酉の市、ホームレス社会人の鬱屈

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悲惨な理由により、ホームレスになり果ててからちょうど一ヶ月が経った。我ながら天晴れと言いたいのは、自分は斯様な状況においても一度も野宿せず、メシも絶やしたことがなく、収入も今までの倍以上に増えてしまったからである。
ツイッターのニュース欄を見てみると、東京では酉の市という年末の祭りが各地で開催されているとのこと。殊に新宿の花園神社なんかでは見世物小屋が設置され、入った者は皆一様にケッタイなものを見れたと満足げ。屋台からは焼き鳥や粉モノのうまそうな煙が立ちのぼり、そのなかで老若男女が牛歩して、熊手を買って帰るのも、歌舞伎町とは言え少なくない様子。去年も自分は練馬の方の酉の市に参加し、楽しかった。今年も行きたくなったが、直後、考えを改めた。というのも酉の市はまるで万民の為の祭かのように振舞っているが違う。熊手を買う人のための行事であると気付いてしまったからである。そう、帰る家のない自分にとって家に福を招く熊手は必要ないわけで、この状態で祭りに参加したら所詮ホームレスなんて福を招く権利がないのだと言われるような気になるに違いない。

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