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パンドラの箱。現代にも希望は残されていると信じたい

昔むかし、ギリシャの神ゼウスに作られた美しい娘パンドラは、神々からさまざまな贈り物を授けられていました。ある日、パンドラは家の中で黄金の箱を見つけます。決して開けてはならないと言われていたこの箱をパンドラは開けてしまいました。
黄金の箱のなかには、病気、盗み、ねたみ、憎しみ、悪だくみなど、この世のあらゆる悪が閉じ込められていました。箱を開けたとたん、箱の中からありとあらゆる悪が、人間の世界に飛び散っていきました。あわててふたを閉めますと、中から弱々しい声がしました。
「わたしも、外へ出してください・・・」
「お前は、誰なの?」
パンドラが尋ねると、
「わたしは、希望です」
と、中から声が返ってきました。

この黄金の箱は、ゼウスの指示で初めての人間をつくったプロメテウスが残したものです。ゼウスは「人間に生きていくための知恵を授けてやれ。ただし、火を使う事を教えるな。火は、我々神々だけの力。人間に火を使う事を教えると、我々の手におえなくなるかもしれんから…」とプロメテウスに命じました。しかし寒さに震える人間を可哀想に思ったプロメテウスは、人間を信じて神の言いつけに背いて人間たちに火を与えました。それを知ったゼウスに殺される前に、人間界に悪が広がらないよう黄金の箱にあらゆる悪を閉じ込めたのです。そして、もしものために箱の底に希望を忍び込ませておいたのです。
プロメテウスは処刑され、その後ゼウスは、職人の神へパイストスに命じて、この世で一番美しいパンドラをつくらせました。そのパンドラが見つけた箱こそがプロメテウスが残した黄金の箱です。
こうして人間たちは、たとえどんなひどい目にあっても、希望を持つ様になったのです。

ウクライナに希望はあると信じたい。

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