地球の成り立ち(12)

 前回に引き続き、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)をもとに、地球の成り立ちについて述べてみたいと思います。

 地球史上、古生代以降で、生物の大量絶滅が起こったのは、オルドビス紀末(約4億4380万年前)、デボン紀末(約3億5890万年前)、ペルム紀末(約2億5220万年前)、三畳期末(約2億年前)、そして白亜紀末(約6600万年前)です。

 どうもこの何々紀という区切りは、その時点で、大量絶滅などがあって、その時期に生息していた生物たちの種類ががらりと変わってしまったところで区切っているらしいです。

 これらの大量絶滅の中でも、規模が桁違いだったのが、ペルム紀末(約2億5220万年前)の大量絶滅だったそうです。種の96%が絶滅したといわれています。

 つまり、今生き延びている生物は、この大量絶滅のときに生き残った、わずか4%の種から進化したものなのです。人も例外ではありません。そして、今も生存しているゴキブリも生きのびた種の先輩?なのです。

 どうして大量絶滅が起きたのかは、まだ確定していないそうです。しかし、約2億5000万年前というと、現在の大陸が分裂を始める前の超大陸があった時代です。この超大陸「パンゲア」が関わっていそうです。


 現在、考えられている仮説は、次のようなものだそうです。

①「パンゲア」の形成によって、大陸と大陸の間にあった海が消滅したため。
②「パンゲア」の形成によって活発になったスーパープルームが引き起こした火山活動が、地球環境を激変させたため。

 スーパープルームというのは、以前にも述べたように、マントルがある地下2900kmのところから直接マグマが大量に吹き出す現象です。想像を絶する火山活動が活発に起き、大気中に大量の火山灰をまき散らしていったと考えられています。

 その火山灰は、地球上を覆い尽くし、息ができないほどの大気汚染を引き起こします。こうして、生物たちが絶滅していったと考えられているそうです。

 ここ数年、話題となっている中国の大気汚染を想像してみて下さい。テレビの映像を見入るかぎり、かなり視界が悪い状態が何日も続いているようです。マスクがないと生活できない状況です。人間がひき起こす大気汚染ですらあの状況を生み出します。

 一つにまとまった陸地が引き裂かれるほどの大量のマグマを吹き上げる火山活動が引き起こす大気汚染は、人間が起こす大気汚染など比べらものにならないほど大規模だったことでしょう。想像したくないレベルです。

 そして、この時期、海でも異変が起こります。海水中の酸素がほとんど無くなってしまったのです。そのため、海でも大量絶滅が起こります。

 陸地が移動して一つにまとまったあと、つまり、超大陸が出来上がったあと、ぼくらが想像できない世界が地球上を覆い尽くすらしいのです。

 そう考えると、人という種族が、3億年周期でできる超大陸の時代をどう乗りきれるかが、種を維持できるポイントになるような気がします。

 さて、そろそろ地球史も終盤に近づいてきます。次回は、恐竜のいた時代に移っていきます。

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