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2023年の年の瀬にノエル・ギャラガーを見て思ったこと

どうも。今回は比較的“鮮度”がある話です 。数々の大物アーティストがこぞって来日した2023年。カメザワも結構な数のアーティストを見ました。レッチリ、アクモン、リナ・サワヤマ、THE 1975、ブラー、ケンドリック、リアム...そんな大物ばかりを見た2023年を締めるべく、4年ぶりのノエル・ギャラガーのジャパンツアーの初日・2日目に参加してきました!もちろんライブは最高でした!しかし、最高と言いつつも、いくつか(勝手に)考えたこともあるので、その辺について書いてみます。(決して、いちゃもんとか文句ではありません。)


1.初日-ただ、ライブの感想を書く-

 12月1日。この日は金曜日。そう、平日なのだ...一時は有休をとることも考えたが、1週間前にあった有休奨励日に有休を使ってしまったので、この日は仕事終わりにダッシュで会場である東京ガーデンシアターへ向かうことになった...18時にテレワークをパッとやめて、電車を乗り継いで会場へ。ついたのは19時過ぎ。開演時間は過ぎていたので、大急ぎで会場へ入る。しかし、運が良いことにまだ始まってなかった!(1回しか言ったことないけど)ノエルのライブはほぼ予定通り始まる印象だったので、これは少し意外だった...

座席からの光景。入場したら“DJフィル”のDJタイムでした。

席に座って一息ついていると、場内にはホーンの音らしきSEが響き渡る。ステージ上のスクリーンには何かがぼやけて映し出されていたが、少しずつはっきりとしてくる。ホーンの音が最高潮に達するのに合わせて、スクリーンには“NOEL GALLAGHER’S HIGH FLYING BIRDS”と映し出される。

“ドンッ!!”とバンド名が出されてる!

次の瞬間、会場は暗転する。軽快なイントロが流れる中で俺たちの兄貴:Noel Gallagherがバンドメンバーと共に姿を現す。生で見るノエルは写真の数倍渋い...そんなノエルがアコースティックギターをかき鳴らすと会場内からは大歓声が上がる!4年ぶりのジャパンツアーは最新作『Council Skies』より“Pretty Boy”でスタート。ダンスっぽいサウンドとアコギ、バンドの音が重なりつつ、ノエルの歌声がどこまでも響いていく!何となく、前回(2019年)見た時よりも声が出ている気がする!とにかくすげー響いている!あっという間にバンドが生み出すノリノリさが会場を包み込み、聞いているだけで体が自然と揺れて楽しんだ...それからドラムのクリスがスティックを空中に投げ上げてキャッチすると、2曲目“Council Skies”へ突入!ノエルの故郷:マンチェスターの人々・建物・公営住宅がスクリーンに映し出されるのをバックに、ノエルが声高々に歌い上げる!さっきも書いたけど、ほんとにノエルの声がどこまでも力強く伸びていく!新アルバムの中でも一番好きな曲を、こんなベストコンディションのノエルの歌声で聞けるのはとてもうれしい!この曲はとにかく歌詞が好きなので、これから何か素敵なことが起こることを予感させるメッセージがビシッと響いてくる...ほんとにこの曲好き!思わず、コーラス部分は早くも一人で大合唱していた。“Council Skies”から途切れることなく3曲目“Open The Door, See What You Find”に突入し、ここでもソングライターとしてのノエルギャラガーを惜しげもなく見せつける。この時点でかなり前回の来日公演とは全くの別物だった。今回のノエルは完全にソングライターモードだった。2019年の来日公演では『Who Build The Moon?』からあふれるノリノリさと曲の幅広さを見せつける一方で、今回はとにかく曲を聞かせている。この後も、“We’re Gonna Get There In The End”と“Easy Now”と新作から“聴かせる”ナンバーが次々披露された。曲そのものや、ノエルの力強く伸びていく声はもちろん最高だけど、とにかくスクリーンに映し出される映像もドンピシャだった。(後日探したら、ノエルのYouTubeチャンネルに挙がっているビジュアライザーの映像だと分かった)。声の調子は絶好調なので、ここでもずっしり歌詞が響いていく。特に“Easy Now”では、曲が持つ哀愁とノエルの声質が相まって、CDで聞く数倍も素晴らしく聞こえた。まだ5曲目だが、彼が生み出す曲の多様さを今回も見せつけてくる。彼のソングライターとしての才能と『Council Skies』が相変わらずの傑作であるということを再認識した。

