ものがたり性

 「くまもん」をプロデュースした水野学さんの「センスは知識からはじまる」(朝日新聞出版)を読んだ。41歳の若さでこう言い切れるところはさすがだなと思った。おそらく、20歳代からずっと続けてこられたのだと思う。

 今日は、そんな内容の一部について書いてみたいと思う。

 前から、作品や商品といったものには、ものがたり性が必要だと思っていた。ただ、作品や商品を買い手に提供するだけではなく、どうしてこの作品や商品を作ったのかをちゃんと言葉にして説明できなければならない、そう思っていた。

 水野さんは、センスを「センスとは、数値化できない事象を最適化することである。」と定義する。そして、最適化するのに必要なのは、ひらめきではなく、膨大な知識だと。

 世の中には、ひらめきで何かを成し遂げることができる人が確かにいる。しかし、そういった天才は、全体の2%にも満たないだろう。それ以外のほとんどの人が、自分が人生の中で身につけてきた知識がもとになって、無意識のうちにものごとを考えているはずだ。

 だとすると、どうやって知識を蓄積し、それを作品や商品に活かすかがポイントになる。つまり、膨大な数のインプットを集め、それを集約してアウトプット、つまり作品や商品に反映させる。常日頃の生活の中で、その作業をまめにやることこそ、センスを磨くことに他ならない。

 自分を含めて多くの人は、この作業を怠っている。だから、センスに自信が持てないのだ。

 ここ、noteに訪れている方々は、みな何らかの特技を持っている。絵が書ける、文章が書ける、音楽を作れるなど、何らかの表現方法を持っている人たちの集まりだと思う。しかし、自分のようにその表現方法を使って何をアウトプットしたいのかが明確になっていない人もかなりの割合でいらっしゃるのではないだろうか。

 そういう方には、この本はお勧めだ。できれば、今すぐ読んで欲しいと思う。なぜなら、読み終えた瞬間から日々やらなければならないことがあるからだ。そう、作品を作るために、自分のセンスを磨くことが必要になる。

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 水野学著「センスは知識からはじめる」(朝日新聞出版)

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