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雀豪・雀聖ループ時代から魂天・天鳳八段到達までを振り返って

 こんにちは。カモメです。

 今回は2024年7月14日に天鳳八段、2024年8月28日に魂天に到達したということで、これまでの段位戦生活の振り返り、実践していたこと・考えていたことなどを文字にして残しておきたいなと思い書きました。


●はじめに

A

 Aは私の雀魂段位戦のポイント推移の様子です(Iriscat様のツールより)。段位戦通算5000戦が目前というところまでかかりました。見ての通り前半の雀豪2〜雀聖1での停滞期が長く、玉の間で勝ちきれていない日々が続いていました。私も最初から魂天にタッチする力があった所からスタートしたわけではなく、道中でいろいろ試行錯誤したり、新しいことに挑戦しながら今回魂天に辿り着けたのかなと思います。玉の間の攻略という意味で自分にとって大きな転換点となったところ・出会いを、時系列順に紹介します。



●雀豪〜雀聖停滞期


 麻雀を覚えたのは大学1年生の秋。同級生と一緒に覚え、たまに夜家に集まって徹麻をするようになりました。この頃はそこまで麻雀にのめり込んでいたわけではなく、頻度も月に1〜2回くらいでしたし、麻雀はルールがなんとなく分かったかなという程度でした。ただ2020年になってコロナウイルスが流行り出しました。同級生ともリア麻が打てないなとなってネト麻を始めようかとなり、ちょうどその頃雀魂で咲-Saki-コラボの告知があったこともあり、とりあえず雀魂をインストールしてみました。またその頃はMリーグを1番熱心に見ていた時期で、私は特に多井さんの麻雀に憧れて、多井さんの登板日やYouTubeの関連動画をよく見ていました。2019年シーズンのファイナルで渋川さんの解説とともに、内川さんへのリーチに当たり牌の8mで降りたシーンは当時の自分にとってとても衝撃的でした。やっぱりビタ止めってカッコいいですよね。そんな多井さんのような鉄壁の麻雀に憧れ私の雀魂生活はスタートするのでした。

 Mリーグをある程度見ていたし、ネット麻雀のラス回避ルールと守備型の麻雀が上手く噛み合い順調に昇段していき、2021年5月に初めての雀聖1に到達(今見るとここから魂天まで3年以上かかってる…)。当時の玉の間での雀聖の割合は今よりさらに少なかったと思うので、あれもしかして自分上手いほう? このまま魂天まで行けちゃう? と思ってしまったところ、、、初めての雀聖1坂は数10半荘と一瞬で雀豪3に転げ落ちました。まあ流石にそう簡単には登らせてくれないか…と最初は思っていましたが、ここからしばらく(1500半荘くらい)雀豪2から雀聖1の間を行ったり来たりすることになります。ここまで打数を重ねていたのは、できれば自分だけの力で魂天まで登りたいという淡い期待があったこと、ネット麻雀界で言われる「打数は正義」「打数は偉い!」というような風潮?を耳にして、自分も今は苦しいけど打数を重ねたらいつかは登れる!と信じていたこと、そして、単純に勝っても負けても麻雀を打つのが楽しかったというのが理由でした。

B
C

 BとCは雀豪2〜雀聖1停滞期のスタッツです。見ての通り和了が全く取れてないです。 ただ当時は、まあ人より和了は取れてないけど、守備寄りに打ってるからそうなるし、放銃することの方が罪深いしラスに直結しやすいから、このスタイルでいつかは上昇気流が来て上まで登れるはず…!くらいに思っていてそこまで気にしていませんでした。今の自分から見るとこれはかなり深刻な問題だったのですが、それに気づくのにはもう少し後になるのでした、、、

 そして、もう一つ。この頃はラスが絶対ダメ!(=1着と2着と3着はほぼ同価値)という考えをしていたので、トップ率も低く、2着と3着が高くなるという着順分布をしていました。これについては途中から気になり始めてはいました。この先雀聖3の坂でこの着順で登れるのか?と。でもラスは痛いし…と思いながら結局はこの状態がしばらく続いていました。

 停滞し始めてしばらくして、それまで多井さんの麻雀の真似(のようなもの)を段位戦で打っていましたが、ネット麻雀は不特定多数の人と当たるし、Mリーグみたいにみんなしっかり対応しないし…と気づき、やはりネット麻雀の強い人を参考にした方がいいのかな…と思い始め、いろいろ探した所ゆうせーさんの牌効率動画や段位戦実況動画に出会いました。

