを代表して職員室に糊を借りに行ったら、これしかないと渡されたのが袋入りの洗濯糊。ちなみにスティック糊は市販されていた。田舎すぎてとか脱線はやめる。風呂で書いてるからのぼせそうなのだ。

へにゃーっとした洗濯糊の袋から適量を紙の裏に取り出して塗布するのは実は難しく、まあ結構な量の糊が出たのね。それで振込証明を願書に貼ると、紙が反るわけですよ。しかも乾いてないからこの状態で提出すると、他の願書と赤い糸なら白い糊で結ばれる羽目になる。なもんで辞書と教科書で重しして、早く乾け萌え萌えきゅんと念を送っていたのであった。折しも担任による授業中。萌え萌えきゅんな僕の間抜けヅラを見て怒りが再燃したのだろうか。不機嫌さを倍加させながら「お前、願書はどうした?」と凄んできた。中学の時はご学友が薬物の影響下にあって怖かったけど、高校ではアルコールの影響下にあるかどうかはしらんが先生の方が怖ーい。対応を誤ると命が死にそうだったので正直に

「はい。重しかけて乾かしてますっ」と明るく返事をしたら、担任を含むクラス一同大爆笑になり、担任も苦笑しながら「乾いたら持って来い」の一言を残し、クラスに垂れ込めていた緊迫した空気は去り、私はクラスの救世主としてみなの感謝を集めたのであった。とんだマッチポンプだぜ。

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