見出し画像

山城周さんの「祈りがち」

 怪獣歌会のアドベント企画のリレーエッセイを楽しく読んでいました。そのうちのひとつ「祈りがち」(山城周さん)を読んでちょっと考えてしまった。

・「祈りがち」(山城周さん)
https://note.mu/quaijiu/n/n6d62e6c3c8dc

・アドベント交換日記2018(怪獣歌会)
https://note.mu/quaijiu/m/m22792bfa5b7b
 
 
 わが家は祖父の代から二代つづくキリスト教家庭である。
 私は受洗していないので三代ではない。子供時代は教会に連れられてかよっていた。あえて私の立場を考えて言葉にしてみると、キリスト教よりの無宗教だろうか。
 信仰に厳格な家庭だった訳ではないが、省略できるものは省略する家だったので、七五三もやってないし、初詣も大人になって友人に誘われて行った1回だけしか行ったことがない。

 山城さんが書かれたなかで気になったのは、教会等へ行って拒まれたという体験だ。宗教を信じる気持がなくても祈る気持があるのにダメなの? 外見で判断できるの?という疑問。

 これを読んでそうだなあ、外見では判断できないよなーと思いつつ、私の知っている教会だったらどうしたかなと思う。日曜の礼拝※の前の時間だったら(皆が入っていくのでついていったと仮定)、おそらく誰かが「はじめてでいらっしゃいますか?」と声をかけるだろう。
 そこで「祈りに来ました」と言われたらどうだろう。この仮定では礼拝堂は使う予定アリだ。「礼拝の時間ですので一緒に礼拝に参加しましょう」って誘うことになるかな。

※ ミサ、礼拝、聖餐式あたりは教会によって(宗派か会派、団体で決まってるかもしれないけど私の知識では不明)呼称がちがうので、とりあえずここでは「礼拝」とします。

 とはいえ、礼拝の時間は教会によってちがうので、そう都合よく開始前には行けない。礼拝の時間外の開放基準も教会によってちがう。
 思い立ったらいつでも祈りに行けるのが理想だけど、24時間出入り自由な都会の教会は少ないのではないか。出入りの制限については掲示している教会は多い(サイトに明記してあるところもあります)。牧師館に声かけてくださいとか、×時から×時は開放してますとかいろいろ。

 基本、教会は地域の人のためにある。どんなに観光化されているように見える教会でも、所属している人は固定です(教会籍や洗礼の有無は関係なくです)。一種の人力SNSで、洗礼の有無は課金メンバーと無課金メンバーみたいなものか。はじめて来た人、久しぶりの人は皆の前で紹介される。部外者はすぐわかります。

 私の感覚だと「MY PLACE」の人たちは自明で、「その教会に所属している人」になる。
 とはいえ一見さんもいるのでは?と思われるかもしれませんが、だいたい紹介か問合せがあって入ってくるので、とびこみの一見さんって「想定外」だと思います。いきなり入ってきた人がいたとしても、誰からも声もかけられず、祈るだけ祈って帰るということはできないのではないかと思います(教会の人しかいない時間に開放されている礼拝堂に入ってひたすらお祈りのポーズをしていたら可能かもしれない)。
 そのへんにある教会ならば、中からは外の見分けがついていると思います。山城さんの書かれたような観光化された教会や巡礼者の多い教会だとどうやって見分けているかは私も謎ですが。

 外国に行く時はどうするのか。これも私が実家にいたころの記憶で書きます(今はネットがあるので違うと思います)。
 まず基本は「ホテルのフロントに「礼拝に行きたい。××(宗派・会派等が入る)の教会を紹介して」と相談して教会を紹介してもらう」。キリスト教がある程度広まっている国ならこれでいけます。
 元から日本にある教会の司祭さんなり牧師さんなりが知っている教会の訪問が旅程に組み込まれることもあり、その場合はその人が紹介してくれます。
 ちなみに信者であるウチの親は「旅行中は礼拝は省略」(つまり誰にも紹介を頼んでいない)(日曜の教会には近寄らない)でした。
 キリスト者といえども普段行かない教会で礼拝に参加したければ、部外者、とまではいかなくてもつきあいのない親戚の家に行く程度の手続きはするのです。

 なので「部外者は入っちゃダメは不思議なことなのか」というのが感想でした。
 
 
 ここからは山城さんの書かれたことからずれます。
 
 
 「誰でも来ていい」「新しい人に来てほしい」が建前なのに、いざ来ちゃうと塩対応だったり、対応しきれずにいたりするのって歌会に似ている、と思いました。

 「キリスト教に親和的でありながら信者じゃない」と「短歌を好きだけど無所属」も似ているのかもしれない。

 ……などど考えました。単なる連想なので結論はありません。


 これを公開して、山城さんにも山城さん以外にも意味がある文章とは思いませんが、考えるのにつかれたのでポチッと公開します。しました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?