 ゆうせーさんも特に守備に定評のある打ち方をされるという印象がありましたし、段位戦配信での打牌選択と言語化に優れていたので、私にとってとても分かりやすい実況動画でした。今でも1番見ている麻雀系のYouTubeチャンネルはゆうせーさんで、私の麻雀のベースになりました。雀魂実況や天鳳実況の動画をずっと見ていました。結果はすぐにはついてきませんでしたが、段位戦でもゆうせーさんならこうするかなとか考えながら、できるだけ真似をしながら頑張っていました。


●雀聖2期

 ある日、TLに1つのnoteが流れてきました。今振り返ればこのnoteとの出会いが、私の玉の間生活での最初の転換点でした。玉の間で苦戦していた私はすぐに興味を持ち読み始めました。読んでみると分かりますが、引き込まれるような文章で、書いてあることがスッと頭に入ってきて楽しく読むことができます。それでいて書いてある内容が私にとっては新たな発見であったり、勘違いしていたことがたくさん詰まっていて、何度も読み返しました。今では私が参加しているΣリーグで、noteの筆者:銀貨先生に指名されて同じチームで戦っているのですから、不思議なご縁があるものだなと。こちらのnoteはそれに関係無く、私が魂天になった時には間違いなく大きな力になったギフトになると思っていました。

 このnoteの中で当時の自分に特に刺さったテーマは①、④、⑤でした。①の自力で和了を取る力は、玉の間には残れていたものの全然和了は拾えていないタイプでした。ゆうせーさんの動画を見てから少し矯正されましたが、最初の頃は序盤から字牌を抱えて進行していました。そのせいで逃しているメンツやターツが多く、後手に回らされ降りてばかりになるという展開が多くなっていたのだと思います。

D
E

 次に④のリーチについてのお話です。Dは玉の間生活最初の約1500半荘、Eは最後の約1500半荘のスタッツです。特に変わったのが立直多面率と立直良形率の2項目です。

立直多面率(玉の間平均74.45%)
71.60%→78.21%

立直良形率(玉の間平均47.63%)
47.94%→56.02%

 明らかに意識的に変えた部分だと思います。そして立直和了率、立直放銃率はともに良くなっています。面白いのが追っかけ率が17.82%→19.10%と上昇しているところです。後手であろうが手組みで勝算の高いリーチを打てるようになった。こちらのnoteで言うところの、自分が搾取する側のプレーヤーになったのを感じる変化でした。立直率は後半でさらに低くなりましたが、これについては後の雀聖3期のところで触れたいと思います。

 最後に⑤の項目。ここが私が最も麻雀というゲームに対して大きな思い違いをしていたところでした。押しの強いプレーヤーが多く、横移動期待で降りててもなんとかなるのでは?という考えでいました。しかしそれでラス回避はできたとしても2着や3着が増えるばかりで、ポイントは伸び悩み、避けられない4着、時には手数不足による実力ラスでポイントを失っていく。雀聖1から先に進めなかった時はまさにこのようなループに陥っていました。

 この頃(2023年以降)から麻雀の上達に対するモチベが跳ね上がったような気がします。「多井隆晴の咲乃もこ魂天計画」や渋川難波さんの雀魂実況、ヨーテルさん、川村晃裕さん、おじさんのYouTubeチャンネル。書籍では新科学する麻雀を購入したりなど、様々な戦術を取り扱ったもの、段位戦に関連するものをあさっていました。新科学する麻雀では聴牌ってこんなに押していいんだと知り、それまでの危険牌を掴んだ瞬間ほぼオリ!の麻雀から少しずつ脱却していきました。そして2023年4月に初めて雀聖2に昇段します。

 麻雀のモチベが上がった私は天鳳も打つようになりました。天鳳鳳凰卓の鉄強という存在を知り憧れを抱き、鳳凰卓で打ってみたいと思うようになったから。もう一つが雀魂をずっと打っていて、負けがこむときはメンタルもやられてくるので、ゲームの雰囲気が真逆の天鳳をやると和らぐからというのが理由でした(逆も然り)。今でも両方続けていますが、メンタルを保つためにこの方法を取ったのは良かったなと思っています(そのせいで打数が跳ね上がることになるのですが😇)。

