地球の成り立ち(6)

 前回に引き続き、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)をもとに、地球の成り立ちについて述べてみたいと思います。

 今回は、二酸化炭素の話をしたいと思います。二酸化炭素は、酸素が登場するまでの地球で、大気成分の主役だったことは、前回までで紹介しました。今回は、この二酸化炭素(正確には炭素)が地球上を循環していると考えられていることを紹介したいと思います。

 この二酸化炭素は、火山から吐き出されて大気中にたまり、それが雨水に溶けて雨や雪となって、陸地へ降りそそぎます。陸地にたどり着いた二酸化炭素は、陸地上の岩石や鉱石と化学反応してくっつきます。そして、そのくっついた岩石や鉱石が河川の水に溶けて海へと流れていきます。このとき、二酸化炭素も一緒に海へと移動していきます。

 海についた二酸化炭素は、珊瑚礁によって炭酸カルシウムというかたちに変えられ、海底へと沈んでいきます。また、海面に漂っているプランクトンと摂取されて、そのプランクトンの死骸が同じように海底へと沈んでいきます。

 ところで、現在の地球は、一番外側に大気圏があって、その内側に卵の殻に相当する地殻があります。我々が住んでいるところがこの地殻です。地殻は、卵の殻ように薄いものなのですが、卵と違ってすべてが均一な一枚の殻ではできていないのです。地殻の場合、現状、十数枚のプレートに分かれています。

 そして、それぞれのプレートはある点でぶつかり合い、比重の重い方のプレートが比重の軽いプレートの内側、つまり地球内部に沈み込んでいます。その影響で、数十枚に分かれたプレートも非常に緩やかに動いています。

 地殻の下には、マントルがあり、マントルは、岩石などが液体状に溶けるほどの高温になっています。そのマントルの内側には外核があり、さらにその内部に内核があります。地球は、外側が一番軽いもので出来ていて、内部にいくほど重いもので、できています。それが、地球です。

 プレートが沈み込んで行くところが海溝です。海で一番深い場所になります。海で一番深い場所というと陸地からかなり離れているところのように思われるかもしれません。しかし、実際は、けっこう陸地の近くにあります。

 それは、なぜかというとプレートが沈み込んだ影響で、火山ができたり、膨れ上がって、陸地を形成したりするからです。そして、そんな海溝の近くには火山のある弧上の島ができあがります。この手の島の特徴の一つとして、その島と陸地の間に内海ができます。

 なんかどこかで、みたことのある風景のような気がしませんか。そうなのです。日本は、こうして出来た島の一つなのです。そうして出来上がった内海が日本海になります。ただし、日本列島が出来上がったのは、人類が出現するよりも遙か昔の話です。

 話がだいぶそれました。プレートが動いていること。プレートが沈み込んでいるところが海溝であることを説明するために、さらに寄り道をしてしまいました。

 海底に沈んだ二酸化炭素は、海底のプレートに運ばれて海溝へと進んでいきます。そして、海溝から大陸のプレートの下へと沈み込みます。

 沈み込んだ二酸化炭素は、マントルの熱によって、プレートの下で熱せられて、また二酸化炭素となり、火山から大気へと飛び出していきます。

 こうやって、二酸化炭素は地球上を循環していると考えられています。この循環を炭素循環といいます。炭素循環は、一周するのにおよそ50万年かかるといわれています。非常に長い時間を掛けて地球上を循環しているのです。

 次回は、ちょっと戻って、日本のような島弧がどのようにして出来るのか、そして大陸の話へと繋げていきたいと思います。

 エッセイ集 目次

 地球の成り立ち(1)

 地球の成り立ち(2)

 地球の成り立ち(3)

 地球の成り立ち(4)

 地球の成り立ち(5)


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