ここでMCタイム。場内から「ノエルー!」や「兄貴!」という歓声が飛び交う中で、ノエル兄貴からのご挨拶。どうやら『Council Skies』の曲はここでおしまいらしく、6曲目からは新作以前のソロ曲群を披露するとのこと。そんな「ソロ曲ゾーン」1曲目は『Chasing Yesterday』の“You Know We Can‘t Go Back”だった。「さかのぼるぜ!」と言っときながら“You Know We Can‘t Go Back”を持ってきたのはどこか、“さすがです...”という感じだった。ここでノエルはライブの中で初めてエレキギターを手にして、激しいロックチューンをかき鳴らす!場内もヒートアップしてきて、より一層盛り上がっていく!そこから間髪入れずに代表曲“In The Heat Of The Moment”を投下!さらに盛り上がっていく!特にサビではノエルのボーカルとしての絶好調ぶりがさく裂する!“The Mo~~re You Want it”から始まるコーラス部分の威力が凄すぎる...Oasisとは一味違う“大人なロックソング”はただただ素晴らしい...2ndアルバムからの選曲が終わり、次に披露したのは“We're on Our Way Now”。ノリと激しさがあった前2曲とは一転して、ノエル印の哀愁感漂うバラードが会場内に響き渡る。こんなにも“別れ”を歌うのが似合う人が他にいるだろうか...それぐらいこの曲も良かった...その次は1stアルバムゾーンへ突入。1曲目は“If I Had A Gun”。これまでの雰囲気とは正反対のスローな曲であり、じっくりと聴き入る。30年近くのキャリアの中で様々なタイプの曲を歌ってきたノエルだが、やっぱりこの人はじっくり聴かせるスローテンポな曲が似合うとしみじみと感じた。とにかくあの声はじんわりと体中に沁みてくる...次は一転して、ダンスミュージックにも通じるような“AKA What A Life!”へ流れていく!一度聴いたらクセになるこの曲はノエルのソロ曲の中でもとても好きな1曲だったので、これまた一人大合唱状態だった...“さっきスローテンポな曲がノエルには似合うなぁ”なんて書いたけど、それ以上にこういったアップテンポでOasisにはなかったような曲もとても好きなんだよなぁ...なんて思いつつ、心地よいビートと一切たるまないノエルのコーラスに身を任せて、ノリノリになていた!徐々にフェードアウトして“AKA... What A Life!”は終了。ステージからはほとんどのバンドメンバーがはけて、ノエルとキーボード担当だけが残る。アコギを構えるノエルの背景には月が映し出される夜の海の映像が映し出されている。相変わらず“ノエル”コールが飛び交う中で、3rdアルバム『Who Build The Moon?』から“Dead In The Water”が披露された。キレイなアコギとキーボードの音がシアターを包み込み、ノエルの歌がじっくりと伝わっていく。超ノリノリな3rdアルバムの超例外的な1曲は儚さを帯びながら観客に届けられている。それはただ、じんわりと沁みてくる...しばらくすると観客はスマホのライトを掲げて、幻想的な光の海を作り出し、曲の美しさがより際立つ...ただ、静かで儚く美しい瞬間であり、“ソロ時代”ゾーンの最大のハイライトとなった。ちなみに『Who Build The Moon?』からの選曲は、最も“異色”かこの曲だけだった。このことからも、今のノエルがいつも以上に“歌を聴かせる”モードであったことが伺える... (ただ、『Who Build The Moon?』は大好きな一枚なので、“It’s A Beautiful World”や“She Taught Me How To Fly”を聞きたかった気持ちもある...)

