地球の成り立ち(8)

 前回に引き続き、藤岡換太郎著「海はどうしてできたのか」(ブルーバックス)をもとに、地球の成り立ちについて述べてみたいと思います。

 超大陸の形成によって、大陸と大陸の間にあった海がなくなり、海岸線が極端に短くなると、浅瀬に生息していた多くの生物が死滅してしまいます。地球史において何度か起きている生物の大量絶滅には、超大陸の形成が関係しているという考え方もあるそうです。

 超大陸の形成期には、地下のマントルの動きが活発になると考えられています。すると、地下約2900kmもの深さから、巨大な熱いマントルが大量のマグマを形成して上昇してきます。この地下から上がってくる大量のマグマの流れのことを「スーパープレーム」といいます。

 膨大な量のマグマによって、おそるべきことに今度は、超大陸は引き裂かれ、分裂を始めるのです。ヌーナもこうして分裂し、いくつかの大陸に分かれていきました。そして、今度はヌーナのあった場所からみて地球の「裏側」でばらばらの大陸が合体して、新たな超大陸「コロンビア」がつくられます。超大陸はこのように、およそ3億年の周期で形成と分裂を繰り返していると考えられています。この循環は、「ウィルソンサイクル」と呼ばれています。

 現在でも、マントルから直接マグマが上がってくる場所は、存在します。それが、海嶺と呼ばれるところです。この海嶺は、海底にある山脈のようなもので、その長さは、長いものだと何千kmになります。太平洋や大西洋などにはこうした海嶺があり、マントルから吹き出すマグマの影響で数十枚あるプレートは、ゆっくりと動いているのです。そして、その動いているプレートが最後に沈み込むのが、前回話にでてきた、海で一番深い海溝です。

 もっとも新しい超大陸は、いまからおよそ2億5000万年前にできた「パンゲア」です。現在はパンゲアが分裂して、分かれた大陸が移動している段階にあたります。次の超大陸は、日本付近にいまから5000万年後くらいにできるという予想されていて、すでに「アメイジア」という名前もつけられています。

 今は、遠いハワイも5000万年ほど経てば、ものすごく近いところにあるのかもしれません。次回は、地球が雪の球のように凍ってしまった次代について述べます。

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