地球の成り立ち(15)
前回に引き続き、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)をもとに、地球の成り立ちについて述べてみたいと思います。
インドがユーラシアにぶつかった頃、海の流れも大きく変わります。インドと同じように北上していたインドネシアやパプアニューギニアなどの島々がユーラシア大陸とくっつきます。そして、現在のような複雑な地形を生み出します。
それまで、太平洋側から西に流れていた海流が、この島々の影響で西に向かうことが出来なくなり、むきを北東に変え、台湾の沿岸、そして日本の沿岸を通るようになります。黒潮という暖流の誕生です。
このインドネシア地域の島々は、現在の日本の気候に大きく影響を及ぼしています。台風を含む熱帯低気圧の発生地域になっているからです。以前、地球温暖化問題で気候を研究している方の話を聞いたときに、日本では、かなりの精度?で予測されている天気予報も、この地域ではかなり精度が低いことを教えてて頂きました。熱帯低気圧が何処に生まれるのかの予測が難しいそうです。
ヒマヤラ山脈同様、東南アジアの現在の地形もまた、我々の生活に大きく影響を及ぼしています。
また、それぞれの地域が離れていった南極では、南極のまわりを流れる南極環流が生まれます。南極は、ご存じのように南極点近くにありますから、気温が低く、南極環流の海水もどんどん冷やされていきます。そして、南極には氷床が出来上がり、現在ではその平均高さは、3000mにも及ぶそうです。
新世代の氷河期は、間氷期(氷河期の間の温暖な時期)をはさみ、いままでに4度ほどありました。そして、現在は、その4度目の氷河期の後にある間氷期にあたります。
海面は、氷河期には低下して、間氷期には上昇します。そのため海岸線は、そのつど大きく変わります。1万8000年前のウルム氷河期では、海面がいまより120mも低かったといわれています。東京湾の水深は、100mに満たないので、この時期は、東京湾は湾ではなくて陸地だったと考えられています。
また、6000年ほど前の縄文時代には海面はいまよりも6m以上も高く、関東平野の内陸近くまで入り込んでいたことがその地層からわかっています。この時期は埼玉県のさいたま市あたりまで海だったようです。
この間再放送があった、ブラタモリでも江戸時代の初期のころは、皇居のお堀ぐらいまで海が広がっていたことを紹介していました。
実は、一番最近の氷河期では、日本海周辺浅いところがユーラシア大陸と地続きとなって、日本海が巨大な湖なったこともあったそうです。
地球史上のスケールで見ると、海岸線は想像以上に変化していることがわかります。
地球史を1年としてみる地球カレンダーで見ると、もう少しで除夜の鐘が聞こえてくる午後11時37分になってようやく、人類が登場します。産業革命が起きたのが「残り23分前」、そして、21世紀に入ったのが2秒前です。
人類の歴史が地球史比べ以下に短いかがわかります。
さて、長々述べてきた地球の成り立ちも今回で最終回となりました。永い間お付き合い頂き、ありがとうございました。
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