 さて、雀豪〜雀聖停滞期からは一皮剥けたと感じ、このまま登っていくぞと意気揚々としていましたが、雀聖2坂、天鳳は六段坂から全く先に進めません。大きく減りもしなかったけど、増えもしないという日々が続いていました。初めての雀聖2の坂は約700半荘耐えた後降段(その後1週間で雀聖2復帰は果たす)、六段坂は約1000半荘の間昇段も降段もせず、道中で3回あった降段戦をなんとかギリギリのところで耐えていました。正直まだ何か壁がある。今の時期が下振れだったとしてもたぶん雀聖3の坂を登りきる力はまだ無いのかな…と薄々感じていました。これまで誰からも教わらず自分の力で魂天まで行きたいという淡い考えもあったのですが、やはり一度第三者の視点で見てもらった方がいいのかな…と考え直し、ずっと1番見てきたゆうせーさんに初めて牌譜検討を依頼することを決めました。自分1人で見返しても気づかないところを指摘してもらいたいと。これが2つ目の大きな転換点でした。

 検討日は2023年の8月9日。配信での検討でしたが、他人に自分の麻雀を見られることに抵抗はありませんでした。配信直前は初めてYouTube出演するんだ…(声だけ)とか考えてました(笑)。私は事前に自分の弱点だと思っていたところや当時気になっていたポイントを伝えてから検討が始まりました。

 検討配信が終わるとまたすぐ段位戦を再開しました。すると、今までずっと停滞していた六段坂で嘘のように勝ちだし、原点の1200ptからわずか3日で初の七段に到達しました。喜びの大きさからすると八段昇段・魂天到達よりも大きかったかもしれないくらいここが1番嬉しかったような気がします。やはり鳳凰卓に挑戦できるということ、つい直近まで約1000半荘登れなかった六段坂を登りきってしまったことがきいたのだと思います。以後、これまで苦戦していた特上卓や玉の間で上振れを引いた時には圧勝できるという感覚を複数回味わうようになっていきます。長い雀聖2の坂も2023年11月の頭に登りきり、初の雀聖3に昇段となりました。当時は自分の打っている麻雀・選択が劇的に変わったという感覚は正直あまり無かったのですが、ゆうせーさんの検討配信を境に段位戦(玉の間・特上卓)の成績は大きく変わりました。
 
 最近になって改めてこの時の配信を見返したのですが、配信内の途中途中で、ゆうせーさんが牌譜を見ながら自分の意識できていなさそうな部分を言葉にして説明されていました。配信内で言われたことが頭に残り、意識して段位戦に臨めていた。そして、打数を重ねることで自分のものにしていけたのかなと思います。


●雀聖3期

 2023年の秋頃からネット麻雀をやっている人たちとの交流をもっとしてみたいなと思うようになり、段位戦をやっている人たちの集まるサーバーに入ってみたり、またリーグ戦に応募してみようと思うようになりました。まあMリーグや咲-Saki-の影響から麻雀を始めているので、麻雀のチーム戦に興味を持つのは普通ですよね。そして、2024年2月に初めてリーグ戦(ぷりぷりーぐ)に参加し、そこで出会ったのがかなたさんでした。

 2024年2月から6月にかけて、かなたさんには定期的に見てもらっていましたが、見てもらった後チームメイトと麻雀の話をしている時間が楽しかったです。特に、かなたさんが持ってくる何切る(何鳴く)の題材は、今まで自分が想像も付かなかった所からの副露や選択についてのものが多く、私に不足していたメンゼンが厳しい時の手組み・副露判断が新たな引き出しとなり、和了のパターンが増え、ラストスパートの雀聖3から魂天へと登るためのと力となってくれました。

 この頃(2024年以降)には、打数を積み重ねれば、地力で魂天になれるだろうという感触はありました。ほんの半年前は、まだ壁があると感じていたのに、この時には…と、今この文章を書いていている自分でも驚いています。

 玉の間では、リーチに対してずっと押してくるプレーヤーもいますが、リーチには対応できるけど副露に対してはほとんど対応しないというプレーヤーもかなりの割合で存在します。普通、リーチと副露に囲まれたらリーチの方をより対応することの方がもちろん多いのですが、玉の間ではその対応がより甘く、副露手が強くなると思っています。リーチで先制が取れなさそうな手やリーチのみ愚形になりそうな手は、はなからまっすぐな手組みにはせず、時にはメンツを落として守備力と和了ったときの打点を兼ね備えた役牌、混一色、清一色、対々和、チャンタといった副露手役に寄せた選択をすることが増えました。副露手にしているので、手牌は短くなるもののリーチで無防備になるということはなく、押し返しの強い玉の間で、これだけは!という牌は止めて降りるという選択もとれました。

