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一院制シーズン、総"精"算

◆はじめに

こんにちは。れんれんPです。本記事は「一院制論題感想戦 Debate Advent Calendar 2021」の28日目になります。

僕は「うに、猫、枝豆。」チームで出場させていただいたのですが、実は議論に関する丁寧な論考はパートナーのえだまめ君のこの記事にて、

我がチームが"爪痕"を残したデンマークのエビデンスのさわりと、JDAシーズンに出る意義に関するお話は同じくパートナーのざくざく(うに)さんのこの記事にて、

既に掲載されており、正直私が書くような事はなにもなく…

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(参考:デンマークのエビデンスが発掘された瞬間のdiscordの様子)

それで、どういうテーマで記事を書いたものかなぁ、と思ったのですが、パートナーと話している中で、「そういえば今シーズンって結構お金使ったよね?」という話になり、1シーズンにかかった費用についてざっくり振り返りつつ、皆様にお役立ていただけそうなサービス等をお勧めするのも良いのかなぁ、となり、筆を取ることといたしました。

 背景情報をいくつか足しておきますと、私のチームは社会人×2(ざくざくさん、そして社会人1年目の僕)と大学生×1(大1のえだまめ君)の3人という構成であり、かつざくざくさんも私も仕事が多忙な業種の為、今回は比較的「課金して解決する」タイプの選択を多くしております。例えば、国会図書館に訪問して資料を印刷する、という手間を、直接本を買ってしまって家で読む、という形に解決したりしています。

 また、これは完全に僕の趣味ですが、ディベートの成績と直結しないと思しき、いわゆる「福利厚生」にそこそこの支出をしています。ですので、単純にディベートシーズンを回すうえでのコスト面という意味では下記に記載する額よりかなり少なくなるであろうことをご了承ください。

 そして、(当たり前ではあるのですが)今シーズンの経費は全て社会人だけで清算しております。23歳の自分が言うのもアレですが、若い世代の活躍がディベートの未来を支えますので、大学生には伸び伸びとディベートに取り組んでもらえたらな、と思っております(実際、自身も学生の頃には同様の理由で諸先輩方に様々ご負担いただきましたし、社会人になった今でも先輩方には良くしていただいております。ありがたい限りです…)

というわけで、前置きはこのくらいにして、本稿では

・JDAシーズンの出費/サービス利用項目
・JDAシーズンの福利厚生出費項目
・JDAオンライン化による出費項目の変化

の3点について書いていこうと思います。

◆JDAシーズンの出費/サービス利用項目

練習試合用会議室(1万円×3回)

オンラインの練習試合が多く、日々の相談もdiscordで行う事が多かった為、シーズンを進める中で「ここは一回顔を合わせて相談した方が良いな」「この練習試合はリアルでの連携を確かめながらやろう」と思った回で利用しました。会場は基本的に会社の勤務先の福利厚生を活用したものでしたが、ソーシャルディスタンスを保ちながら3人で試合に参加するには十分な広さとなっていました。

特に今シーズンは肯定側が何かと苦しいことが多く、Caseの行き詰まりを感じるタイミングで顔を合わせて相談することが多かったです(Caseの行き詰まりの様子は冒頭掲載のえだまめくんの記事をご参照ください)。対面の方がミスコミュニケーションが少なく、相談しやすいと感じています。

前泊/本番用ルーム(2泊で5万円)

今回、我々のチームは同じ場所に3人で集まって本番を迎えました。理由としては「通信環境」(誰かが落ちた時のリカバーのしやすさ)、「寝坊リスク」、「直前での議論の詰めやすさ」(同じ建物に泊まっていれば起こせる)、「試合中のスムーズな意思疎通」あたりが要因だったのですが、結果としてはコレが最も満足度の高いサービスだったかな、と感じています。

我々は大会前日16時に現地に行き、Kやら0院CPの対策を深夜2時頃まで詰め、大会に参加し、そのまま当日夜はそこでケータリングして打ち上げ、一泊…という、甲子園を思い出すかのようなスケジュールで動いていました。2立というだけで議論の幅が広いのに、最近は政策形成パラダイム以外の議論も出てきており、要求される準備の幅・質がますます上がっているように感じますね…

本番用マイク(7000円)

大会前日、本番用環境でチェックしてみたところ、声が聞こえづらいことが発覚。蓮池個人がRazer好きなのもあり、購入しました。こちらのマイクはUSB接続可、単一指向性、なのに6000円台と非常にコスパが良く、プライベートでも良く友人にオススメしています。オンラインディベートをよくやられる方は是非1台購入してみてください。ちなみにこのマイクは大会終了後えだまめ君にプレゼントしました。全日本のfinalで使ってましたね。

本/Kindle(新品・中古込総計41冊/総額約5.5万円)

コロナ禍でもあり、ディベーター愛用の国会図書館には入館制限がかかっていました(事前抽選、平日は仕事の時間内までの営業)。えだまめくんの通う大学図書館等で資料を取ってもらったりもしましたが、回収までに時間がかかりそうな資料は、思い切って購入することに。自身が学生だった頃は高価な政治学の本を購入するのにやや抵抗感があったのですが、社会人になると気軽に本が買えるのは良いですね…。毎週木曜夜のチームの打ち合わせ中に、「あ、この本良さそうだね、買っとく?」と軽い感じでポチっていました。特にkindleだとエビデンスとして文字化する手間も省けるため、便利ですね。

