不満を爆発させた保護者の対応方法がわからない。
学校の先生もびっくり!学童支援員100人に聞いた”仕事で困っていること子どもたちが毎日楽しく過ごしている学童を運営している私から、「心が軽くなるヒント」No. 8
何かあるたびに、爆発をしたかのように怒鳴る保護者に、どのように対応して良いのかわからず困っています。なかには、泣き出す同僚もいます。
人の持っている感情のなかで、“怒り”ほどエネルギーが大きなものはありません。そしてまた、その怒りスイッチの入力は、立場や資質によっても異なります。
怒りはどこからくるのかを考えていきたいと思います。
それは、一人ひとりのなかにある「理想」と「現実」の間に、大きなギャップが生まれた時に沸き起こってきます。
例えば、あなたがAさんに、“B”の仕事を頼んだとします。
Aさんは自分の仕事を抱えつつも、”B”をやり終え、頼まれていないにもかかわらず、あなたが「これもやっておいてくれたら嬉しいな」と思う“+α”をつけて返してくれたとしましょう。
同じように、あなたはCさんに“B”の仕事を頼んだとします。
AさんもCさんも業務量は同じです。
Cさんなりに時間を工面しながら、“B”の仕事を終えようとがんばったのですが、頼まれた日までに半分しか終わらせることができませんでした。
さて、あなたはAさんとCさんの仕事に、どのくらい満足をするでしょうか?
多くの場合、Aさんには満足をし、Cさんには不満を覚えるのではありませんか?
簡単に言うと、これが怒りのメカニズムです。
自分の頼んだことをやってくれないCさんに怒りを覚えてしまう。
あるいは、子どもたちと接する中で、「片づけをする」と約束をしていたとしましょう。片づけは、使ったモノを元あった場所に戻すことですね。
でも、ついつい、そのままか、あるいは別のところに置くことで、次の人が困ってしまいます。使おうかなぁ?と、思った時に、その場所にない時に、あなたは、どのように感じますか?
このような時に、怒りを覚える人が多いようです。
例えば、急いでそれが必要な時ほど、そのイライラって大きくなるのではありませんか?
それが、「その人への期待」と「現実」のGAPが大きいという意味です。
そのような視点でみると、「爆発をしたかのように怒鳴る保護者」とありましたが、この方は、あなたやあなたの組織に期待を持っているけれど、その期待が裏切られたと感じられているのではありませんか?
かつて、私もご利用者さまとの間で、考えの相違が起きたことがありました。その際に、こちらからの説明を繰り返してもご理解をいただけず、行政機関に仲介に入っていただいたことがあります。
働く人たちを守り、他のご利用者さまが快適にご利用いただく環境を提供する責任も、運営者にはあります。
この経験から、どんなにこちらが誠意ある対応に努めても、人間には限界があることを学びました。
その経験を活かし、私たちもどのような対応が誠実なのかを常に考え、いろいろな方のやり方を拝見したり、レクチャーを受けながら取り組んでいます。
また、近年問題になっている「虐待」という観点を取り入れることも大切です。これまで、あまり問題視されてこなかった子どもの前での大人の対応が、わが国でも注目をされはじめています。
子どもの前でけんかをしている姿を見せること自体が「虐待」の一つであるという考え方です。
この方のケースのように、預かっているお子さまが見ている前で、大人が怒っている姿は、子どもの情緒の安定という点においても、なんとしても避けていきたいところです。
どうしても、ご理解をいただけない場合は、行政機関や専門機関などにもご相談をされることをお勧めします。
各地方自治体には、「虐待相談窓口」も設けられていますので、ホームページで確認してみてください。
何よりも、私たちが心がけていきたいことは、相手とのより良き関係を築くことができるように、日々、小さな良きことを積み重ねていくことです。
人間は完璧ではありません。
だからこそ、一時を大切にしながら、心を込めて、目の前にいる子どもたちの成長にとって、何が良いのかを考え、取り組みながら過ごしていきましょう。
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