 念のため書いておきますが、これはあくまで手が悪い時の話で、それ以外(というか大半)は真っ直ぐ牌効率通り進めてリーチを打つように進めています。あくまで、リーチのみ愚形の手順を踏まないような手組みの引き出しが増えたというだけであり、結局のところは地力で殴り続けるのが強いと思います。

 これらは玉の間最後の300半荘のスタッツです。前述した雀聖3期にさらに立直率が低くなっていた点については、玉の間で遭遇する多くの理不尽に抗うため、メンタルコントロールのために結果的にこのような数字になったのだと思います。玉の間最後の1500半荘の立直率が14.56%、ラスト300半荘で見ると12.58%にまで下がっていました。リーチを打たなくなると、他の人より和了不足・打点不足につながりますが、先制リーチが打てなさそうな手は、ギリギリまで高打点ルートを残した副露手を多用したり、点数状況を生かした立ち回りでカバーしていました。とにかくしょうもないリーチ(見返りが少ない手、点数状況や相手が速そう・ドラが多そうで押し返しが来そうな時、抑え付けだけのリーチ)を打たないようにして、分散を小さくして戦っていました。これは玉の間だからこそ成り立つ戦略だと思います。ちなみに私の鳳凰卓での立直率は通算840半荘で17.4%で、これは鳳凰卓平均より少し高いくらいの数値なので、雀聖3期の玉の間では本当に極端な選択をしていたんだなと思います。ただ、自分は特に麻雀のスタイルというものは無く、フィールドによって副露が増えたり、減ったり、リーチが増えたり、ダマが増えたり、それぞれの場面でできるだけより良い選択をするようにした結果、最終的にこのようなスタッツになりました。

 このラスは納得できない…という半荘が玉の間では多々ありました。熱くなることも何回もありました。それでもただ予約を押し続けていました。やることは変わらないですから。また、自分が打ってる時に、目に見えて分かる大きなミスをした時も、そのせいでラスになった時も、反省はするけど引きずることはありませんでした。これはもしかしたら自分がずっと鬼打ちをしていたことで、麻雀ならこういうこともあるよねと半荘が終わった瞬間にはドライに向き合えるようになってきたからなのかもしれません。地力があれば、あとはメンタル勝負ということになります。

 そして、2024年7月に天鳳八段、2024年8月末についに魂天に到達しました。天鳳八段は七段坂がそこまで長くないとはいえ鳳凰卓で少しだけ勝ち越した証でもあり嬉しかったですし、魂天は玉の間時代がとても長く、ようやくか…という気持ちでした。直近の1年間が個人的には最も伸びたなという実感があり(実際、2023年8月頭の時点での最高段位が雀聖2・天鳳六段)、段位戦で結果を出せてとても嬉しいです!


●最後に

 2024年の目標には天鳳八段と魂天を掲げていたのでとても達成感があります。次の目標はどうしようか今の段階ではちょっと悩んでいますが、天鳳九段にタッチすることになるかなと思います。今の段階では七段に降段する可能性の方が圧倒的に高いですが、実力を上げ、そして運に恵まれて到達してみたい段位でもあります。

 私も最初は雀豪〜雀聖をループするくらいの実力でしたが、強い方、様々な戦術・経験に関する動画・書籍と出会って、自分と比較した時に何が足りていないか、何が弱点かを見つけ徐々に克服してここまで来られたのかなと思います。とても環境に恵まれていると感じました。

 そしてもう1つ、私の場合、段位戦の鬼打ちがさほど苦ではなかったというのがとても大きく、とにかく数を打つことが上達に繋がったと思っています。ここまでの話でNAGAやmortalといった麻雀AIの話が1回も登場していなかったのですが、私はこれらのツールはさほど使っていません。AIに迷った局面を聞いて反省するというのももちろん大切ですが、数を打つことで身についた技術もあったのかなと思います。ネット麻雀には時間制限があるので、毎回じっくり考えて打つ余裕はありません。前半の微妙な損得判断に時間を使いすぎて、中盤以降、相手からリーチが入った時や副露合戦で場が煮詰まってきた時に、もう少し時間があったら放銃を避けられていた…となったことは誰しもあると思います。有限の時間をどの割合で何に対して使うのか。牌効率や押し引きだけでなく、実戦で遭遇するネット麻雀ならではの起こりうる事象にうまく対応できるようにしておくことも大切なのではと考えています。

 私のこれまでの様々な出会いや気づきのおかげでここまで導いてくれたように、この文章が誰かの"気づき"になってもらえたら嬉しいです。長文になりましたが、最後まで読んでいただきありがとうございます。



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