【紹介】『水甕論考の歩み』(水甕社)
今さらのように紹介。
http://blog.rikkasyorin.com/article/63735984.html
2013年の刊行。水甕社百周年記念出版です。尾上柴舟さんをはじめとした豪華メンバーによる論集アンソロジー。
もくじ
私の興味はもちろん「I」の部分です。
加藤將之さんの文章には、石井直三郎さんが出てきて、六高短歌会の人脈が水甕初期にはいたという話題が出ます。加藤將之さんといえば八高短歌会な訳ですが、そちらの話はまったく出ません。残念。
初期メンバーには「ミズガメ」と読まない派閥があったことがわかります。今となっては「え、なんで?」という感覚ですが、「そうだったのかー」という部分。
「II」の短歌滅亡論の章も興味ある方は多いのではないでしょうか。戦後ではなく明治時代末の短歌滅亡論です。
歴史ある結社はその時々で雰囲気が変わり、外部の者からすると「どういう結社か」はイメージしづらいところがあると思います。
こちらは結社史の本ではありませんが、創刊からしばらくの雰囲気、どういう人たちがいたのかがコンパクトにわかる1冊です。
水甕社は公式サイトも記事が充実。
http://mizugame100.web.fc2.com/
「水甕」の時評は「作品時評」と「歌壇時評」に分かれています。「作品時評」は広くきちんと読むことを要求される記事で(通常の時評もそうなんですけど)、読むのはいいけど自分は絶対やりたくないやつです。2015年の分から読めます。こちらもぜひ。
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