ライヤの祈り

 森沢明夫さんの小説で、今年6月に公開される予定の映画にもなった『ライアの祈り』。現代と合わせて、狩猟採集民社会だった縄文時代が、もう一つのメイン舞台になっています。まだ、人が土地を所有するという考え方がなかった時代。争うのではなく、互いに協力し合い、生き延びていた時代。

 風を感じ、人間以外の生き物の気配を感じて人が生きています。船を利用しても何日もかかる北の聖地と呼ばれる土地。そして、そことライヤの住む土地を結びつけている商人たちがいます。普段は接することなく、生活している人びとを旅人である商人たちが結びつけていました。

 1万年以上も続いた縄文時代のどのあたりを描いたのかは定かではないですが、よく描かれていると感心しました。やっぱり、プロだなあ。

 『青森ドロップキッカーズ』

 『津軽百年食堂』

 と合わせて、青森三部作。どれも大好きな作品です。そして、第一作『青森ドロップキッカーズ」からサブで登場していた桃子さんが、この物語では主人公になっています。

 森沢さんの作品って、呼んでいるだけで、絵が浮かんでくるのですよね。お薦めです。



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