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焼きそばnote

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自炊に飽きすぎて市販の焼きそばを自分なりにこだわりをもってアレンジした美味しい焼きそばtipsみたいなのを友人と共有してる、ということをTweetしたら、SF作家の樋口恭介さんに焼きそばnote書いてくださいと言われたので、特に大事な内容ではないと思われますが、最近聞いたことや作ったときのこと、食べたときのこと、作ろうと思っているものなどを書きます。

焼きそばと言えば以前友人と話していたときに「自分の思う一番安上がりな自炊方法」と言っている人がいました。経済的に厳しい、今月あとこれくらいで乗り切らなければいけない、という予算が決まっていて一人暮らしをしているときはソース焼きそばでなんとか乗り切っていたという苦労話を聞かせてもらったことがあります。一方、自分の思い出と言えば家族団欒です。小学生のとき土曜日はたびたびお好み焼きでした。ホットプレートを出して家族で囲んでお好み焼きをして、お好み焼きを食べ終わったら焼きそばを食べて〆です。

・スーパーで売っている3玉入っている粉末ソースつきのソース焼きそばの味つけについてなのですが、(画像は東洋水産のwebページから)これはそもそも具材をたくさん入れて成立するようなソースの量になっているので肉と野菜をたっぷり入れる家庭の焼きそばを作ると美味しい。(私がホットプレートで食べていた実家の焼きそばはそうでした)逆にあまり具材を入れないときには意識してソース量をへらす必要があると思います。私は半分ソースを残すみたいなことがあまりできないのであまりしないのですが、できる方はするといいと思います。

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・友人は半分付属のソースを使い、もう半分くらいの塩気をちりめん山椒で補うのがなかなか美味しいと言っていました。焼きそばに花椒を入れたりもするのでその変法と考えればいいでしょうか。

・また他の友人は焼きそばがベチャベチャするのを防ぐために最初に炒めて一度皿に取り出しておき、肉・野菜を炒めたあと最後にまたほぐしながら入れて具材と絡めると言っていました。回鍋肉の麺バージョンですね。(回鍋肉は肉に火を通してから取り出しておき再度調理の過程で鍋に戻ってくるという意味で名付けられているらしい)

・あと、つけ麺専用の生麺(画像は東洋水産のwebページから)を焼きそばに使うのにハマってると言ってる人もいました。蒸したあと1分くらい茹でてお湯を切ってそのあと焼きそばにするそうです。手が込んでますね。麺を太めにするというのがおしゃれ。画像3

東京の神保町と水道橋の間にやきそばみかさというお店があって、ここは神保町に勤めている編集者の友人に「美味しいですよ」と教えてもらったのですが、中に製麺機があって、その日そこで作った生麺をそのまま使って焼きそばを作っているのですよね。売っている生麺を使うとそれに近い感じになるのかもしれないです。とても美味しくていつも行列ができているお店です。今も人数制限して店内営業およびテイクアウトとかをやっているみたいです。これは数年前に行ったときの写真。ソースにはガラムマサラとか入っているらしい。銀の小判皿のルックスもいいですね。

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・そういえば他にも美味しかった焼きそばの思い出があるんですが、東京の表参道にあるmimosaというお店です。これはけっこう変わっていてアニスソース焼きそばなんですね。細麺にのっているのが揚げたように端がこんがりしている目玉焼きと小口切りの葱。横には自家製ラー油が添えてあり、麺がアニスのソースにひたひたになっています。これは少なくともこのときはまかないメニューだったようで、なんか忘れましたけどたまたま出してもらえたんですが、本来メニューには載っていないっぽいです。アニスの甘いエキゾチックないい香りがしてとても美味しかった。写真は数年前に行ったときのもの。mimosaは緊急事態宣言後、休業しているようです。

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GQの記事もありました。裏麺。


・自炊の話に戻りますが、おれたちの、わたしたちのウー・ウェン先生の焼きそばのレシピを見てみましょう。

なんと葱のみの焼きそば!味付けは黒酢と塩です。すごい、本当にすごいんだよなあ……ウー・ウェンさんの料理って徹底して食材が少なくてシンプルなので再現するのにあまりあれこれ材料を揃えなくていいところが本当に好きです。

最近、歩かずにいると身体がなまるのでとにかく家にいる日は時間をかけて人の少ないところを散歩してるんですが、立ち寄った製麺所で焼きそばの蒸し麺(65円)を買いました。その製麺所は焼きそば以外にもうどん、そば、ラーメン、ちゃんぽんなどあらゆる麺類を卸していて少数小売もしてくれるというスタイルのところです。餃子の皮とかスープのもと、メンマなども売ってました。蕎麦を富士そばに卸しているそうで、確かに店舗の休業が目立つなか立ち食い蕎麦屋は休業せずに開いているところも多く、それでこうやって営業を続けているんだなと思いました。すごく気さくなおじさんで近所の人も顔見に来る感じで麺を買いに来ていて雰囲気がよかった。

