文学フリマ

 この間の休みに、初めて文学フリマへ行ってきた。三浦しをんさんの「星間商事株式会社社史編纂室」という小説で、主人公が社史を作るかたわら、文学フリーマーケットに出展する小説を書き、冊子にまとめていく作業が描かれているのを読んで、一度文学フリマなるものを見てみたかったのだ。

 浜松町の駅で、モノレールに乗り換える。発車寸前だったモノレールはラッシュ並みの人でで溢れていたので、一台まって、次のモノレールに乗って流通センターへ。

 駅を降りて、すぐが流通センターだった。文学フリマと反対側の建物でもイベントがあるらしく、どちらも長い行列ができていた。

 着いたのが、11時少し前で、開園の11時まであと少しだったので、列には並ばずに開園を待つ。客層を観察してみるとさまざまな年齢層があり、ちょっとほっとした。若者ばかりだったらどうしようかと思っていたのだ。

 列が切れたところで会場内へと進む。会場内は、けっこう広く、あれだけ列が出来ていたのにかなりゆったりと見ることができた。

 並べられている本を見ると、結構本格的に作ってあるものが多かった。表紙は、圧倒的にコミックを想像させるイラストが多く、内容はというとちゃんとした小説になっている。最近、各社の文庫本の表紙がコミック調のイラストになっているのは、こんな所から波及しているのかもしれないと思った。

 値段を見てみると、千円を少し切る値段が中心のようだった。あれだけ作り込んであるとコストもそれなりにかかっているだろうし、適切な値段だろう。むしろ、リーズナブルな値段なのかもしれない。

 販売している人たちの年齢層もまちまちだった。目立つのは、各大学の文学倶楽部関係。名の通った大学の倶楽部がいくつも出展していた。この中に時世帯のベストセラー作家がいたりするのだろうか。

 書くブースは、長机で作られていて、机には販売する本と宣伝用のアイテムが置かれていた。その後ろに販売する人が二人ないしは三人並んで座っているというのが定石のようだった。椅子の後ろにはスペースがあり、ある程度荷物を置けるスペースもあった。

 販売する人たちを見ると、みんながこの行事を楽しみにしていたことが伝わってくる。わくわく感がどのブースにもあるのだ。一日だけというのがいいのかもしれない。

 また、各ブースとも手作り感があっていい雰囲気を醸し出していた。

 会場の外にあるフロアには、各ブースの本が見本として置かれており、立ち読み出来るスペースがあった。出来れば、座席なども用意して、ゆったりとして読めるスペースを作ってもらえればもっと良かったように思えた。

 残念だったのは、下調べをちゃんとしないでいったこと。noteで活躍されている方のブースを発見できなかった。

 家に帰ってから文学フリマのブース案内を見返したら、唯一通らなかった列にそのブースがあった。

 次回は、今回のようなミスをしないようにしたし、出来れば何冊か購入して帰ってきたいと思った。

 エッセイ集 目次


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?