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2023.1.8 日曜 「上方演芸資料館に行く」

なんばグランド花月前、大阪府が運営する上方演芸資料館(ワッハ上方)に行ってきた。現在、イラストで名人を振り返る企画展をやってるのだが、それは特に面白くもなんともない。やはり地方自治体が運営母体となると、とりあえず展示しております、というような可もなく不可もない状況になる。目的はそこではなく、資料館に所蔵されている膨大な演芸映像を観るためである。
各芸人が出しているDVDはもちろん、お笑いネットワークや上方演芸大賞といったテレビ番組や特番、寄席、独演会などの映像が年代別に分類されていて、それらを自由に視聴できる。この日観たのは、昭和60年代のテレビお笑い特番。夢路いとしこいし、はな寛太いま寛大、大木こだまひびきなどが出演していた。
僕ははな寛太の「ちょっと待ってね」というギャグが大好きである。「ちょっと待ってね」という言葉自体は、何も面白いことを言ってるわけではない。その台詞自体はいたって普通なのだが、はな寛太が独特の間で演るとそこはかとなくおもろいのである。この「そこはかとなく」というところが重要で、爆笑はとらないがなんとも味わい深い。これがいいのだ。
僕は「行けたら行くわ」「嫁はんのブラジャー」「エレベーターのブルース」などの歌ネタをもう15年近く演っているが、究極の目標は「こいつのネタ、オチまでわかってんのにおもろい」という状態になることである。「そのネタ何回も観てるのに、演ってくれんかったらなんか寂しい」とお客様が思ってくれる状態。芸人として、これ以上ありがたいことはない。

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