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国会図書館臨時休館つづき(20200305)

 短歌関係に絞っての対応を考えます。

国会図書館臨時休館(20200304)|花笠海月|note
https://note.com/klage/n/nc7d9127cccfb

のつづきのようなものです。

 「図書館で漫然とながめたい」というのは現状ではむずかしいので、まず「何を見たいのか」を確定させます。できない人は自宅蔵書で17日までしのいでください。

(1)何を見たいか確定させる
(2)開館している図書館での所蔵さがす
(3)ない場合は複写を依頼

 という手順になります。

(1)何を見たいか確定させる

 王道の確定方法のみです(知っていそうな人に尋ねるなどのチート技もありますが除外します)。

 まずネットの検索です。

 国会図書館の検索にて主要総合誌の目次が検索できます。
https://www.ndl.go.jp/

 ここでひっかからなくても、他の検索(CiNiiや一般の検索エンジン)でひっかかることもあります。googleでひっかからなくてもyahooでひっかかることもあります。

CiNii
https://ci.nii.ac.jp/

 次に、図書館・文学館にレファレンスをかけることができます。機械でできないものを人力でやるということです。

 「漫然とした質問には漫然とした回答しか出ない」というのが基本です。

 図書館へのレファは、少なくとも短歌の評論を書こうというレベルのものはかけられないと思います。所蔵していることがわかっている資料の、目次レベルの確認ならば可能だと思いますが。

 こちらが検索してもひっかからないものでも、図書館が有料サービスに登録している場合などはちがうものが出てくる可能性があります。「何年以降、××について書かれた文献を知りたい」などの問合せは、局面によっては有用です。

 専門の文学館なら結社誌レベルの質問もできると思います。職員さんの負担にならないよう小分けにして質問しましょう。検索でだいたいのアタリがつけてからです。
 「自分だったら本が手元にあれば30分以内だな」という作業量までしぼりましょう。その場合、知識のない人は1時間かかりますし、出納や回答文書作成の時間が加わります。開館時間でできる作業は限られています。あまりに多い場合は断られると思います。レファレンスは基本無料ですが、できないことは「できない」という回答になります。

私の考える不可能例
「××さんの結社誌掲載の歌が読みたい」
私の考える可能例
「×年から5年の間に、貴館所蔵の「△」という結社誌で××さんが文章・短歌作品を掲載した号を知りたい」

 みたいなイメージです。

 在籍時期、結社誌名を絞るのはこちらでやるべきです。刊行頻度にもよりますが、期間も数十年とかではなくある程度区切ってやるべきでしょう。区切った期間のなかでの執筆状況から、次のレファ内容を作成しましょう。欠詠の多い人だったら次のレファは10年にしてもいいかもしれませんし、他のところに書いてないか(結社内の別媒体、総合誌、地元結社誌など)の調査を優先させたほうがよいかもしれません。
 レファレンスは1度で解決できることはまれです。目的のものが出てくるように、角度を変えて何度かレファかけます。時間がかかるのは当然なので、NDL代替としてならば早く調べられるように質問内容を練りましょう。

 レファ先がメール、FAX、郵送のどれがメインの館かを知っておくことが大事です。
 「今時メール対応していないところがあるのか」と思われかもしれませんが、普通にあります。環境として可能でもセキュリティや謎ルールにより「郵送のほうが早い」という場合もあります。
 FAXは使える場合と使えない場合があります。FAXはNGの館もあれば、FAXで質問を送ってから電話すると早い館もあります。

(2)開館している図書館での所蔵さがす

 詩歌関係だとこのあたりかな。

閲覧室開館(展示は休室の場合があります)
日本近代文学館
https://www.bungakukan.or.jp/
https://twitter.com/bungakukan
日本現代詩歌文学館
https://www.shiikabun.jp/
https://twitter.com/shiikabun
古今伝授の里フィールドミュージアム 短歌図書館大和文庫
http://www.kokindenju.com/
大和観光協会
http://www.gujoyamato.com/index.html
※ 3月5日お昼ころ見たところ「古今伝授の里フィールドミュージアム」の公式サイト が落ちていました。紹介のある「大和観光協会」のサイトを記載します。電話にて確認したところ、「通常どおり開館」とのことでした。
http://www.kokindenju.com/
→ 3月6日に確認したところ、サイトが復活していましたので修正。
未確認
角川ライブラリー
※総合誌は新しいものしか読めないけれど角川書店の歌集は割とあります。
http://www.kadokawa-zaidan.or.jp/siryoukan/about/
休館
神奈川近代文学館
https://www.kanabun.or.jp/
https://twitter.com/kanabun_PR
土屋文明記念文学館
http://bungaku.pref.gunma.jp/
https://twitter.com/Bunmei_bungaku
さいたま文学館
http://www.saitama-bungakukan.org/
https://twitter.com/saitama_bungaku
国会図書館臨時休館(20200304)|花笠海月|note
https://note.com/klage/n/nc7d9127cccfb

 冒頭でもあげたこちらの記事を再掲。普段使っていない図書館や図書室の存在が全面に出ていない施設などで使えそうな場所を探しましょうという内容です。

(3)複写を依頼する

 レファレンスをかけたところで複写可能だと判断したら、依頼時に「該当箇所のコピーをお願いします」と書き添えます。回答文書が不要になる場合は館にとってもメリットあります。
 複写したい箇所が「該当箇所と目次、奥付のコピー」など別パターンもありますので、「複写はできますか?」「複写を考えていますと書き添える」などに留めておいてもよいと思います。そうしたら、館側は追加の依頼が来るまで棚に戻さずにおくなどの対応ができます。

 文学館によってはコピー料金が高額だったりもしますので、レファかけた結果を国会図書館の遠隔複写でコピーするほうがいいということもあります。

 探索範囲や規則によるコピー条件についての説明など電話で確認されることがあります。
 国会図書館でも不明な部分がある場合は確認の電話がくることがあります(指定範囲の矛盾など)。
 依頼手段に関わらず、電話での連絡ができるようにしておかないと、手間や時間が増えます。

短歌関係以外

 ここからは雑談。

 大宅壮一文庫が開館中です。一般雑誌を見たい場合はこちら。ただし、国会図書館とちがって有料です。

 古典関係だと国文研が展示を中止して予約制に。古典籍以外の所蔵もあります。所蔵していると思われる紀要類を見たい人などは考えてもいいかもしれません。
 古典籍は元から予約や紹介状が必要なところが多いのでNDL以外はだいたい通常どおりやっているようです(大学の付属機関は図書館同様入試期間に点検作業を行うところがあるので注意が必要)。
 東京国立博物館の図書室も休館だけど予約制の貴重書の閲覧は通常どおり。国立の施設で通常どおりなのは、トーハク貴重書予約とNDL関西館だけではないだろうか。
 静嘉堂文庫は美術館休館のアナウンスがあったきりなのだけど、文庫も同様なのかは不明。元々紹介が必要な施設なので、休館期間中に閲覧予定のあった方は連絡行ってると思います。


 新聞を見たい人が一番困っていると思います。新聞はNDLも館館貸出しが不可能。しかも明治新聞雑誌文庫が1月から長期休館中(前から予定されていた耐震工事のため)。

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