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歌葉叢書リスト(仮)

(まえおき)

 先日のイベント後、「歌葉叢書」の話題になりました(「今読めないねー」くらいの内容です)。「今どれだけ現物にアクセスできるのか?」という疑問があり、検索してみました。「現物」と書いたのは、googleブックスに登録あるものが多いので、さわりくらいはネット上でわかるものがあるからです。

 歌葉叢書というのは「歌葉」という企画に付随して存在したオンデマンドの歌集レーベルです。

 歌葉叢書に関わるできごとをあげます。

20010125
サイト「歌葉」オープン。歌葉叢書刊行開始。
20020308
1周年記念として第1回歌葉新人賞募集開始(~2006年)。歌葉叢書での歌集刊行が賞品だった。
20130418
「歌葉」終了。歌葉叢書既刊分のオンデマンド受注のみbooknestに移管。
20160331
booknestのサービス終了に伴い「歌葉」レーベル消滅。

 こんなところだと思います。「歌葉」の全容を知りたい人は適当に検索してください。

 検索した範囲では37冊刊行されていたようです。
 私は一応、リアルタイムで最初と最後のお知らせを読んだはずですが、途中で何が出たのかというのはすっかり忘れています。記憶で書きますが、終了の時点で何冊かは購入できない状態だったと思います。これらは作者の意思による絶版ということになるかと思います。


 検索してみたら、国会図書館に16冊、詩歌文学館に31冊ありました。
 国会図書館に行っても読めるのは半分以下で、北上まで行かないと全容に近いところまで行けないというのは不便なような気が。

 両館共に納本・寄贈されていないのは4冊です。この4冊については検索できない場所で探さないといけません(古今伝授の里や地元図書館に寄贈等のことがないかぎり個人蔵書ということになると思います)。

 著者の方、関係者の方で二館に蔵書ない本をお持ちの方は、ぜひ国会図書館と詩歌文学館に送ってください。私があげた館以外のどこかでもいいので「読みたい」という人がアクセスできる場所に所蔵されるようにしていただけると後々の人が助かります。よろしくお願いします。

 ……と書きましたが、「今となっては別に読まれたくない」という方もいらっしゃると思うので、できる範囲でできる方がというのが望ましいと思います。
 世の中には消えたレーベルはたくさんあるので、今さら1つくらい忘れられてもよいのではないかというのも思わないこともないのだけど、記憶のあるひとりとして検索によるリストをつくってみました。

国=国会図書館に蔵書あり
詩=詩歌文学館に蔵書あり

 という意味です。「□」はスペースだと思ってください。

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歌葉叢書リスト(仮)

20190618

国 詩 01 200101 イージー・パイ 加藤治郎
□ 詩 02 200101 たった今覚えたものを 玲はる名
国 詩 03 200101 林檎貫通式 飯田有子
□ 詩 04 200101 Br 臭素 勝野かおり
国 詩 05 200101 キマイラ 村上きわみ
国 □ 06 200108 火の器 榊原敦子
□ 詩 07 200108 港のヨーコを探していない 五十嵐きよみ
国 詩 08 200201 二十歳の頃の我に向かいて 佐藤彰子
国 詩 09 200202 タフ・クッキー 中原千絵子
□ 詩 10 200202 帆を張る父のやうに 松平盟子
国 詩 11 200203 フォルム 武下奈々子
□ 詩 12 200207 麗しき日日 井上敦子
□ 詩 13 200207 ヘヴンリー・ブルー 早坂類 入交佐妃
□ 詩 14 200210 虹の片脚 佐藤理江
国 詩 15 200304 木曜日 盛田志保子
国 詩 16 200305 アポヤンド 妹尾咲子
国 □ 17 200305 ぴりんぱらん 増田静
□ 詩 18 200305 きりんのうた。 ひぐらしひなつ
□ □ 19 200309 アンダンテ 富田順子
□ 詩 20 200404 体力 河野裕子 結城文 アメリア・フィールデン
□ 詩 21 200404 晴れのち神様 田丸まひる
□ □ 22 200400 ユメタタライスズ2013 アストラ弥
国 詩 23 200407 シャウト 大橋麻衣子
□ 詩 24 200605 七月の心臓 兵庫ユカ
□ 詩 25 200407 渡辺のわたし 斉藤斎藤
国 詩 26 200409 旭川発 伊東よしみ
□ 詩 27 200410 水管楽器 岡田美香子
□ 詩 28 200503 5メートルほどの果てしなさ 松木秀
□ 詩 29 200606 バラッド 宮野友和
国 詩 30 200610 指を捕らへよ 河村奈美江
□ □ 31 200711 短歌、BLOGを走る。 五十嵐きよみ
□ 詩 32 200612 路程記 野樹かずみ
□ 詩 33 200801 ひとさらい 笹井宏之
国 詩 34 200612 ホワイトライズ 槌谷淳子
□ □ 35 200711 猫とピストル 萩原健之
国 詩 36 200908 ゆっくり、ゆっくり、歩いてきたはずだったのにね 辻井竜一
国 詩 37 201205 日本の中でたのしく暮らす 永井祐

※検索によるリストなので、現物にあたったら違う可能性があります。なので「(仮)」としました。
※発行月が「00」になっているのは不明本。
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(感想)

 『帆を張る父のやうに』(松平盟子)は季節社、筑摩全集、歌葉と3回も刊行されているのに、現役本なし。国会図書館に入っているのが筑摩だけ。
 筑摩の『現代短歌全集 第16巻』に入ってなければ、ぜんぜん参照できないところだった。あぶないあぶない。

 叢書番号と発行日は順接的関係にはない。予定順の刊行ではなかったことがこれでわかる。関係者の苦労が垣間見えます。


 おぎはらさんにお尋ねすればすぐに正解を得られると思うのだけど、後の人たちがどこまで追えるのか、アーカイビングは後からでも可能なのかというのを試したい気持があり、ひとりで検索でやってみました。

(お願い)

 リストの6ケタ数字の下2ケタ部分が「00」になっている本の発行月をご存じの方はお便りください。
 またリスト中、まちがいあったら教えてください。



(更新記録)

20220622
20220607に高城顔面様( https://note.com/takagiganmen/ )より『短歌、BLOGを走る。』の発行日「2007年11月1日」を御教示いただきました。記事に反映させましたが、年月の6ケタ表示のため日にちは省略しております。ありがとうございました。

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