地球の成り立ち(14)
前回に引き続き、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)をもとに、地球の成り立ちについて述べてみたいと思います。
現在の地形が出来る前の超大陸「パンゲア」が分裂し始めて、約2億5000万年ほど経った、約4300万年前、地形の大変動が起きます。当初、パンゲアは、北方面を中心としたローラシア大陸と南方面のゴンドワナ大尉陸に分裂します。
そして、南極のあったゴンドワナ大陸からアフリカがまず離れ、南アメリカ、マダガスカル、スリランカ、インドなどが離れていき、最後にオーストラリアが離れていきます。
そして、ゴンドワナ大陸から離れて北上していたインド亜大陸がユーラシア大陸にぶつかります。ぶつかった後も、インド亜大陸は、ユーラシア大陸のプレートの下にもぐり込むかたちで、さらに北上します。
両方の大陸の間にあった海が、少しずつ少しずつ盛り上がり、山をかたち作っていきます。そうやってできたのが世界の最高峰エベレストを含むヒマラヤ山脈です。
ちょっと、話がずれますが、日本にも同じような現象がありました。現在の伊豆半島を含む伊豆諸島はもともと日本列島とは別の島々でした。それが北上し、インド亜大陸と同じように日本列島にぶつかって、くっついたのです。従って、伊豆半島のプレートとぶつかったユーラシア大陸から離れた日本列島のプレートは今でも違うプレートが重なり合っています。そして、この時、できあがった山々が丹沢の山々です。伊豆半島や伊豆諸島で起きる群発地震は、こうした構造の影響で起きています。
さて、ヒマヤラ山脈ができたことで、地球の気候が変わります。東京を含む中緯度高圧帯という地域(緯度35前後の地域)は、もともと高気圧が常時数個ある地点で、非常に乾燥しやすく砂漠化する可能性の高い緯度地域だそうです。地球上の砂漠の多くは、この地域に存在しています。
ところが、ヒマラヤ山脈ができたおかげで、モンスーン(季節風)が吹くようになり、その通り道であるアジア地域は湿潤な気候となりました。そのため、稲作が発達します。東京も例外ではなく、もし、ヒマラヤ山脈ができなかったら、他の砂漠と同じように乾燥した地域になっていたのかもしれません。
私たちは、ヒマラヤ山脈ができたおかげで、自然豊かな地域に暮らせているのです。
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