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我々ヒトは、非常に特殊な環境化で生まれた?

 宇宙には、ダークエネルギーといわれているまだ特定できていないエネルギーが74%、同じく特定できていない物質ダークマターが22%がある。地球や我々ヒトを構成している元素は、宇宙にはたった4%しかない。その元素の内訳は、水素71%、ヘリウム27%で、ほとんどをこの2つの元素が占めている。残りの2%の中にその他の元素がすべて入っている。

 構成要素のほとんどを占める水素とヘリウムは、宇宙の始まりであるビッグバーン時に生成され、それよりも重い鉄までの元素は、恒星内の核融合によって生み出されたと考えられている。鉄よりも重い元素は、まだ明確にはなっていないが、中性子星の合体で生まれるらしい。中性子星とは超新星爆発によって生まれる星の1つで、ほとんどが中性子でできている星のこと。中性子は、原子核を構成するものの1つで、電荷をもっていない。原子は、電子と原子核でできていて原子核は陽子と中性子で構成されている。

 こうして宇宙のどこかで生成された元素が寄り集まって地球ができたといわれている。その地球を構成している元素は、鉄が35%、酸素が28%、マグネシウムが17%、ケイ素が13%、硫黄が2.7%、カルシウムが0.6%、アルミニウムが0.4%、そしてその他が0.6%である。一番多い鉄は、地球の中心部に多数存在する。

 我々が目にしている地面は、よく卵の殻に例えられる地殻といわれる地球の薄い表面だ。人間が採取できる鉱物は、ほとんどこの地殻にある。その地殻の構成要素は、酸素が49.5%、ケイ素が25.8%、アルミニウムが7.56%、鉄が4.7%、カルシウムが3.39%、ナトリウムが2.63%、カリウムが2.4%、マグネシウムが1.93%、水素が0.87%、チタンが0.46%、炭素が0.08%、リンが0.08%、その他が0.6%だ。

 一方、生き物であるヒトを構成する元素は、酸素65%、炭素18%、水素10%、窒素3%、カルシウム1.5%、その他2.5%となっている。ヒトの70%は、水分だとすると酸素が一番多いのはうなずける。地殻とヒトの構成元素を見比べると、ヒトは、地殻を構成する元素の中で、酸素以外はほとんど希少な元素で構成されていることになる。となると、我々ヒトを含めた生物は、宇宙の成り立ちや地球の構成要素から発展して生まれたものではないらしいことがわかる。

 ヒトは、他の動物や植物を食べることで自分たちの身体を維持している。脳と心臓以外は3年以内にすべて入れ替わることを考えると摂取した食べ物でわれわらの身体が構成されていることになる。そして、この食べ物のもとを生成しているのは植物だ。植物は、太陽光というエネルギーを使い、地中から吸い上げた水と空気中の二酸化炭素とを反応させて、ブドウ糖とデンプンをつくる。デンプンは、米や麦など人間が主食としている食べ物の主成分だ。ヒトに必要なビタミンなどの物質も、もとはといえば植物が生成している。ヒトは、米や麦などの主食を食べて、デンプンを摂取し、それを胃や腸でブドウ糖に分解してエネルギーとして摂取している。このブドウ糖を構成する元素が酸素、炭素、そして水素だ。これは、ヒトを構成する元素の多い方から三つの元素と同じだ。もちろん、ヒトは直接水も摂取するからすべての物質を植物から得ているわけではないが、ほとんどヒトは植物によって作られたもので構成されているといっても過言ではないと思う。
 言い換えれば、太陽があって、植物が育つ環境がなければ、いくら地球があっても我々は存在できないということだ。生命が存在することができるように水が液体の状態で存在し、生命が生きていける非常に狭い温度域を地球上に生み出している環境。宇宙の生成過程で、必然的に生命が誕生したわけではなく、太陽と地球との微妙な距離が生み出した非常に特殊な環境が生命を生み出したということだと思う。

※元素の構成比は、一家に一枚元素周期表を参考にしています。

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