再びMCタイム。 “Council Skies” → “ソロ時代”を経て、 “90年代”に戻ると宣言。観客からはこの日一番の歓声が上がる!ここからは、Oasisの曲が立て続けに披露された。1曲目は“Going Nowhere” 。どちらかと言えば“レア曲”なチョイスで驚いたが、CDで聞くよりも何倍も良い曲に聞こえた!ノエルお得意のミドルテンポでゆったりとした曲調がどことなく“なつかしさ”を呼び起こす。その感触はフィルムで撮ったと思われるスクリーン上の映像と相まって、 “90年代”をほとんど経験していない自分でさえも、あの頃の懐かしさを感じた...2曲目は“The Importance Of Being Idle”。水○黄門のテーマソングチックなギターイントロが聞こえるとこれまた大歓声!スクリーンに怪しげなスロットの映像が流れる中で、ノエルが“とある怠け者”のことを歌う。この曲は前回の来日の時にも聞いていたが、その時と全く同じく、やたら声を張り上げてくる。もう聞き飽きたかもしれないが、ノエルの調子は素晴らしく良い!この曲でもそのことは明確だった...4曲目は大名曲“The Masterplane”。イントロが聞こえると、さっき以上に大歓声が起こる!そして、このあたりから大合唱が起こるようになっていた。コーラスでそれは最高潮に上る!やっぱりみんなOasisが好きなんだなぁ...Oasis随一の“希望の歌”を聞きつつ歌いながら、そんなことを再認識した。“Oasis”ゾーン5曲目は“Half The World Away”。アルバム『The Masterplane』などに収録されているバージョンよりもキーが高い分、どこかハッピーな雰囲気にあふれている!この曲も前回ノエルを見たときに聞いていたが、そのとき以上にこの曲が良いと思えた!アルバムに収録されているバージョンが嫌というわけはないが、この曲についてはライブで聞くバージョンが好きだと思えた。もちろん、コーラス部分ではきれいに合唱が決まり、お決まりの手拍子もビタッと決まった!アコギからエレキギターに持ち替えたノエルがライブの本編ラストに披露したのは“Littke By Little” 。ノエルがソロで活動を始めた頃からライブで欠かさず披露する“Oasis中期の隠れた名曲”であり、この曲のイントロ部分でも大きな歓声が起こっていた!バンドの音とノエルの歌声が徐々に大きくなり、コーラス部分でそれが頂点に達する!コーラスの“Littke By Little”の部分はみんな声を合わせている!それを上回る原曲以上にラウドなギターの音とノエルの歌声。曲がおわりに近づいても一切衰えることなく、最後の最後までノエルの声は伸びていく!ソングライターだけでなくシンガーとしても最高のパフォーマンスを見せつけると曲は終了。ギターの轟音だけが響き続ける中でバンドメンバーはステージを去っていった...しかし、観客は間髪挟まずアンコールも求める手拍子を送り続ける。加えて、場内のあちらこちらから“ノエル”コールが起こり、あるところでは“兄貴――!!”と叫んでいる人もいた。

