地球の成り立ち(1)
以前、星のかけらというタイトルで、私たちのからだが宇宙の始まりの頃に作られた水素原子で出来ていることを紹介しました。
今回は、地球がどうやって誕生したのかを紹介したいと思います。
参考図書は、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)です。
地球は、およそ46億年前に太陽系ができあがる過程で生まれてきたと考えられています。太陽が生まれた時期とそれほど変わらない時期に地球も誕生したらしいのです。
ただ、46億年前の一時期というのは、おそらく人が誕生してから現在までの長さとそれほど違わないスケールで見ているのでしょうから、僕たちの感覚で感じる同時期とは少し異なっているかもしれません。数百万年ぐらいが一時期ぐらいでしょうか。
太陽は、第3世代の星と呼ばれています。ビッグバンにより誕生した宇宙は、水素とヘリウムをつくり出し、やがてそれが星となって集まります。そして、その星の内部が原子炉のようになって鉄までの原子をつくっていきます。
星がその寿命をまっとうしたとき、超新星爆発を起こし、鉄よりも重い原子がつくられます。こうしたサイクルが2回続いた後に生まれた星の中に太陽は含まれます。
まず、およそ46億年前、分子雲やガスの回転円盤が重力によって収縮して原始太陽ができます。
そして、原始太陽の周囲を回転する分子雲やガスが冷却し、その中の氷や固体の微粒子が集まって直径10kmほどの微惑星ができます。ハヤブサが近づいたイトカワなどもこの時にできた微惑星のひとつだったのでしょう。
微惑星は、太陽に近いところでは岩石が、太陽から遠いところでは氷が主体となっています。太陽に近い部分には重いものが集まり、遠い方には軽いものが集まっていきます。
100億個以上の微惑星が衝突・合体を繰り返し、原始惑星ができます。惑星と書いた時点で、これらの星のかけらは、太陽のまわりを周回しています。たくさんの微惑星が太陽のまわりを移動しながら互いにぶつかり合い、より大きな原始惑星になっていったのでしょう。
この原始惑星がさらに衝突・合体を繰り返し、最終的に8個の惑星ができあがります。このうち太陽に近い水星、金星、地球、火星だけが岩石からできています。
こうして、地球は、太陽系の中で生まれました。しかし、この時期の地球は、水の惑星といわれている今のような姿からは、かけ離れた姿をしていたはずです。大気も今の酸素や窒素が主体の組成とは異なり、太陽の主成分である水素やヘリウムだったと考えられています。地球のまわりにはまだまだたくさんの星のかけら(隕石)が存在していて、雨あられのように隕石が降りそそいでいたはずです。そのため、地球は常に高温であり、液体状の水は存在し得なかったと思われます。
当初の大気である水素やヘリウムは、高温の地球の重力では支え切れずに宇宙へ飛び去っていったと考えられています。
今の地球のような姿になるには、ここから長い年月が必要だったみたいです。この続きは、またの機会に書きたいと思います。
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