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百首会のこと(今後のために)

※このトピックは百首会開催・参加に興味がある人のためのものです。

 百首会とは「一晩で百首つくるイベント」です。

 ↑以外のルールは基本的には存在しませんが、それだけでは参考にならないので、私の考える百首会について書きます。


●場所 

 一晩で百首つくるには、時間が必要です。宿泊施設でなくてもよいと思いますが、12時間以上(時間については後述)すごせる場の確保が必要です。
 短歌をつくるだけで体力は尽きるので、ついでに観光したい場合は集合前がよいと思います。温泉宿が定番のような気がします。いきづまった時に気分転換の散歩ができるところだとよりよいと思います。
 夜中すぎまで作業するので他の宿泊客との距離は大事です。

 先日、はじめて都内で行いましたが、各自の都合でバラバラに集合もでき、ないものがあってもすぐに買えるのは便利でした。都会(もしくはちょっと郊外くらい)の百首会は案外よいのではないでしょうか。
 交通の便がかぎられているところだと、前後も一緒にいてダラダラしゃべったりできるので、それはそれで楽しいです。

 作歌は心身の調子、その他によって変わるので御参考程度のものとして受け止めていただきたいのですが。
 先日の百首会では10~26時間くらいで皆の作成が終了していました。なので、10~26時間くらい歌を作れる場所の確保が必要ということになります。
 宿泊施設はだいたい夕方チェックイン・午前中チェックアウトなので20時間以上滞在できるところは少ないです。足りない分をどう補うか。ルールで対応するのか、宿泊場所以外の場所をおさえるのか。想定しておくべき点だと思います。

 時間というより「百首つくる!」という気持を持って移動したり、人と会ったりしたことが歌の作りやすさにつながったという意見も(要約なのでニュアンスちがっていたらすみません)あったりしたので、どのメンバーでするかのほうが大事かもしれません。あくまでも時間とそれに伴うもろもろについては御参考程度の話題ということで。

●流れを決める

 私が過去に参加したものは「つくりおわれば寝ていい」というものでした。24時までで切るというルールのところもあるようです。百首作成をめざすか、睡眠を守るかー何を重視して進行するか共有しておきましょう。

 つくった百首をどうするかも大事なところです。
 私の経験だと25行詰めの用紙に手書きしたものの現物を回覧し、好きな歌があったら印をつけていくくらいでした。朝はもうアタマがまわっていないし、チェックアウトの時間もあるので、これくらいでいいと思っていました。
 このパターンで必要なのは「紙、筆記具」のみ。

 今回は各自の手元に残るようにしようという意見があり、チェックアウト後に場所を移して相互評を行いました。これをするかしないかで会場・持っていくものがおおきく変わります。
 この場合必要なのは「作歌時に必要な道具」+「PC類」となります。
 ケータイからでもコンビニ印刷できるデータは作成できると思いますが、効率的でないと思います。普段からそれで作成している人はそれでもよいかと。

●幹事のやること

・会場の確保
・↑の連絡
・集合、流れ確認(掲示板などを利用するのならそれを用意する)
・買い出し関係とりまとめ(店が限られている場所での開催の場合。都会は事前に考える必要はないと思います。)

●参加者のやること

・作歌に必要な道具の持参
・プリントアウトする場合はそのための道具

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ついでに。

 百首会の歴史みたいなのはちょっと調べてみましたが、見当たらず。

 「百首」という区切りは院政期に出てきていて、百首献上の記録があります。

wiki「百首歌」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BE%E9%A6%96%E6%AD%8C

 このあたりでナントカ百首というまとまりで発表するのがはやります。
 定家の年譜を見ると「二夜百首」などの言葉が出ており、「九条家百首会」というものが「伝統」と記されたりしているので、一晩でひとり百首かどうかはともかく、百首つくるイベントとしての「百首会」が成立していたと思われます。

 室町時代になると荒木田守武の「世中百首」が出ます。これは一晩でひとりが作成したものです。歌人じゃないじゃんと思われますが、連歌はナントカ千句、ナントカ百韻という長大なものがめずらしくありませんから、どんどんつけていくタイプの製作が普通で、それが量産につながっていたのだと思います。

 そして話はいきなり近代にとんで、新詩社(「明星」)で「一夜百首会」という名前での開催が記録されています。晶子、鉄幹、啄木などが参加していたようです。

 百首会は現在はすたれていたとしてもかつては皆やっていたと思っていたけれど「かりん」の大井さんに聞いてみたところ「聞いたことない」という話でした。結社によるのでしょうか。
 近年(ざっくりここ百年くらい)の百首会情報をご存知の方がいらしたらおしえてください。
 
 
 こちらもあわせてお読みいただけると。→ 百首会のこと(実録編)


#百首会

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