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福岡に週末1

仕事を定時で終えて飛行機で福岡に飛んだ。金曜夜のフライトにはほとんど乗ったことがないのだけど、いつも乗る旅行での国際線の浮かれた感じとは違ってほぼ全員がビジネスパーソンで、スーツを着て静かに休みをとっている。スーツを着て休みがとれるものだろうかと思うけどとにかく目を閉じてみんな静かにしている。翼の王国を読むと、こんど成田ーチェンナイ線が就航するらしく、特集が組まれている。しまおまほさんがコーラムの模様に夢中になっている記事がある。コーラム(インドの人が粉で玄関に描く魔除けの紋様)については最近読んだ『かたちは思考する』の冒頭にも出てきた。翼の王国を読み終わったあと持ってきた『アメリカ紀行』を読む。飛行機内で読むと、急にボストンにでも向かっている気になってしまう。

本を読んでいたらすぐに着いてしまった。

福岡空港の街中へのアクセスの良さには来るたびに驚かされる。空港線で天神まで出て、ホテルにチェックインする。久しぶりに来て全然土地勘がない。直前のことであまり余裕もなく、使ったことのないビジネスホテルを予約していたけど、立地も部屋もかなりよくてラッキーだった。

チェックインしてから着替えて天神南のクラフトビアバーに向かった。先にInstagramで見るとうちゅうブルーイングのタップが繋がっているとあったのでそれを飲む。うちゅうブルーイングのドラフトビールは初めて飲んだけど美味しいと思う。ビアバーは接客がチャラくて代々木のウォータリングホールと似ていた。ホーチミンに行ったときにもウォータリングホールみたいなサービスがいるビアバーに行ったけど軽快でいい。名前を聞かれ店のステッカーをもらう。東京から来たと言うと県外からの人にはたくさんあげると言って3枚くれた。ヘイジーなビールを二杯飲んで出る。ペパロニのピザをつまみにしたけどまだ空腹だったのであたりを歩いて深夜までやっているうどん屋を見つけて入る。福岡のうどんは柔らかいらしい。木の濃い卓の色が油染みた、こなれた古いかっこいい感じの店で、忙しくうどんを作るおかみさんの隙を見て注文し初めて丸天うどんを食べた。衝撃的な美味しさ。いろいろな麺をいろいろな都市で食べてきたけどこのうどんは麺と言っていいのか迷う。隣のサラリーマン二人はやさしげな卵とじうどんを食べている。博多の方言で会社での気苦労の話をしていた。この店はうどんの他におでんも出していて他席では燗酒とおでんを楽しむ人もいる。カップ酒がある、そしてカップ酒のカップをお冷やのグラスに転用している。最高、最高だ。眠くなってきて宿に戻る。

福岡では友人と合流して夜中でも食べに出かけようと思っていたのだが、ベッドに腰掛けると同時にかくんと寝てしまった。1時間ほど経過してはっと起きると合流する予定だった友人から深夜まで残業していて飲めそうにないと連絡が入っていた。気の毒だ。シャワーを浴びて歯を磨いて寝た。親しい人には絶対に過労してほしくない。いや、世界の誰にも過労してほしくない。脱水ぎみでそのあと寝ても何度も目が覚めてそのたびにベッドサイドに置いておいた水を飲んだ。

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