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モンスターちゃん

こんにちは。
梅雨ですね。
身体にまとわりつく、湿度高めの空気の不快感にうんざり。
天気痛持ちにゃ、ちとツラいです。
おまけに、低血圧だから、フラフラしまくりですよ。

さて、のほほん屋では、パンダ、猫、うさぎ、くまといった動物をメインにしたイラストのグッズを販売してます。
それはそれでいいんだけど、こう…違ういきものもありかな?と思ったわけです。
それで生まれたのがモンスターちゃん。

今回は、そんなモンスターちゃんについてのお話です。
一応物語を書く人なので、キャラにはそれぞれお話を作ってます。
まぁ、ぼんやりと「こういう子かな?」みたいなものですが…。

では、モンスターちゃんの足元をご覧ください。

たまご型の生物。

「What was I born for?」
何故、うまれたの?

なんだか悲しいことを聞いてくるモンスターちゃん。
瞳も震えてます。
なぜでしょう?

この世界とは、少しだけ違う世界。
木々が生い茂った森に、大きな卵が転がっていました。
どこから転がってきたのか、はたまた落ちてきたかわかりません。
やがて、その大きな卵にヒビが入りました。
ぱきぱき…ぱりん。
中から出てきたのは、真っ黒なツノが生えた、真っ黒なモンスターちゃん。
鳥でも、恐竜でもないいきもの。

孵化するモンスターちゃん。

モンスターちゃんは、黄色くて丸い目で周りを見ます。
自分が生まれた世界は、どんなところ?
パパとママはどこ?
きょろきょろ。
でも、木々が揺れる音が不気味に響くだけで、この緑深い場所には、自分以外誰もいない。
真っ暗な闇の森で、モンスターちゃんはひとりぼっち。
寒いなぁ。
お腹すいたなぁ。
立ち上がるけど、短い足ではうまく歩けない。

すってんころりん。

誰かいないかな?
モンスターちゃんは、ふらふら歩いては、転び、立ち上がって、森をさまよいます。
フクロウの鳴き声に怯える夜も、カラスに突かれる朝も、狼に追いかけられる昼も。
モンスターちゃんは、あちこち歩きます。
お腹が空いたら、お花や木の実を口に放り込みました。たまに、合わなくて、お腹を壊して、苦しくてたまらない時もありましたが、落ちてるものを口に入れました。
なにもわからない小さなモンスターちゃんの胸には、どんよりとしたなにかが広がります。
なにかを口にすれば、空腹はまぎれる。
目を閉じれば、眠れる。
でも、モンスターちゃんはひとりぼっち。
卵の殻を突き破って出てきた時に抱いていた期待感や希望は、やがて冷たくなって、モンスターちゃんをモクモクと包み込む。
寂しい。
ひとりぼっち。
なぜ、こんな暗い世界に生まれたの?
そんな疑問だけ、大きくなる。
そして、内側から湧き上がる欲求がなんなのか、モンスターちゃんにはわからない。

森へやってきた人間たちと出会ったモンスターちゃん。
一緒にいてほしい。
胸の奥から感じたものに突き動かされ、人間たちに近づきます。
しかし、真っ黒なツノが生えた得体の知れない生物に、人間たちは驚き、石を投げ、棒で叩きます。

迫害を受けるモンスターちゃん…。

命からがら、森の奥の洞穴へと逃げ込んだモンスターちゃん。
叩かれた傷やコブが痛くてたまらない。
人間たちの怖い顔や怒鳴り声が頭から消えない。
身体がガタガタ震え、涙がポロポロ落ちました。
どうして?
どうして?
何度も問いかけても、答えてくれる誰かはいない。
冷たい洞穴には、自分だけ。

涙がポロポロ。

なんのために生まれたの?
分厚い灰色の雲が覆った空を見上げました。
こんな自分でも、受け入れてくれる誰かに出会えるかな?
それまで生きていてもいい?
モンスターちゃんは、ぽつりと空に問いました。
雲はゆったりと流れ、うっすらとした隙間から、細くて薄い光がモンスターちゃんを照らしました。

やがて、月日が流れ、モンスターちゃんは大きくなりました。

空腹時、よだれが止まらないのは相変わらず。

小さい時は、黒かったツノは、白く輝く大きなものに。
鋭い大きなツメ。
水溜りに映る自分を見て、モンスターちゃんは、ギョッと震えます。
こんな怖い見た目になっちゃったら、また石を投げられるかも…。
もっとひどいことをされるかもでしょうかしれない。
怖いな。
ずっと寂しいのかな。
やだな…。
そう思っていたら、空から光の玉がふわふわと落ちてきました。
光の玉は、モンスターちゃんの頭上で、ぱちんと割れ、中からなにかがふわりと落ちてくる。
思わず抱きとめるモンスターちゃん。

なんだろう?

腕の中に温かいもの。
生まれて初めて知る、誰かのぬくもり。
そして、自分以外の鼓動。
モンスターちゃんが、今まで知らなかった感覚が、一気に流れ込んでくる。

それは、光の精霊さんでした。

白くてやわらかい。

精霊さんは、モンスターちゃんを見ても、嫌がることはなく、ぴたりとくっついてくれました。
モンスターちゃんは、嬉しくてスリスリしたけど、精霊さんは、表情も変えずに受け入れてくれました。

そうして、モンスターちゃんは、精霊さんと一緒に暮らすようになりましたとさ。

え?飛べるの?

そんな感じのお話を、モンスターちゃんに与えました。

が、ミスがあります。
お気づきでしょう?
そう、足の指間違い!
見た目の変貌っぷり!
実は、SUZURIさんとTシャツトリニティさんで、モンスターちゃんを販売する際に「ちょっと見た目変えてみよう」と、余計な遊び心を出しまして…。
物語はあるのに、キャラデザインをぼんやり作ったもんだから、次に描く時に間違えてしまいました。
それを追加物語で、「成長してツノとツメが変わる」みたいなごまかしをしてます(汗)
本当に申し訳ないです…。
余計な遊び心は、アダとなりますね。
反省。

こんな重い設定を背負わされ、「何故、生まれたの?」と問いかけていたモンスターちゃん。
デビューした当初は、さほど反応がありませんでした。
それが、Twitterで絵を載せたところ、「かわいい」とリプが!
そして、SUZURIさんでのズキュンが集まり、紹介してくださる方もいらして、どんどん人気急上昇!
リアル世界の人間たちは、石を投げなかったよ。
みんな優しいね。
よかったね、モンスターちゃん。

嬉し泣き。

SUZURIさんから、売れたよって通知が来た時は、本当に嬉しくて、「からくりサーカス」のギー先生の名ゼリフ「幸せに…おなり…だ…」を何度も叫んでたら、猫達に心配されました(笑)
どうかモンスターちゃんが、末永く愛されますように。

後ろからそーっと。

それでは、また(^_^)/~




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