手拍子と“ノエル”コールは勢いを増し続ける中でバンドメンバーが再登場。ノエルが“ボブ・ディランは好きか?”と尋ねると、 “Quinn the Eskimo (The Mighty Quinn)”が披露された。この曲は数年前からバンドでカバーしているのをちょくちょく聞いていたが、生演奏で聞くと映像で見た以上にハッピーな雰囲気にあふれていた!個人的に、ノエルがレジェンドアーティストの曲をカバーするのは結構好きなので、今回のライブでもしっかり用意してくれていてよかったと思いつつ、ハッピーな一曲にただ身を任せて盛り上がっていた!ちなみに、2023 年はジョイ・ディヴィジョンの“Love Will Tear Us Apart Again”を披露していた時期もあったらしいが、6月頃の北米ツアー以降全く演奏していないらしい... (気になって仕方ない...) “Quinn the Eskimo (The Mighty Quinn)”が終わると、一転して静かな雰囲気のなか鈴の音が響き渡り始める。その中でノエルは“シェイン・マガウワン(←アイルランドのバンド“ザ・ポーグス”のボーカリスト。ちょうど、ライブ当日に訃報が届けられた)に捧げる“と言って、演奏を始める。なんと“Live Forever”だった...そのアレンジは原曲と真反対の儚さを帯びつつも、そのタイトル通りのメッセージをより際立たせるようなものだった。どうしてもこの曲を聞くと彼の弟がでっかいスタジアムで一人叫ぶように歌う姿を想像してしまいがちだが、ノエルの“Live Forever”は名曲に新たな姿を与えていた...大合唱は起こらないものの、みなただ聞き入っている...曲と今のノエルのシンガーとしてのアティチュードがビシッと交わりあった瞬間であり、“Dead In The Water”の時以上に美しい瞬間になった...ここで再びMC。どうやら次が最後の曲であるらしい...会場からはため息が漏れたが、ノエルはまた近いうちに来ると宣言!ガッツリ“See You Soon!”と宣言していた。まぁ、ノエルのことだから半分冗談かもしれないけど、意外と来日頻度が高いので、“近いうちにまた見れたらいいなぁ”なんて考える。そして、ついにあのギターイントロが流れて、会場からはこの日一番の大歓声が起こる!最後の曲はもちろん“Don‘t Look Back In Anger”!!これなくしてノエルのライブは終えられないという一曲!もちろん、冒頭からこの日一番の大合唱が発生していた!今までライブのシングアロングは幾度となく目撃しているが、やはりこの曲に関しては他のシングアロングの光景と一味違って見える。そしてその光景は最高の光景としか言い表せない...そんな中、1番のコーラス部分は観客に丸投げ。もちろん、会場に集まった約8000人のファンは声をそろえて大合唱!自分もすでに歌いすぎてボロボロな喉から声を振り絞って、コーラスを歌いきる!ノエルの曲はソロもOasisも同じぐらいものすごく好きなのだが、やはりこの曲には抗えない...なぜこの曲はこんなにも不思議な力を持っているのだろう...?そんなことを頭の片隅に置きつつ、ただ歌いながら最後の時を楽しむ。2番目のコーラスを終えると、今回のライブで初めてノエルがギターソロを弾く!今回はソングライター/シンガーとしてのノエルが大いに強調されいたが、最後の最後に“ギタリスト”としての姿を見せつけてく!大歓声が上がる中でノエルがギターソロを弾ききると、最後のコーラスへ突入!会場全体で“So Sally Can’t Wait~”と大合唱!最後の曲だけど寂しさは一切なく、ただ楽しい瞬間だけがあった...いやーやっぱり“Don‘t Look Back In Anger”は大名曲だなぁ...そんなことをしみじみ感じつつアンコールも終了。Noel Gallagher’s High Flying Birdsは再びステージを去っていった...

1日目終了!

ちなみに、前回来日時の“Don‘t Look Back In Anger”はアコギバージョンだったのに対して、今回は原曲通りの演奏だった。それも相まって、最高の“Don’t Look Back In Anger”だった...

 全体で90分と結構短めだったが、その中でノエルが見せつけた“ソングライター/シンガー”としての側面は最高の一言に尽きつつ、過去へとさかのぼっていく中で彼の30年にもわたる歩みを再確認できる機会でもあった。

2.2日目-2回見て感じたことを書いてみる-

ノエルの直筆サイン入りボード

12月2日。土曜日。この日は、近くの有明アリーナでモーネスキン(MÅNESKIN)のライブもあり、会場周辺はノエルファンとモーネスキンファンでごった返していた。 (実はモーネスキンのチケットも持っていたのだが、心のヒーロー:ノエルのライブの誘惑には勝てなかった。モーネスキン、ごめんなさい...) 。新旧のロックスターがかなり近い距離に集うという何とも贅沢な状況下でノエルギャラガーのライブ2日目を見た。と言いつつも、全体的な流れは一切変更なし。『Council Skies』の曲から始まり、それ以前のソロ曲→Oasis時代のノエルがボーカルを取った曲たち→ボブ・ディランのカバー、Live Forever、Don‘t Look Back In Anger という感じだった。もちろんどの曲も最高で、ノエルの声やバンドのパフォーマンスは素晴らしかったし、モーネスキンを見れなかった悔いは一切なかった!