ちなみに、今期購入した本の中では、中島誠先生の立法学のテキストが参考になりました。

国会図書館(2回、計3000円)

前述のように書きつつも、なんだかんだ2回ほどお世話になりました。基本は雑誌論文方面の回収です。

英語翻訳サービスQlingo(1万円×2ヶ月)

ここ数年、JDAでは和訳エビがもはや標準装備と化しており、今期論題も諸外国のシステムを参考にすることが多いだろう…ということで、契約。DeepLでも良かったのですが、pdfをそのまま翻訳させたいのと、DeepLは長い英文への翻訳能力がたまに怪しいと思うことが(個人的に)あったので、サブスクしてみました。

使った感想としては、論題固有の単語を予め登録しておくことでかなりスムーズに使えるようになっていたのが便利でしたね。例えば”unicameralism”(一院制)のような専門単語もそうですし、"house"も本論題では100%「議会」という意味ですので、そういった単語の登録によって作業負担を軽減することができました。とりあえず片っ端から英語のpdfを拾って、pdfを登録して、訳文が出てきたら読む、という形です。

ただ、日本語訳したデータのうち、どれを読んで、どれを読んでなかったっけ…というインデックスをサービス内でつけられなかったのが少し不便だったのと、今期論題ではそこまで英語エビが必要にならなかったこともあり、多少割高感は感じてしまいました。英語エビ全盛シーズンになったら採用を検討してみてください。

discord/dropbox/zoom(0円?)

最後に今期のチーム運営につかったインフラ群です。チームの連絡はdiscordで対応。内容別に板を分けられるのと、シームレスにVCで意思疎通ができるのが便利でした。

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資料はdropboxとwordで管理。僕自身がwordでブリーフを作りたい派なので、毎回この形にさせてもらってます。

試合で使うzoomについては、大学生は時間制限なしのMTGをホストできるということで、えだまめ君に設定してもらっていました。

上記サービスはいずれも普段からプライベートで課金してあるものなので、出費項目扱いなのかは若干怪しいのですが…プレパ環境のご紹介、という事で。


◆JDAシーズンの福利厚生出費項目

ここからは勝敗とは関係ない個人の趣味領域です。僕個人は毎シーズン、パートナーにとって良き体験/思い出になるようなシーズンにしたい、と思っているので、可能な限りこの分野へのお金は惜しまないようにしています。

チームTシャツ/マグカップ(???円)

今期のチーム名はえだまめ君が考えてくれたので、このほんわかした感じのチーム名にあうグッズかなんかをつくりたいなぁと思い、元ディベーターで高校時代の後輩でもあるあをもみじ君にキャラクターを書いてもらいました。

すばらしい絵をいただきました。感謝!

あとはそこに僕がテキストデザインを足して、マグカップとTシャツを作っています。

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(マグカップの周面デザイン)

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(Tシャツ表。裏はキャラクター)

試合当日は全員でコレを着て試合に出ていました。僕のわがままを聞いてくださったパートナー両名には感謝でございます。

DCSでグッズを作ってても思うのですが、やっぱりこういうモノって、ふとした時に再び発掘して当時を懐かしんだり、ディベートへの思いを強めたりしてくれるので、個々人のディベートとの関わりをつなぐ、という側面では、結構大事だとは思ってるんですよね。

食費(打ち上げ代など、累計???万)

食は人生を豊かにする。

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JDA終了後、試合をした場所に他の高校/大学生出場者を呼んで打ち上げていました。

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こっちはチームの打ち上げ。大変美味しいお肉でございました。

◆JDAオンライン化による出費項目の変化

 最後に、今回のシーズンを通じて、自身の出費項目の変化と感想を少し。

まずは何より、場代がめちゃくちゃ増えたな、と思いますね。今までは全てオリセンで済ませていたので、その差が大きく…

一方、自身が学生(阪大にいました)だった頃は、2週に1回のオリセン練習会の為に新幹線やら夜行バスやらで往復していたことを思うと、トータル出費としては本代と福利厚生費以外はさほど差がないのかな、と思ったり。逆に言えば、大学時代は1シーズン6桁ほどを当たり前のように自身は出費していたため、このコストをかけずに大会に出られる、という意味で、地方の学生の皆さんはオンライン化の進む今こそJDAに出てほしいな、と思うばかりです。


というわけで、ダラダラと今期の清算をして参りました。今回の記事は、恐らくディベート界では初?のまとめになる気はしますが、他の皆さんがシーズン中にどんなサービスを利用していたのかとか、本をどれくらい買っていたのかとか気になりますね。

そして、こんなに色々贅沢なことができたのも、今期パートナーのざくざくさんとえだまめ君のおかげです。お二方への感謝、そして対戦相手、ジャッジ、大会運営の皆様への感謝を添えて、本記事を結ばせていただきます。


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