ちょうせんじょうにちょうせんだ。

ならざきむつろさんの企画
ものかきさんにちょうせんじょう。」 が面白そうなのでやってみました。

もとの文の言葉を少しだけ変えて、別の物語にするという企画です。
原文の言葉を別のニュアンスで使えるだろうか、と考えながら作ってみました。
(原文と比べながら読めば面白いかも)

 

 

タイトル「愛、みーちゃん、愛」(400字)

「みーちゃん、待った、待っただよ!」
首に巻かれたタオル。額に浮かぶ汗。叫ぶ僕。背中に乗りながら楽しそうに僕を小突いていたはずのみーちゃんが、突然タオルで首締めてきた! 
「お?どれどれ――」 
みーちゃんが私の顔を覗き込む。真っ赤な顔の表面にはっきりと血管が見えることだろう。 
「お、ギブだね」 
「ギブ!――って、何すんの!」 
ようやくタオルを解いたみーちゃんに、僕は怒る。 
「あちらの言葉ではアンモナイト、だったかしら」 
「アンモナイト?!どちらの言葉で!?」 
みーちゃんの知識に、僕は拳を握りしめながらジタバタした。酸欠で勢いがない。ふらふらだ。 
「あらあら、死なないでね」 
「だ、だったらなんでこんな……!」 
僕はそう言った。僕の言葉に黙したみーちゃんは、改めて僕の顔を見つめる。
サディズムが浮かぶ彼女の顔は、何かの絵画のようだった。 
「だって、好きだもの」 
みーちゃんが呟く。
僕は、再び首にタオルが巻かれることを所望した。 

 

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