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アーティスト

世の中の常識も大きく覆っているが、いろんな感覚をアップデートしていかないといけないなと思う今日この頃。結構思い込みやイメージで決めつけているものも多い。うまくアップデートできれば一番良いが、やっぱり実体験で「ハッ!」と気付く経験があると、とてもありがたい。

学生のころから一生懸命に音楽をやってきたつもりな自分も、やっぱり上記のようなことがあったわけで、狭い感覚で、わざわざ、実体験で「ハッ!」と気付ける機会を逃していたことが多々ある。ジャズにしても、トロンボーンにしても。そんな流れで、いわゆるアイドルという立ち位置の人が歌を歌うことに対しても、なんだかなあ、とずっと思っていた。

それを覆してくれた実体験が昨年のZeppNambaで行われたライブ。神井花音さんはハッキリ言って凄かった。ライブを作っていく過程で、ビジョンや立ち振る舞い、ステージング、いろんなものを拝見した。たくさんのスタッフ、お客さんをぜんぶ可憐な両肩に背負って、座長として堂々とショーを繰り広げていた。まさに「ハッ!」である。

今年の秋に、ありがたいことにまたご一緒することとなった。前回は3曲だけだったが、今度は全曲。場所はクラブ月世界。こりゃしっかり練らないと大変だな、と思って、いろんな資料をチェックしているが、そこでも「ハッ!」があった。それが、ここ数日SNSで書いている中森明菜。

きっと世代的には幼少の時にテレビで見ていたのかもしれないが、きちんと認識したのは母親のライブラリにあったベスト盤。結構気に入ってしばらく聴いていた。ちょっとロックで不良ぽくて儚く、僕はどうやら聖子ちゃんより明菜ちゃんが性に合うようだ。その次が敬愛する村田陽一さんが全曲アレンジとプロデュースされたアルバム。村田陽一裏ソロアルバムとも呼ばれるそのアルバムは、バンドのサウンドがまさに村田節で、歌もバンドも素晴らしく楽しめたアルバムだった。

秋の準備の中でこのアルバムを久しぶりに聴いてみると、当時より歌に惹かれるようになっていた。ちょうど今、中森明菜デビュー40周年で、デビュー当時所属のワーナーからリマスターやなんだかんだがリリースされているので、ライブのDVDとCDを買ってみた。これがなんとも所謂アイドルじゃない。何より歌が素晴らしい。真似できないような、ちょっと下からアッパーする伸びのある声、そしてあの独特のビブラート。張り、艶。アーティストとして確立されたステージだった事が非常に驚きだった。

どうしてもカテゴライズで判断してしまうところがある。とにかく良いものは良い。それに尽きる。

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