広島の災害を観て改めて思うこと
まず、行方不明の方の一刻でも速い救出と亡くなられた方へのご冥福をお祈り致します。
グーグルマップで広島の被災地の航空写真を見て思ったことがある。
どうして自然の造形を無視して造成を続けるのか。
どこもかしこも山の裾野まで住宅地がひしめき合い、場所によっては斜面を削ってまで造成されているところもある。
地球上の川は、川の全長が直線距離の3.14倍(π)になるという。つまり直線で行ける距離よりも3倍長く蛇行して海に辿り着くのだ。それが、現在までに気候が造りあげた自然の造形だ。川と大地にとって一番安定した状態とも言える。
残念ながら、日本には直線距離の3倍も蛇行している川が存在しないらしい。これは、山の高さがあまり高くなく、また海までの距離が短いためだと思われる。
逆に考えれば一番安定した状態の川と大地が日本にはないということだ。つまり安定な状態になるまで、まだ川と大地がつくる造形は変わっていく。
だれでもがわかる通り、大地の造形は、非常に長い時間をかけて作られていく。形を変えるのが一瞬であっても、最終的に落ち着くまでには想像できないほど長い時間が必要だ。ここ百数十年で築かれた人間の文明なんて一瞬の出来事に過ぎない。
だから、今のように自然の造形を無視して、人間の住処を造成する姿は無謀としか思えない。どうして、山がこの形をしていて、川や沢がどうしてそこにあるのか。成り立ちをよく考えてから造成すべきだと思う。
地球温暖化が人間の営みのせいだとすれば、それによる気候の変動のツケは、全て地球に住む我々生き物たちへ返ってくる。
あり得ない量の雨が降った。そう、それはひとつの事実だが、そういった気候変動を生んだのも我々人間だ。
そのあり得ない雨が降ったら大地がどう変化するのか。それを推測するのは難しいかもしれないが、少なくとも沢があるところは山に降った雨の通る道であること、また沢は常に形を変えていくことぐらい認識すべきだ。
ここのところ、広島に限らず、山間の沢や川の近くで災害が起きている。国は、大地と川の関係をもう一度よく見直して、災害の発生が予想される箇所をちゃんと示すべきだと思う。
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