2日目は初日と反対のサイドで参加

しかし、ノエルのライブを見つつ、会場全体を見まわしていると、いくらか気になることがあった。以下、大がつくほどのノエルギャラガーファンが何となく感じたことです。

まず1つ目は、序盤での観客の盛り上がりについて(完全主観的な話です...) 。これは実は初日も感じていたことだが、ノエルが出てきた瞬間や曲のいいタイミングで歓声が上がるシーンは多かったけど、どうも後半戦の盛り上がりと比較すると、どこか静かに見えた...新作がどれほど聞かれているかは自分は分からないが、2019年に見たときと比較しても少し静かに感じた...まあ、2019年の来日では冒頭から『Who Build The Moon?』の曲が立て続けに披露されて“ぶち上げ!”な雰囲気があった一方で、今回は“じっくり聴かせる”ような選曲だったので、一概に言えない部分もあるけど...

2つ目。ノエルのバンドは“変化”のバンドであるということを再認識した。Oasisと地続きな1stアルバムからバラエティ豊かな『Chasing Yesterday』、月にぶっ飛びそうなサイケとダンスな音楽が繰り広げられる『Who Build The Moon?』とそれに連なるEP3枚(『Black Star Dancing』、『This Is A Place』、『Blue Moon Rising』) 。そして、ベスト盤を経て発表された今回の『Council Skies』。個人的にはこの変化を続ける姿こそハイフライングバーズの魅力であり、自分が追い続ける理由だと思う。もちろんOasisは大好きだけど、ノエルのソロ作品はそれと同じぐらい、曲によってはOasis以上に大好きなので、こんなにも熱心に追い続けているのだと思う(実際、ノエルについてはソロ作品全部持っているけど、リアムのソロ作品は『C‘mon You Know』しか持ってないです...)。でもそれによって、ライブによっては聞ける曲も絞られてしまうのも事実。このバンドの編成はまあまあ流動的で、実際に2019年来日時の編成と今回のライブの編成はかなり違った...(前回いたホーン隊やハサミ演奏者、女性ボーカルがいなくなっている一方で、今回は女性コーラス隊が入っていた)。このことが『Who Build The Moon?』の収録曲がほぼ演奏されなかった理由の一つだとも思った...今回のライブでノエルが見せたかったであろうことはとても良いと思った一方で、あの『Who Build The Moon?』のノリノリな曲をもう一つぐらい聞きたかったとも思った...個人的にハイフライングバーズを初めて聞いたのは『Who Build The Moon?』であり、今まで聞いてきたアルバムの中でも5本の指に入るほど好きなので、『Who Build The Moon?』のノリノリな曲を聞くのは次回の楽しみになった。
少しそれるけど、『Who Build The Moon?』を初めて聞いたとき、自分はまだOasisのことは“Don’t Look Back In Anger”を1、2聞いたことあるぐらい+CMで流れた数曲を知っているという感じでほぼ知りませんでした。何ならノエルがOasisのギタリストであることも知らない状態でした。なので、自分のOasisの入り口は(ちょっと違うけど...) 『Who Build The Moon?』でした。これって珍しいケースなのかぁ...

