畑

里山の日常(仮タイトル)四

今回は、つなぎなのであまり内容がありません。

若葉なつ20歳 その三

 店番をしてると若い男の人が入ってきた。二十歳を過ぎたぐらいだろうか、ほっそりとした体つきに模様の入ったトレーナーとジーンズを身に着けている。何か品定めをするように店の中を見回している。野菜を買いに来た客という雰囲気ではない。

「あの、ホームページで募集広告をみたんですけど」
男性が、なつに話しかけてきた。
(ああ、さっきオーナーが言ってた募集の人か)
「いらっしゃいませ!今、オーナーに連絡を入れますからしばらくお待ちください」
 なつは、携帯を取り出すとオーナーに電話をかける。数秒してオーナーが電話に出た。
「若葉です。今販売所に募集を見た人が来ています。どうしたらいいですか?」
「そっちに戻るから奥に通しておいて」
「わかりました。」
電話を切り、男性を販売所の事務所の方に案内する。

「こちらで、もう少しお待ちください。まもなく、オーナーが来ますから」
なつが言うと、
「ありがとうございます」
と男性が頭を下げた。

 しばらくすると、渡瀬が戻ってきた。奥の事務所に入っていく。
 なつは、お茶を入れ、事務所へ持って行く。
 お茶を出しおわり、店に戻ろうとするなつにオーナーが声をかける。
「ちょうどいい機会だから、なっちゃんも話を聞いてくれるかな。今忙しい?」
 なつは、さっきオーナーから聞くまで、募集をかけていることも知らなかった。ましてその理由も。
 オーナーは、どうしてインターネットで募集をかけているのかを説明するつもりらしい。
「いえ、まだお客さんもそうは見えていないし、大丈夫ですけど、よろしいですか?」
「こっちに座って」
オーナーは、男性の隣に座るように合図する。
「失礼します」といって、なつが席につく。

つづく

これまでの話

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里山の日常(仮タイトル)三

里山の日常(仮タイトル)二

里山の日常(仮タイトル)一


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