地球の成り立ち(3)

 前回に引き続き、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)をもとに、地球の成り立ちについて述べてみたいと思います。

 海の水は、どこからやってきたのでしょうか?その答えは、宇宙にあった隕石からだそうです。そう、星のかけらで述べたように僕らの体の元素と同じように、隕石の中に含まれていた元素が水となって、今の海を形成しています。太陽系にあった無数の隕石から水はやってきたのです。

 ただ、隕石の中では、液体の水としてあったわけではありません。水分子は、水素原子二つと酸素原子一つが化学結合して作られています。このうち、水素元素一つが欠けた水酸基(-OH、O:酸素、H:水素)というかたちで隕石の中に結合されていました。

 それが、地球が形成されて、地球上でドロドロに溶かされてマグマとなり、その中で切り離された水酸基が水素と結合して水分子のかたちに変化して、大気中に水蒸気として放出されます。こうした水蒸気が冷やされて地球上にまた戻ってきます。

 しかし、地球が高温だった頃は、冷やされた水蒸気が水や氷となって地表にたどり着いても、マグマで熱せられ、一瞬にして水蒸気となってまた大気圏に戻されてしまうため、海は形成されませんでした。

 ところで、初期の地球は、なぜ高温を維持できていたのでしょうか?最初の大気である水素とヘリウムが宇宙の彼方へ去っていったあとの大気は、今の火山ガスと同じような成分で出来ていたと考えられているそうです。

 火山ガスと言えば硫黄の臭いを思い出す人が多いのかも知れません。水蒸気をはじめとして、二酸化炭素、一酸化炭素、窒素、アルゴン、塩素ガス、塩酸、硫黄、亜硫酸ガスなどで構成されています。

 このうち、二酸化炭素が大気のほとんどを占めていたそうです。二酸化炭素というと何か思い出しませんか?そう、地球温暖化の原因と位置づけられているあの気体です。この二酸化炭素の温室効果で地球は高温を維持できていたと考えられています。

 やがて、長い月日が経ち、そうはいっても地球表面は冷えていきます。地球の表面がドロドロの液状から固体、つまり陸のような塊のようになった頃、気体状になっていた水がはじめて、液体状の水へとかわり、地表に降り注ぎ、溜まるようになります。

 そして、今のような海が形成されるには、これまた、非常に長い間、雨や雪が降り続かなければなりませんでした。それがどのぐらいの年月なのかがわかりませんが、嵐のような天候が長い間続いて海が形成されていったようです。

 こうしてできあがった海の成分は、まだ、今のような塩っ辛い海水ではありませんでした。火山ガスに含まれている成分などが溶け込んだ猛毒の海だったそうです。

 さて、現在の海のような成分になるには、生物の誕生を待たなければなりません。しかし、この時期、まだ大気中にも海の中にも酸素はありません。そして、この酸素を大量につくったのも、生物なのです。
 次回は、その辺の話へと進んできます。

 エッセイ集 目次

 地球の成り立ち(1)

 地球の成り立ち(2)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?