話を戻して、3つ目。これは悲し話でもあるけど、もうOasisは再結成しないと今回のライブで実感した。自分は1999年生まれで、Oasisを聞き始めたのは2019年頃。すでに解散から10年経っていて、ノエルはすでに『Who Build The Moon?』を出していた。かたやリアムもBeady Eye解散を乗り越えて、ソロに転向。すでに2枚のアルバム(『As You Were』『Why Me?Why Not?』を出していた。この時点ですでに2人が向かう方向が全く違うものであったのは分かっていたけど、今年ノエル・リアム双方のライブを見たからこそ、そのことがより鮮明に見えた。それぞれソロアーティストとしても大成功を収めている。しかし、2人とも全く別の道を歩んでいる。LiamはOasisの後継者として歌い続けている。その一方で、ノエルを見ると“ソロアーティスト”として自身がやりたいことを追求し、変化し続けている。だからと言って、ノエルはOasisも自身の音楽人生としてとても大切にしている。これについてはどっちが好きとはきっぱり言い切れない。なぜなら、自分はOasisもリアムのソロ活動もNoel Gallagher‘s High Flying Birdsも大好きであり、サマソニから12月のこのライブにかけてそのことを再認識した。過去の映像やドキュメンタリーを見ていると、“一度でいいから、Oasisを見てみたい!”と思えてくるが、今こんなにも向かう場所が違い、それぞれのやり方で成功を収めている2人が再結成しなくてもいいのではと感じた。なんなら、2人別々に活動していることで楽しみが倍になるという嬉しい面もある。Oasisのファンのなかには再結成を待ち望む人が多いのは分かるけど、自分はもうあの頃のOasisは帰ってこないと感じた。あと、もしOasisが再結成しても、圧倒的に1stアルバム・2ndアルバムの曲ばっかのライブになる気がするので、それならそれぞれのライブで定番曲と“中期以降の名曲たち”がピックアップされるのを見たいとも思った(あくまで個人的な予想をしたうえでの話です...)。まぁ一つ確実なの、もし再結成が実現したら何が何でも一回は見に行くと思います(笑)。要は、 “今のソロ活動のままで大好きだけど、機会があるならOasisは見てみたい!”というスタンスです。

こんなことを思いながら2日目のライブを見ていました。言わずもがな2日目も最高でした!この日もノエルは“See You Soon!”と渋めの声で言っていたので、確実に近いうちに来ると思います。なので、 “しばらく見れなくなって寂しいなぁ”という気持ちはほとんどなく、 “最高の2日間をありがとう!”という気持ちでいっぱいでした!この日も最後の曲は“Don’t Look Back In Anger”でした。2023年最後のライブをこの曲で締めるという最高の展開で終了! “Don’t Look Back In Anger”を大合唱する光景からどことなく“あふれ出る年末感”に浸りながら、会場を後にしました。

2日目終了!

3.最後に


誇張なしに最高の2日間でした!いろいろ考えたことはあったけど、ノエルの歌声とバラエティ豊かな曲群に浸った2日間は、ただ最高でした。そして、UKロックアーティスト(アクモン、THE1975、ブラー、リアム、ライド、クーラ・シェイカー、スウェード、マニックスなど←後ろ4つのバンドは見てません...)がこぞって来てくれた中での“締め”のNoel Gallagher。どちらかと言えばUKロックをよく聞く自分としても最高の1年を締めくくるにぴったしのライブでした!ちなみに、今のハイフライングバーズにはOasis解散前のメンバーであるゲム(ギター)とクリス(ドラム)も在籍。加えて、ノエルとリアムも見れているので、ほぼOasis後期メンバーを拝めた1年でした。その分、今になってライドを見に行かずアンディ(ベース)の姿を拝めなかったことをまあまあ後悔してます...まぁそんなことは置いといて、繰り返しにはなるけど、2023年のライブの締めにNoel Gallagher’s High Flying Birdsを選んだのは個人的に大正解で、これからもNoel Gallagherを追い続けたいと思った2日間でした。 (ただ、 “Dead To The World”と“Think Of A Number”も聞きたかった...)

以上、ノエルギャラガーのライブレポ兼いろいろ考えたことを書いてみた記事でした。

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