地球の成り立ち(11)

 前回に引き続き、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)をもとに、地球の成り立ちについて述べてみたいと思います。

 約4億5000万年前ぐらいに古代サンゴ、やコケムシ、ウニ、ヒトデなどの無脊椎動物が誕生します。ちょっと馴染みの生き物が登場してきました。

 その後、約4億3000万年前ぐらいに、生物が十分に生活できるほどに成長したオゾン層ができあがり、紫外線をバリアしてくれることで、植物たちが地上へ進出します。浅瀬に生息していた藻類がまず戦陣をきり、上陸します。

 その後約4億万年前ぐらいになると動物も上陸を果たします。最初に上陸した動物は節足動物たちだったそうです。

 この頃の地球の大気は、今よりも酸素濃度が高かったと考えられています。現在の酸素濃度は、約21%ですが、このころは、30%近くあったといわれています。

 一方、海では魚が出現します。といっても、今のような魚ではなく、鎧を身にまとったような甲冑魚(かっちゅうぎょ)と呼ばれる魚たちでした。

 その後の石炭紀(約3億5890万年前~約2億9890万年前)になると、陸上に進出した植物は、天敵がいなかったため大繁栄します。グロソプテリスと呼ばれる皮の厚く背の高い植物が森林を作っていきます。

 この巨木が、沼地などに倒れて水面下に埋まっていくと、その部分には酸素が届かないために、巨木を形成していた有機物が酸化されず、炭素だけが集まり、石炭となっていきます。現在採れる良質な石炭は、この頃できたものだそうです。このように、有機物が酸素のない状態で地中深く埋まっていき、高い圧力や温度の影響で、できたのが石炭や石油です。

 今、我々が使用している天然資源といわれる石油や石炭は、大繁栄と大量絶滅を繰り返してきた主に植物たちがかたちを変えて堆積したものなのです。

 天然資源が有限だというのは、こうした長い時間(おそらく数万年)をかけて地球が作りあげてきたものなので、今のように急激なスピードで消費していくと、いずれは枯渇してしまうという警鐘なのです。

 さて、個人的にはあまりスキではないゴキブリやトンボといった昆虫もこの頃出現します。我々人間よりもかなり前から昆虫類は、地球に住み続けていることになります。

 この頃のトンボは両羽根間の長さが60センチもあったそうです。そして、このあと、恐竜に進化する虫類の先祖もこの頃出現したそうです。やはり酸素濃度が高かったのでしょうか。

 ところが、順調に繁栄してきた生物たちに次のペルム紀(約2億9890万年前~約2億5220万年前)に最大の試練が訪れます。その辺の話が次回にします。

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