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この、ちいさな「めん」から「むし」が飛び出ているような、「めん」を拡大したら「むし」と書いてあるかのような、謎のデザインがすごくカワイイ。

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さて、これを使ってウー・ウェンさんの葱のみの焼きそばを作りました。葱と言っても家にあったのが分葱だったので分葱を使いました。白葱も好きなのですが美味しいうちに使い切れないことも多く、私はけっこう分葱とか九条葱を常備しています。遜色なく使えるような気がします。これで最初に葱油を作るんですよね。太白胡麻油(焙煎していない透明なごま油です)で葱にじゅくじゅくに火を通して、そのあとレシピどおりに麺、酒、蓋。味付けは黒酢とオイスターソースにしました。オイスターソースの気分だったので……。しかしこれはもはや葱油がすでに超美味いので、塩でも中国醤油でも美味しくなると思います。オイスターソースは成城石井のPB製品を使っています。美味しいのもそうなんですが李錦記とかのより粘性が低くてサラサラなので調理中に使いやすい気がします。

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できました。最近この琺瑯のお皿ばっかり使っています。手入れが楽です。琺瑯のお皿はバンコクのあんまり観光っぽくない現地の市場で手に入れたんですが、マーケットでお腹を出して昼寝をしていた人たちは元気なんだろうか……と使っているとときどき思い出してしまう。焼きそばの方にいっさい蛋白質が入っていないのでスープもつけました。鶏もも肉とせりのスープです。せりが親の仇のように大量に刻んで入れてありまして上に針生姜がちょっと飾ってあります。葱そばとせりスープだと香り×香りであんまりよくない気もするんですがまあいいんです、自炊なので……。

葱油と言えば酒徒さんという方がよく葱油拌麺を作られてますよね。これは干しエビ、醤油、砂糖のタレをからめるというやり方で焼きそばとは違うんですが、これも大変美味しい。これはよりジャンキーな感じの味になります。焼きそばもそうなんだけど、ちょっとおやつとか軽食っぽいのがいいよね。


・今後の展開なんですが、製麺所で2玉蒸し麺を買ったので、もう一回焼きそばを近いうちに作ろうと思っています。どんなのを作ればいいでしょう、と思っていたんですが高橋みどりさんの著作『まだまだあります伝言レシピ』を見ていたら、『ネギと生姜のやきそば』と『セロリの細切りだけの焼きそば』がありました。柴田書店の編集者さんから高橋さんが教わったレシピですね。これは葱油を作るというわけではなく大量の白髪ねぎと生姜の細切り(もしくはセロリの細切りのみ)をオイスターソースと黒胡椒で食べるという麺のようで、ウー・ウェンさんのレシピと似ているようでけっこう違うんじゃないかなという感じでした。今、レア野菜のフィノッキオ(フェンネルの鱗茎の部分)がなぜか冷蔵庫にあるので、セロリの代わりにフィノッキオを使った焼きそばなんてどうでしょうか。どうでしょうかじゃないですね。ちょっと考えてみます。せりもまだあるからせりでもいいかも。伝言レシピのマガハの公式ウェブのリンクを貼ってみた↓んだけど、果たしてまだ買えるんだろうか。たしか絶版で、古本屋とかメルカリとかで売られていますので気になった方は探してみてください。名著です。

高橋みどりさんと言えばフードスタイリストなんですが、フードスタイリストの川崎万里さんという方が東京の赤坂でやっているお店で箱庭というお店があります。野菜を使った優しいおつまみ、ナチュラルワインや美味しい日本酒があって大好きな小さなお店なんですが……

箱庭の〆のメニューの中に『しょうがとみょうがの焼きそば』というのがあるんですよね。これとても美味しくて、以前食べたときに伝言レシピの焼きそばのことをふと思い出したんですが、けっこう伝言レシピの焼きそばと近い雰囲気を感じます。香りの強い食材をシンプルに使った塩焼きそばみたいな感じはやっぱり外れがないということなんでしょうか。箱庭は赤坂という立地ながら、いまも営業を毎日続けています。(営業についてこまめに更新されているのでInstagramで見てみてください)何種類ものテイクアウトとUberのメニュー以外に、美味しい野菜の販売もやっているようです。赤坂に行くことはあまりないけど近くに行く機会があればとても寄りたい……。

長くなりましたが焼きそばのnoteを終わります。

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