「ファーストキスは蜜の味」

カブトムシが、私の部屋で待ち受けていた。
虫が大嫌いな私は、漏れなくカブトムシも大嫌い。そしてそんなカブトムシは、私の枕に鎮座していた。
立派な角をした、雄だった。
目が、合った。
彼はじっと私を見据え、四枚の羽を広げると、飛び上がって――。

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