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寒日記(さむにっき)

ダ・ヴィンチWebでの連載の更新がありました。

すみやかなおでんは秋口にやった、トマトのおでんの出汁割りは今年になってからやったおでんなのですが、どちらもおいしかった。文章の中でも書いたんだけど小鍋がたくさんならぶおでんパーティーみたいなのが楽しい。今年になってからやった何人かで食べるおでんは私が仕事に行っている間に泊まりに来ていた友人がほとんど家で作ってくれていた。友人の祖母が家に来た孫をもてなすときにおでんを作ってくれるときはきっちり一つの大鍋に仕上がるように作ってくれるらしく、「一つの鍋にきっちり全部入るようにするのもいいよねえ というか才能だ」みたいな話をした。

トマトの出汁割りはかつお昆布出汁にトマトのグルタミン酸がちょっと出て美味しくなってるんだろうなと思う。普通にうどん出汁を利用してそれだけ作って一酒一菜にしてもいいのかもしれない

すみやかなおでんの方は前回の更新と大根おろしかぶりしている。



冬らしい冬が来ているが、ちょうどこの年明けのおでんの時期直前くらいにリビングのエアコンから暖かい空気が出なくなってしまった。エアコンは交換が必要だったので、工事の日までは石油ストーブを使って部屋を暖めているが、すごく寒い。さらに普段fashyというドイツ製の湯たんぽを使っていたのだけど使い過ぎてそれも年初めにピンホールが開いたのか熱湯が少しずつ漏れるようになってきてしまった。なんというか今年の冬を暖かく過ごすことを半ば諦めている。石油ストーブは暖めているついでに煮込み料理を作れるのがいい。料理を作っていないときは室内の加湿のためにやかんをのせている。



少し前に西船橋にあるKanda & Oliveiraの展示『フェアトレード  現代アート産業と製陶業をめぐって』(上田勇児・梅津庸一 2023年1月17日 - 2月18日)に行った。


上田さんと梅津さんのお二人は滋賀県南東部の信楽を拠点として製陶をしていてKanda & Oliveiraにはこれまでの展示のなかでおそらく最も多くの作品が展示されていた。行くまでは特に何ということがあって行ったわけではなかったが、現地でステートメントを読んでかなり引き込まれた。(ステートメントの文章はここから読めます)こういうことを考えたことがなかった、という感じ。映像作品も2時間以上あるのを20分くらい観たが、面白かった(全部観なくていいです大変だからと言われた)。インタビュー映像ではあるが少し日常会話っぽくもあり、ただ聞いているのがよかった。パープルームのウェブで今後公開されるらしく、家でまた観たい、ちゃんと観てからそのあと作業してるときとかに流しておきたい感じ。

たまに古道具屋に行って買いものをすることがあるんだけど、2022年に大阪で統制陶磁器の灰ならしを買った。火鉢の灰を均すものらしい。火鉢を持っていないので、何に使用するわけでもなく使わずそのへんに置いておくものとしていいなと思って手にとった。これは日本の焼き物の街のどこかで戦時中に焼かれたもので、統制番号がついていなかったのでどこのものかがわからない。信楽はかつて日本の火鉢の一大産地だったらしいので、信楽で焼かれたものかもしれないな というようなことを考えていた。


Kanda & Oliveiraでオーナーの神田さんと話してたあと、一人になった瞬間に、来場していた他のお客さんから声をかけられた。私はTwitterでスペースの配信などをしているので、神田さんと話している声で私だと思ったと言うことだった。なんと言ったらいいかわからないがいい人でよかった。しかも西船橋の地元の方だった。周辺の美味しい八百屋情報とか教えていただいた。



前に人の家でピェンローをしたときに、毎年やっている鍋だしちゃんと毎回原典を読み直した方がいいのではないかという話になった。妹尾河童『河童のスケッチブック』の話です。私がしっかりと覚えているところは「鍋の中は味つけをしていないから食べる本人が各自で味をつける」「思ったほどの味じゃない、と言われたらそれは自分の味付けが悪いせいといえばいい」という部分で、一緒に食べていた人が覚えていた部分は「スープでつくった熱々のお粥に冷たいべったら漬けが合う」という部分だった。せっかくなので絶版になっている単行本の方の『河童のスケッチブック』を図書館で借りて読んでいるが、ピェンロー以外のエッセイもかなりいい。というか絵がうますぎる。うますぎる絵の周りにぎちぎちに丁寧に文字が書いてあって、読むだけで至福。改めてイラストエッセイの金字塔だ。




ヘッダーの写真は岡山県と兵庫県の境あたりで2022年秋に撮影したものです。細かい場所がどこだったか忘れてしまいました。




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